101 / 287
スマイル20・王様とデート
1
しおりを挟む
今日は、王様とデートの日。
近所のおかあさんにおすそ分けしてもらった野菜で、美味しい料理を作って王様に美味しいって食べてもらうのよ。さあ朝ごはん作って、昼食と夕食の下ごしらえもしましょう。
土曜日が待ち遠しかったのよね。早く土曜日にならないかなー、なんて考えたりして過ごしちゃったし。
あっ、違うっ。違うの!
ほ、ホラっ、あの、そう! 今日は王雅がスポンサーになってあれこれ商店街でお買い物してもいいって言ってくれたから、沢山お徳用食材が買えていいなーって。あの、私、お買い物好きだから!
お買い得品チェックして、安くていい品ゲットするのに、命かけてるから!!
決して王様とのデートが楽しみだったんじゃないのよっ。か、勘違いしないでよね、みんな!
ああ、もうこんな時間だわっ。朝ごはんの支度しなきゃ!
私は慌てて身支度を整えて化粧をし、キッチンへ向かって朝食の準備を整えた。
約束の九時まであと三時間弱か。さあ、チャッチャと用意してしまいましょう。
誰っ。はいはい、とか私のコトあしらう人は!
何度も言うけど、王様に会いたいから、とかそういうんじゃないのっ。
子供たちが喜ぶし、助かるからよ。便利屋だし、スポンサーだし。
王雅の事はもういいわ。
とにかく用意を整えて、何時もの様に子供たちを起こしに行って、食堂まで行った。
今日は日本ならではの朝食。
鮭、御飯、根菜のお味噌汁。少し前に平岡商店――魚屋のおじさんのお店で買ったお徳用鮭の切り身。お買い得の上におまけしてもらっちゃったのよね。冷凍しておいたから、今日の朝ごはんに丁度いいわと思って、焼いて出した。
私は基本、大量買いする時はお買い得品以外買わないから。
「あーハラヘッター」
ライタ君が一番に食堂にやって来た。キッチンから食器とトレイを持ってきて、用意したおひつと鍋の前に立つ。
その様子は、まるで学校給食そのものだ。並んでいる子供たちの食器へ、私がご飯をよそってお味噌汁を入れて、グリルで焼いた出来立ての鮭の乗ったお皿をトレイに乗せる。
続いてリョウ君とガックンがやって来たので、ライタ君と同じように食事にご飯とみそ汁を入れて渡してあげた。
その後ミイちゃんとユウくん、アイリちゃんとキューマ君、リカちゃんとチイちゃんとハナちゃん、サトル君とマーサ君が一緒に、それぞれのトレイや食器を持ってやって来た。
これは、私の教え。
私が食器やトレイを食堂に準備することは簡単だけど、食べる事の有難さ、当たり前のことを当たり前と思わずに何事にも感謝の気持ちを持って欲しくて、自分の分は自分で、できる範囲で用意をさせている。
後片付けは出来ないから、準備と後片付けの食器を下げるところまでは子供たちにやって貰っているんだけど、二歳チームはまだ大変だから、少し上のお兄ちゃんやお姉ちゃんがお手伝いしてくれて、助け合っている。
あ、そうだ。ハナちゃんってみんな聞くのは多分初めてよね。
ハナちゃんはその名の通り、花の様に愛らしい三歳になる女の子。肩までの髪は、日本特有の黒髪じゃなく、やや赤みがかったブラウン。
そう。ハナちゃんはドコかの国と日本人のハーフなの。詳しくは私も解らない。
でも、悲しい経歴があって、出産を心待ちにしていたおとうさんに、おかあさんの浮気が――早い話がハナちゃんが自分の子供で無い事が原因となって、ご両親は離婚されたの。
産まれた子供の目の色や髪の色が、自分の遺伝子と異なっていたら、悲しいわよね。
しかも、愛する伴侶にずっと裏切られていたって、感動の出産に立ち会ってそれが露呈してしまうなんて。想像を絶する辛さだと思う。
近所のおかあさんにおすそ分けしてもらった野菜で、美味しい料理を作って王様に美味しいって食べてもらうのよ。さあ朝ごはん作って、昼食と夕食の下ごしらえもしましょう。
土曜日が待ち遠しかったのよね。早く土曜日にならないかなー、なんて考えたりして過ごしちゃったし。
あっ、違うっ。違うの!
