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5.俺好みの女に教育してやろうか、ってどういう意味ですか?

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「それにしても、ここまであけすけに聞かれるとは思わなかった」

「隠し事嫌いなの。何でも聞くし、何でも言うのが私だから。それで、やっぱり夫婦になった二人を見て、辛い?」

「辛いと思った事はない。良かったと思っている」

「本当?」

「ああ、本当だ。伊織の事は――・・・・可愛い妹分が尊敬して自分が仕えている親分の下へ嫁いだ・・・・こんな心境かな。的確な表現だと思うが、どうかな」

「そっか! じゃあ、心から祝福できるね」

 解りやすい表現で、私も納得だ。

「中松さんがお姉ちゃんの事をどう思っているか、聞けて良かった。疑問解決! 食事ってやっぱりいいね」

 気が付くと野菜のチーズ焼きは無くなっていた。他の副菜やご飯やみそ汁も完食だ。

「そうだな。俺も、美緒の事がまた知れた。明日の天ぷら楽しみにしてる」

「任せておいて! お姉ちゃん程じゃないけど、簡単な野菜料理は得意だから」

「解った」

 わー。なんか、親密度アップじゃない!?
 特別レッスンなんて言うからちょっと期待したんだけど、ただのお食事でもこんなに相手の事が知れちゃうんだ!
 明日は中松さんの好みとか色々聞きたいなぁー。

「じゃ、最後はマッサージだ」

「うん、いいよ、やってあげる。結構得意なんだ」

 空になった食器をまとめてテーブルの端にやって、中松さんが座っている方まで行った。

「何だ、サービスいいじゃねえか」

 まんざらでもなさそうに、中松さんはジャケットを脱いだ。
 をををー。白いYシャツの下に隠された肉体美。見えないように色の濃い肌着も着用しているけれど、あの背中には綺麗な鳥さんが描かれているんだよねー。

 そうだ。彼の背中に住んでいるのは何ていう鳥なのか、この前聞きそびれたから聞いてみよーっと。

 早速マッサージを開始した。結構固いなぁ。筋肉なのか凝りなのか、全然解らない。
 ひとつ言うと、線の細いお父さんとは全然違うし、歴代の彼氏とも違う。一番逞しくてカッコイイと思う!
 はー。早くこの腕で正式に抱かれたーい。

「細い指だな。疲れるだろ」

「ううん。平気。そういえばこの前勝負した時、刺青見せてくれたでしょ。あの綺麗な鳥さん、何て名前?」

「鳳凰(ほうおう)って知らねえ? 中国古代の想像上の瑞鳥(ずいちょう)――って難しい事言っても美緒にはわかんねえか。ま、手っ取り早く言うと、伝説の鳥だよ」

「鳳凰! 伝説の鳥! すごくカッコイイね。素敵」

「刺青見ても驚くどころか、カッコイイ素敵とかいう女、多分お前くらいだぞ」

「だってカッコイイもん。綺麗だったし」

 本当の事なんだけどな。
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