あなたが捨てた花冠と后の愛

小鳥遊 れいら

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皇后宮にて・・・

「お母様、アランです。入ります。」

お母様のいる部屋の前で一声かけると中から侍女が出てきて

(帝国の若き太陽、皇太子にご挨拶申し上げます。皇后陛下が中でお待ちです。どうぞ。)

侍女に言われ、中に入るとお母様はこちらの方を見ていた。だけど、何も映していなく、すべてを飽きらめた顔をしていた。

「お母様、アランです。お見舞いに来るのが遅くなり、申し訳ございません。」

勇気を振り絞って言ってはみたものの、お母様からは何も反応がなかった。

「お母様、今日は天気も良く、過ごしやすい日です。俺は朝から剣術の稽古をつけてもらいました。このあとは歴史と政治の勉強です。早くお父様とお母様のようになれるよう精進していきます。」

何も反応がなくともそれでもいい。目の前にお母様がいることが何よりも嬉しかった。

「お母様、それでは今日はここで失礼します。また来ます。」

何も反応がないはずなのに心のなかで行ってらっしゃいと言われているような気がした。

授業が終わり、俺は兄妹たちにお母様のことをわかりやすく丁寧に話していった。皆、最初は困惑していたが、明日お母様のもとに皆で行くことにした。
今からでも遅くない。今度こそ、俺がお母様を守ってみせる!


翌日になり、お母様のもとへ兄妹全員で向かった。

「お母様、アランです。今日は兄妹全員で参りました。よろしいでしょうか。」

また侍女が出てきて

「どうぞ。なかで皇后陛下がお待ちです。」

ドアを開けて通されるとお母様の姿があった。

「お母様、アランです。今日は兄妹全員で参りました。ほら、みんなもお母様に挨拶しないと」

兄妹全員はお母様に挨拶をした。反応はないが、きっとお母様は喜んでくださる。

お母様を交えながら兄妹での会話は楽しく、あっという間に時間が過ぎていき、侍女たちから

(皇太子殿下、皇子殿下、皇女殿下、そろそろご夕食のお時間です。そろそろお戻りを) 

夕食の時間か、もうそんなに過ぎてしまったのか。そろそろ部屋に戻らなくては行けないな。

「お母様、もうそろそろ夕食の時間なので今日はこの辺で失礼します。ほら、帰るぞ。お母様に挨拶」

まだ居たいという兄妹もいたが、お母様の身体のことを考えると今日は帰ったほうがいい。駄々をこねる兄妹に

「また、明日来ような」 

兄妹たちはお母様に挨拶をして部屋を出ていった。
その時もまたいらっしゃいと言っているような気がした。


それから、兄妹でお母様のもとを訪れ、たまにお父様と一緒にお母様のところに行くこともあった。

そんな毎日が1年2年も経っていったある日。
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