ほ、ホラっ、あの、そう! 今日は王雅がスポンサーになってあれこれ商店街でお買い物してもいいって言ってくれたから、沢山お徳用食材が買えていいなーって。あの、私、お買い物好きだから!
お買い得品チェックして、安くていい品ゲットするのに、命かけてるから!!
決して王様とのデートが楽しみだったんじゃないのよっ。か、勘違いしないでよね、みんな!
ああ、もうこんな時間だわっ。朝ごはんの支度しなきゃ!
私は慌てて身支度を整えて化粧をし、キッチンへ向かって朝食の準備を整えた。
約束の九時まであと三時間弱か。さあ、チャッチャと用意してしまいましょう。
誰っ。はいはい、とか私のコトあしらう人は!
何度も言うけど、王様に会いたいから、とかそういうんじゃないのっ。
子供たちが喜ぶし、助かるからよ。便利屋だし、スポンサーだし。
王雅の事はもういいわ。
とにかく用意を整えて、何時もの様に子供たちを起こしに行って、食堂まで行った。
今日は日本ならではの朝食。
鮭、御飯、根菜のお味噌汁。少し前に平岡商店――魚屋のおじさんのお店で買ったお徳用鮭の切り身。お買い得の上におまけしてもらっちゃったのよね。冷凍しておいたから、今日の朝ごはんに丁度いいわと思って、焼いて出した。
私は基本、大量買いする時はお買い得品以外買わないから。
「あーハラヘッター」
ライタ君が一番に食堂にやって来た。キッチンから食器とトレイを持ってきて、用意したおひつと鍋の前に立つ。
その様子は、まるで学校給食そのものだ。並んでいる子供たちの食器へ、私がご飯をよそってお味噌汁を入れて、グリルで焼いた出来立ての鮭の乗ったお皿をトレイに乗せる。
続いてリョウ君とガックンがやって来たので、ライタ君と同じように食事にご飯とみそ汁を入れて渡してあげた。
その後ミイちゃんとユウくん、アイリちゃんとキューマ君、リカちゃんとチイちゃんとハナちゃん、サトル君とマーサ君が一緒に、それぞれのトレイや食器を持ってやって来た。
これは、私の教え。
私が食器やトレイを食堂に準備することは簡単だけど、食べる事の有難さ、当たり前のことを当たり前と思わずに何事にも感謝の気持ちを持って欲しくて、自分の分は自分で、できる範囲で用意をさせている。
後片付けは出来ないから、準備と後片付けの食器を下げるところまでは子供たちにやって貰っているんだけど、二歳チームはまだ大変だから、少し上のお兄ちゃんやお姉ちゃんがお手伝いしてくれて、助け合っている。
あ、そうだ。ハナちゃんってみんな聞くのは多分初めてよね。
ハナちゃんはその名の通り、花の様に愛らしい三歳になる女の子。肩までの髪は、日本特有の黒髪じゃなく、やや赤みがかったブラウン。
そう。ハナちゃんはドコかの国と日本人のハーフなの。詳しくは私も解らない。
でも、悲しい経歴があって、出産を心待ちにしていたおとうさんに、おかあさんの浮気が――早い話がハナちゃんが自分の子供で無い事が原因となって、ご両親は離婚されたの。
産まれた子供の目の色や髪の色が、自分の遺伝子と異なっていたら、悲しいわよね。
しかも、愛する伴侶にずっと裏切られていたって、感動の出産に立ち会ってそれが露呈してしまうなんて。想像を絶する辛さだと思う。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
111
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる