厄介払いされたハーフエルフの王女は嫁ぎ先の人間至上主義国で男装して国王になる

転定妙用

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我が正義である・・・っね・・・。

シュウ王国の場合

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「ナルシス王国の王宮内の防御結界が強化されたか。国王がやったのか?それとも王妃か、夜の女王か?もし、後者であれば国王はさらに追いつめられていることになる。前者であれば、迷っているということか。直接働きかける方がいいか?大使を通じて国王に謁見はできているが、話を聞くだけで、あちらから動こうとはしない。何もしていないはずはないだろうが・・・こちらが積極的な援助を切り出すのを待っているのか?時を待たず、侵攻を開始すれば、呼応して決起できるか?そうなれば王妃派、夜の女王を挟み撃ちできるか?そうなると、レムス王国が動き出すか?レムス王国と連携を提案し、先にナルシス王国を掌握して、レムス王国を迎え撃てば・・・。」
 タンは、女魔導士達の報告を聞いて、心の中で自問自答していた。

 シユウ王国は、人間の国王を中心に人間、エルフ、オーガ、オーク、ドワーフ、各種獣人の諸勢力を上手く均衡を取って統治してきた。だが、均衡を図るために周辺諸国を征服→領土拡張→土地と人と富の分配を行ってきたし、そのことで国力、国王自体の権威、富、軍事力も拡大できていた。しかし、それはある段階で停止した。大敗が続いたのだ。それには色々な要因がある。シユウ王国の侵略に対して小国の同盟体制ができたり、シユウ王国同様の大国と対峙することになった、他方面での作戦、国の中心地からだんだんと遠くなり、兵站が長くなり、補給等の問題が生じた、それ以前は同様な文化圏、気候圏での拡大だったが、侵略が他の文化圏、地域に入り、侵攻に対する抵抗ははるかに激しくなり、占領も簡単にはいかない、軍はなれない気候、地で勝手が違うだけでなく、体力を消耗、病気がまん延して・・・ということにもなった。
 領地の拡大が停止したものの、統治体制も国政も基本的には手は付けられなかったし、手を付けられるものではなかった。
 このため王国直轄領の分配、王国財政からの補助金、不穏分子の粛清による領地の没収、再配分などを行って対応してきたが、王室、王国が弱体化しただけでなく、各勢力の貧困化も招いたため、国力そのものが衰退することになってしまった。
 タンは現国王の下で、体制を引き締め何とか維持してきたが、領土拡張ができないと衰退は余儀なくされる。とはいえ、確実に勝てるというものではない。悩んでいる彼は、一つの重要な情報を得た。ナルシス王国である。外国から嫁入りしたハーフエルフの王妃が国王を押しのけて男装して国王に成りすましているという情報を得た。
 ナルシス王国は、国境は接していない。両国間には一つ国がある。シユウ王国は、どちらとも現在は友好関係を築いている。しかし、元々は隣国の侵攻について、その背後ナルシス王国を味方にするためではあったが、離反策を秘密裡の内に何度もしかけたが、ナルシス王国は動くことなく、かえって友好関係を強めてしまった。最終的には、ことが成就した暁には、今度はナルシス王国に侵攻する、それが既定の路線だった。

 自ら使節を率いてナルシス王国に出向いた。もちろん表向きの理由は、友好親善のためである。ナルシス王国側では多少警戒はしていたが、特に困った動きはしなかったため、要求も暗に仄めかすことですらなかったことでホッとしているようだった。そして情報が正しいこと、そして、王妃とそれを指示する派閥がナルシス王国を掌握していることがわかった。本当の国王がどこか捜しているいるうちに、ナルシス王国には夜の女王の管轄する部分があり、ナルシス王家と対立しつつも共存していることを知った。亜人である夜の女王は、ハーフエルフの王妃と結託しているのであろう。多分国王は、夜の女王を倒して国政を奪回しようとしていると考えた。
「馬鹿な。単純な。」
とタンは思った。僅かな人間やエルフ等の奴隷や一部の亜人の同調者を等を従えただけで、夜の女王を打倒しようとする、できると考えているのである。国王は、そのようなことがムチャなことだと分からないくらいに凡庸な男のようだ、と彼は思った。そのような男であるから、外国から嫁入りした王妃に国政を牛耳られ、臣下に見捨てられた、夜の女王にナルシス王国を乗っ取られたのだと思ったし、だからこそ利用できると思った。彼が奴隷達を集めている場をとらえて、魔法映像を送って交渉した。彼は優柔不断で愚鈍な人物だとすぐにわかったし、利用できることも感じた。優柔不断だから、あの時何も進められなかったものの、交渉の足場ができた。だが、そこまでで進展がない。
 とは言え、タンは今後どうすべきか、悩んでいた。なかなか結論は出てこなかった。
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