【R18】お前が好きだから、仕方なく付き合ってやる ~笑顔でお断りしましたが、何か?~

さぶれ@6作コミカライズ配信・原作家

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2.何故か私にまで見合い話(笑顔でお断りが出来ず困惑)

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 急に社長に予定を空けろと言われ、仕方なく普段の二倍のスピードで仕事をこなした。
 社長秘書と言っても聞こえがいいだけで、業務内容は様々ある。要するに忙しい雑用係だ。社長のスケジュール管理から、お茶くみコピーに様々な業務というか雑務が毎日私を待っている。会合や会議が増えれば増えるほど、私の仕事も比例して増えていく。

 現在フクシでは、秋の展示会へ向けて新商品の開発に力を入れている。神原に差をつける為にも、新たな目玉商品が必要なのだ。その為に毎日試行錯誤している。
 秋の展示会は特に大きなものだから、余計に気合が入る。


 この靴業界では、年に二回、大きな展示会が大阪と東京で開催されるのだが、秋が特に大きい。春と比べて規模が違う。
 秋の展示会では、翌年の春物を予約で売り出す。現状の即納在庫(秋冬物中心の新作)や、一か月ほど待ってもらう十一月中旬頃の納期のものを持っていく。定番商品に加えてブーツが並ぶので、秋は見栄えも良く、売り場が華やかになる。しかし近年はブーツ離れが進んでいて、また、流行りとなるベースシューズも出てこない。

 数年前はブーティーやサボにモカシンが爆発的に売れたが、それも一過性のものであり、ただの流行だ。前年度に相当数のヒットを飛ばしたからと言って、翌年も売れるとは限らない。


 そんなフクシは、新商品開発で悩んでいた。


 フクシの一番の売り上げを支えるのは、インソールが柔らかく、足が疲れにくいスニーカー。この底面を父の工場で作っている。スニーカーはリピートして買って貰えているが、爆発大ヒットは初年度、翌年までだった。既に全国各地へ行き渡ったというのもあるし、流行が去ったというのもある。
 目玉商品なので均一に売り上げを保っているが、他のサンダルやブーツにパンプス部門は売り上げの伸びが良くない。この部門は、神原がシェアを総取りしているのだ。

 神原に負けないような、新商品は開発に力を入れ、ヒットを飛ばせるような品にしたい。

『歩きにくい』や『疲れにくい』という名を掲げた新しいスニーカーは無難に売れる。しかしその程度。もっと爆発大ヒットを飛ばす商品が欲しい。できればスニーカー以外が望ましいが、フクシ=スニーカーの絵面が出来上がっているのは、致し方ない。ブランド力を利用できるのはあくまでもスニーカー。しかし、もう少しスニーカー以外のアイテムで何とかならないだろうかと、頭を悩ませている所だ。
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