あなたが捨てた花冠と后の愛

小鳥遊 れいら

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俺の名前はアランリュカス、この国の皇太子である。
俺のことをお父様と弟妹たちはアランって呼ぶ。

俺の母は不思議な人だ。親なのによくわからない。物心ついたときから母そばにおらず、お父様と乳母そして側妃様がいた。ときどき会うお母様はあまり俺たちに関心がないように感じていた。だからだろう。弟妹たちは実の母親ではなく側妃様に懐いていた。

お母様が窓から落ちて、意識不明だと聞いたとき居ても立ってもいられなかった。なりふり構わず母のもとへ向かうと、変わり果てた母の姿があった。お父様は泣きじゃくり、ずっとお母様の名前を呼んでいた。聖霊術師様のおかげで一命を取り留めたと聞いたとき心から良かったと思った。

お母様の部屋に向かおうと思い、お父様に許可を得るために執務に向かう。執務の外まで聞こえる。お父様への罵詈雑言であった。お祖父様たちはお父様に向かって怒り、罵っていた。お祖母様たちは泣きながらもなぜ守ってくれなかったと言っていた。そして何より驚いたのは、伯父様が言っていた内容だった。

ドアの外で聞いてしまい、お母様のもとへ行きたくても行けなくなってしまった。自分たちへの関心がなかったのは、お母様の意思ではなく、魔女への対価を払った代償であったこと。誰にも頼ることができず、一人で悩み苦しみ続けていたことに誰も気づかなかった。

執務室での一件から一夜明けると側妃であるルチア様が無期限の謹慎になったこと。お母様を陥れようとしたしていたことを側近から聞いた。
ルチア様がお母様を。。。俺は母ではなく側妃に懐き、母の居場所を奪ったんだ。俺だけでも味方になっていればこんなことにはならなかったのに。。。
後悔してももう遅い。

お母様が眠りからまた目を覚まされたと聞き、嬉しかったし安心した。しかし、お母様はまるで人形のように感情を亡くし、一人では何もできなくなってしまったと聞いたとき自分の不甲斐なさを痛感した。

お父様のいる執務室へ向かった。お母様に会うために

「お父様、今よろしいでしょうか。」 

「入っていいぞ。」

入ると驚いた。自信に満ち溢れていたお父様は見る影もなくやつれてしまい、今にも倒れそうになっていた。

「お父様、本日お母様のところに行きたいのですが、よろしいでしょうか。」

「リリィのところか。行ってもかまわないよ」

お父様はお母様のことリリィって愛称で呼ぶんだ。

「ありがとうございます。本日お母様に会いに行ってきます。」

それだけをいい、執務室をあとにした。
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