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第4話 ~琴里ちゃんと政海ちゃん~
Side・新庄海里/その10
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美乃梨はもう少し到着に時間がかかるらしいから、先に二人で中に入った。
一歩中に入ると、カラフルでポップな内装だった。ピンクと白ベースに、赤や黄色やオレンジ等で包まれていて、可愛く女性らしい華やかな内装で、ヴェルサイユ宮殿みたいな昨日のノクターンとは全然違っていた。
店内は、コの字型になったカウンターがあり、豪華な椅子が置かれている。カウンターは全部で十四席、ソファータイプのボックス席が二つ、一人掛けソファーが対面式で並べられた二人掛けの専用のテーブル席が五つ、並んでいた。配置が上手く、手狭なスペースの割に広く感じた。一番奥には、何かの演出やらイベントやらに使う小ステージもあった。
扉を開け、入り口に立ってすみませーん、と声をかけると、可愛らしい三十代前半くらいの店長が出て来て挨拶してくれた。名刺を出してくれたので受け取ってみると、名前は『萌(もえ)』と印刷されていた。萌さんは、髪は巻き髪で目はつぶら、つけまつげで目力ボリュームアップ、肌つやも綺麗で可愛らしい女性だった。何というか、きゃぴっとした印象だ。メイド服の恰好がよく似合っている。
「貴女たちが今日の面接をご希望の方?」
「はい。あと一人はもう少ししたら来ます」
政海が矢面に立って話してくれた。昨日の政人と同一人物とは思えない変わり映えだ。
「うん、いいのよ。まだ時間前だし。早速だから軽く面談させてもらうわね。どうぞ、座って」
スタッフルームに案内され、入り口付近の四人掛けの椅子に二人で着いた。
「メイドカフェでのバイトは初めて?」
「はい。前から憧れていて、とくにメイリーンさんは、メイドカフェの聖地だって私達の間では有名でしたので、上京したら働くのが夢だったのです!」
政海のヤツ・・・・そんな事考えていたんだ。
私はこれだけ政海の傍にいながら、彼女(?)の考えている事が全然解っていない事実に気づいた。
まあ、可愛らしいものには、政海は人一倍憧れていたもんな。小学校の時、たまに私がスカート履いているのを羨ましいって本気の顔で言っていたし、隠れてこっそりピンクのハンカチ使っていたのが同級生にバレて、めちゃくちゃからかわれて大泣きして、それを知った私がソイツ等をほうきでシバき倒したこともあったもんなぁ。懐かしい。
そんくらい付き合い長いのに、政海が何を求め、何が欲しくて何が好きなのか、全然解らないのが悔しい。
「まあ、嬉しい。既にエントリーシートも送ってくれているから、貴女たちの事がよく解って助かるわ」
エントリーシートとは、俗にいう履歴書のウェブ版だ。住所・氏名・年齢等細かく書いて、面接希望日と共に専用のウェブサイトから応募する。政海が全部やってくれたので、私は何もしなかった。美乃梨の分も多分政海がやっている。コイツはそういうのは得意だから。オタクだし。
一歩中に入ると、カラフルでポップな内装だった。ピンクと白ベースに、赤や黄色やオレンジ等で包まれていて、可愛く女性らしい華やかな内装で、ヴェルサイユ宮殿みたいな昨日のノクターンとは全然違っていた。
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「貴女たちが今日の面接をご希望の方?」
「はい。あと一人はもう少ししたら来ます」
政海が矢面に立って話してくれた。昨日の政人と同一人物とは思えない変わり映えだ。
「うん、いいのよ。まだ時間前だし。早速だから軽く面談させてもらうわね。どうぞ、座って」
スタッフルームに案内され、入り口付近の四人掛けの椅子に二人で着いた。
「メイドカフェでのバイトは初めて?」
「はい。前から憧れていて、とくにメイリーンさんは、メイドカフェの聖地だって私達の間では有名でしたので、上京したら働くのが夢だったのです!」
政海のヤツ・・・・そんな事考えていたんだ。
私はこれだけ政海の傍にいながら、彼女(?)の考えている事が全然解っていない事実に気づいた。
まあ、可愛らしいものには、政海は人一倍憧れていたもんな。小学校の時、たまに私がスカート履いているのを羨ましいって本気の顔で言っていたし、隠れてこっそりピンクのハンカチ使っていたのが同級生にバレて、めちゃくちゃからかわれて大泣きして、それを知った私がソイツ等をほうきでシバき倒したこともあったもんなぁ。懐かしい。
そんくらい付き合い長いのに、政海が何を求め、何が欲しくて何が好きなのか、全然解らないのが悔しい。
「まあ、嬉しい。既にエントリーシートも送ってくれているから、貴女たちの事がよく解って助かるわ」
エントリーシートとは、俗にいう履歴書のウェブ版だ。住所・氏名・年齢等細かく書いて、面接希望日と共に専用のウェブサイトから応募する。政海が全部やってくれたので、私は何もしなかった。美乃梨の分も多分政海がやっている。コイツはそういうのは得意だから。オタクだし。
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