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9.遂に神原と対決!(ハラハラドキドキ)
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しおりを挟む「社員の母親の見舞いなんか、普通しませんよ? 気を遣わないで下さいね」
「何を言っているんだ。大事な人の母上だぞ。紗那の母なら、俺の母も同然だ」
「全然同然じゃありませんが」
「同じだ。お前と結婚したら俺の義理母になるだろう」
「は? 結婚なんかしませんが?」
「まあ、そう言うな。俺と結婚したら、色々安泰だ。メリットだらけだ」
「社長と結婚なんて、デメリットだらけですよ。女性社員にやっかまれて、フクシを退職されそうになっている案件をお忘れですか? いい事なんか、ひとつもありません。お断りいたします」
「くうー。相変わらずキツいなぁ」
嫌そうな顔をせず、むしろ嬉しそうな顔をしている。
この変態め。
「とにかく、これだけ良いパンプスが出来上がったのです。勝ちを取ったも同然でしょう。早く婚姻届け、返して頂けますか?」
「ダメだ。何があるか解らないだろう。万が一にも新商品がコケるという可能性だってあるんだ。それに、勝手に破り捨てられたりしないよう、然るべき場所で保存してある。まあ、焦るな」
「・・・・とりあえず仕事を片付けます。社長こそ私にかまけていないで、金策の方大丈夫なのですか? 今日も銀行に断られたのでしょう?」
「ああ、あれね。うん。大丈夫だから」
不敵に笑っているけど、一体何が大丈夫なのだろう。社長が融資先を決めてくれないから、私も金策を必死に考えているというのに!
「何がどう大丈夫なのですか? 説明をお願いします」
「大丈夫ったら大丈夫なんだよ。まあ、任せておけ」
何の説明なしに、はぐらかされた。
新商品開発の資金策について、社長から全くいい報告は得られていない。本当にこれで大丈夫なのかな・・・・。
これで失敗しても、私は責任取れないぞ。もう、神原に行くことが決まっているんだから。
今日の打ち合わせだって、きっと新商品の出来栄え視察プラス、来年の結婚話を進めようという算段なのだろう。きっとそんな内容の話だ。
まあ、ここで社長が頑張っているという金策について、私が目くじらを立てても仕方がない。大丈夫というのだから、大丈夫なのだろう。信じるしかない。
あれ。何時もの私らしくないな。もっと厳しく追及して、何としてもと期限を切り、できるまでやらせるのに。
変に社長のお尻を叩いてしまうと、私の責任がまた重くなるから、無意識に避けようとしているのかもしれない。
突っ込まない事を、変に思われなかっただろうか。心配だったが、神原との約束が入ってしまった以上、残業をする訳にはいかない。定時で上がるべく仕事(雑務)に打ち込んだ。
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