余命50年のエルフさん

転定妙用

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子作りと冒険です。

皇子様、冒険者しましょう?【カスミ】

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「どうですか?ここでも、私達もここでいくつもの仕事の依頼を受けて、仕事をしています。一緒にいきませんか?」
 私は、皇子様が私達の冒険談に笑い転げて、大いに失敗談も大げさに、面白そうなことをその数倍誇大にして語ってんだけどね、アサのまじめ腐った顔で表情豊かに美しく語る私にぼけや突っ込みをいれるから、さらに面白く、あのお堅い女騎士団長さんまで笑いを必死にこらえて、お腹を抱えていたくらい、という瞬間をとらえて身を乗り出すように提案したわ。
「市に近い所の仕事もあるから、可能ですね。」
と旦那が付け加えて補強してくれたわ。
「ぜひ一緒に行ってみたいな。」
と皇子様が自然なノリで、合わせてくれたわ。
 すぐに、寄り添っていた愛人さんがビクッとして、顔を青ざめたわ。
「そ、そんなこと許されるはずがなかろう。殿下に変なことを・・・、唆すのはやるていただこうか。」
 真っ赤になって椅子から女騎士団長さんは立ち上がっただけでなく、駆け寄ってきたわ。
「お前ら、皇子様を拉致するつもりだろう。そのような企み、分からないとでも思っているのか?」
と旦那ではなく、私に向って、私の顔を睨んできたわ。
「皇子様を喜ばせた美人の君に嫉妬したんじゃないか?」
と旦那。よくわかっているじゃない、感心感心よ。
「騎士団長閣下も、騎士団も一緒に同行されれば大丈夫ではないですか?」
とは、真面目な顔で言ったのがアサ、旦那様。
 思わず言葉に詰まる女騎士団長様。ふ、ふ、ふ、ざまあみろ。
「どうだろうか?いっぱい人数をつけてということで・・・検討してもらうよう言ってもらえないか?」
と皇子様が、頭を下げて頼んだものだから、女騎士団長さんも、むげに断りかねている様子。
「分かりました。市の評議会にあげてみましょう。どうなるかはわかりませんし、私も賛成しかねますから、積極的に応援しませんからね。」
と以下にも渋々という様子で言ったわ。まず第一歩成功。

 そして、評議会は許可してくれたわ。大切な人質さんだから、その願いは叶えたいというところね。
 もし、却下だったら?第二、第三の策も考えていたわ。かなり確率は低い、成功率は半分以下と見ていたわ。なんせ、外に出すことはかなりのリスクがあることだから。既に何度も救出作戦が実施され、もうすぐというところで潜んでいた箱から見事な金髪が外に出ていたのを見つかってしまって失敗したこともあったという。
 その見破られた原因については、
「この香しい匂いは?もう、あの方しかいないわ!」
というものだったという話まである。その後、警備が一段と厳しくなったのである。

 評議会から許可が下りたと言うので、私達の宿に王子様からの使者が来たわ、直ぐ来てくれですって。今受けている仕事は3つ、その一つが多分許されるだろう条件に当てはまっているわ。そういうように仕事を取ったのだ。条件が皆許容範囲内だと不信感をさらに増大してしまうと考えたからだ。

「お母さん。仲がいいのはいいことだけど・・・少しは・・・そうだ・・・おばあ様のことを考えてあげて。」
「お母さんもでしょ?」
「本当に、誰に似たんだろうねえ。」
と3人。孫よ、そんなことを言うなら早く結婚して、曾孫を作ってよ。娘よ、旦那と一緒にくればよかったのよ。母上、あなたには言われたくないわ。
 これは余談。私達はすぐに皇子様の館に駆けつけたわ。
 仕事の内容は、市からほど遠くない森で魔獣が数体出没するようになり、それがまた素早くて、どういう魔獣かわからない、しかし、素早くて、収穫物を襲って食べるのだが、人も襲うが殺して食べるというであるから、市としても皇子の逃走の危険性が少ないということなのだ。もちろん、女騎士団長様以下いつもの部隊にプラスα、かなりプラスαになっているのが付いてきたわ。多分、これだけではないはずだと思っていたら、当日やっぱりそうだったわ。隠れて、気が付かれないように、不可知魔法まで纏った連中、このあたりで有名な黒メイド組。魔法、暗器の使い手達で、何故かメイド服、というかメイド服風の仕事着を纏っているのか不思議なのだけど、彼女らのトレードマークであり、それが恐れられているのも事実。暗殺も請け負っているし、そちらもかなり恐れられているね。まあ、こちらも私達だけではないけどね。彼、あんまり焦らないといいんだけど、旦那が心配しているわ。

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