あなたが捨てた花冠と后の愛

小鳥遊 れいら

文字の大きさ
31 / 35

31

しおりを挟む
お父様とお母様の話が聞こえた。後悔している。俺たちはお母様の子で幸せなのにそんなこと言わないでほしい。

「お母様、俺たちはお母様の子で幸せです。」

兄妹たちと手をつないでお母様とお父様の方を見てはっきりと言った。

「アラン。それにあなたたちも。。。」

お母様は泣いてしまった。泣かせてしまった。 

「お母様、俺は、俺たちは幸せです。毎日お母様のところに来て話すことが何よりも楽しかったです。だからそんなこと言わないでください。」

俺は涙ながらに話していた。

「アラン。ごめんね。ほら、みんなおいで。」

お母様は、一人ずつ抱きしめてくれた。お母様の腕の中は温かかった。今からでもやり直せる。これから幸せな家族になっていくんだ。



アランたちは泣きつかれて自分たちの部屋に戻って眠ってしまった。陛下はずっと手を握ってくれているけど

「・・・陛下、側妃様はどうなさったのですか。」

陛下は顔色を変えずにこちらを見て

「側妃は生涯幽閉することにした。」

幽閉ですって!何があったのいったい

「陛下、幽閉とはどういうことでしょうか。」

「側妃はリリィを陥れようとした。貴族派と手を組み。隣国に国の情報を流し、そなたを陥れようとした。」

側妃がそんなことを。貴族派と手を組むとは。隣国に情報を流すなんて。。。

「ですが、陛下は側妃のことを愛していたのではないのですか。」

そうよ。陛下は側妃を愛していたのだから

「俺は側妃のことを愛してなどいない。俺が愛しているのはこの世でただ一人リリィだけだ!」

わたくしの方をしっかりと見てそうおっしゃった。

「で、でも陛下は側妃を娶るのに前向きだとかいろいろなことを。。。」

わたくしは侍女や周りの貴婦人たちから耳にしていた

「リリィ。今から言うことに傷つかないでほしい。」

陛下は決心したようにこちらを見て話してくれた。貴族派からわたくしを守るために隣国から側妃を迎えたこと。側妃が同性愛者だと言っていたこと。側妃を迎えた日に側妃が熱を出し、夜通し看病していたこと。側妃から恋人に花冠を渡したいと言われて教えていたこと。見本として花冠を渡したこと。など細かく話してくれた。
どれも真実のように聞こえて、彼が嘘をついているようには思えなかった。

「わたくしたちには会話が足りなかったのですね。」

もっと会話をしていればこのようにはならなかった。一人で悩み思い詰める前に助けてと一言言えばよかった。

「リリィ、そんなことはない。俺が何も言わなかったからだ。しっかり話して向き合ってさえいれば、こんなことにはならなかった。不甲斐ない夫ですまない。」

「わたくしこそ、申し訳ございません。」

「やり直さないか。リリィ。また初めから。」

陛下が手を握ってくれる。温かい。。。

「わたくしでよろしいでしょうか。また一人で思い詰めてしまうかもしれません。」

「もし、そうなったら今度こそ俺が守る。必ず」

もう一度、陛下を信じてみよう。きっと大丈夫。

「はい。よろしくお願いいたします。レオ様」

レオ様が目を見開いて涙を流しながら抱きしめてくれた。わたくしもつられて一緒に泣いてしまった。

リリィが今、レオ様と呼んでくれた!言葉には表せないほどに嬉しく、泣いてしまった。リリィも一緒に泣いていた。


この日は久しぶりに2人で手を繋ぎながら眠った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

【完結】亡くなった人を愛する貴方を、愛し続ける事はできませんでした

凛蓮月
恋愛
【おかげさまで完全完結致しました。閲覧頂きありがとうございます】 いつか見た、貴方と婚約者の仲睦まじい姿。 婚約者を失い悲しみにくれている貴方と新たに婚約をした私。 貴方は私を愛する事は無いと言ったけれど、私は貴方をお慕いしておりました。 例え貴方が今でも、亡くなった婚約者の女性を愛していても。 私は貴方が生きてさえいれば それで良いと思っていたのです──。 【早速のホトラン入りありがとうございます!】 ※作者の脳内異世界のお話です。 ※小説家になろうにも同時掲載しています。 ※諸事情により感想欄は閉じています。詳しくは近況ボードをご覧下さい。(追記12/31〜1/2迄受付る事に致しました)

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

【完結】貴方の傍に幸せがないのなら

なか
恋愛
「みすぼらしいな……」  戦地に向かった騎士でもある夫––ルーベル。  彼の帰りを待ち続けた私––ナディアだが、帰還した彼が発した言葉はその一言だった。  彼を支えるために、寝る間も惜しんで働き続けた三年。  望むままに支援金を送って、自らの生活さえ切り崩してでも支えてきたのは……また彼に会うためだったのに。  なのに、なのに貴方は……私を遠ざけるだけではなく。  妻帯者でありながら、この王国の姫と逢瀬を交わし、彼女を愛していた。  そこにはもう、私の居場所はない。  なら、それならば。  貴方の傍に幸せがないのなら、私の選択はただ一つだ。        ◇◇◇◇◇◇  設定ゆるめです。  よろしければ、読んでくださると嬉しいです。

【完結】お世話になりました

⚪︎
恋愛
わたしがいなくなっても、きっとあなたは気付きもしないでしょう。 ✴︎書き上げ済み。 お話が合わない場合は静かに閉じてください。

【完結】本当に愛していました。さようなら

梅干しおにぎり
恋愛
本当に愛していた彼の隣には、彼女がいました。 2話完結です。よろしくお願いします。

もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~

桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜 ★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました! 10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。 現在コミカライズも進行中です。 「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」 コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。 しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。 愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。 だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。 どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。 もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。 ※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!) 独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。 ※誤字脱字報告もありがとうございます! こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。

【完結】私が貴方の元を去ったわけ

なか
恋愛
「貴方を……愛しておりました」  国の英雄であるレイクス。  彼の妻––リディアは、そんな言葉を残して去っていく。  離婚届けと、別れを告げる書置きを残された中。  妻であった彼女が突然去っていった理由を……   レイクスは、大きな後悔と、恥ずべき自らの行為を知っていく事となる。      ◇◇◇  プロローグ、エピローグを入れて全13話  完結まで執筆済みです。    久しぶりのショートショート。  懺悔をテーマに書いた作品です。  もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!

処理中です...