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昔の話2/シュラウド視点
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「は?今なんと?」
「聞こえなかったのか?ではもう一度言ってやる。来年から学園に通うのだ。貴様という下賎な輩を学園などに行かせるわけには行かんのだが…まあいい、さっさと出ていけ」
「はっ?ちょっ…」
屋敷に入ってすぐに俺の父親である旦那様の部屋に案内された。初めて見る自分の父親に何か感じるものがあるかと思ったが、全然そんなことなかった。
自分の顔と見比べても少し鼻筋は似てるかな?ってくらいだし、貴族らしい言葉使いと雰囲気は全く似ていない。
おまけに旦那様ときたら机の上にある書類に目がいきっぱなしで此方を見ようともしていなかった。
屋敷の執務室とやらに連れてこられて何を言われるか身構えていたら、学校に行けと?なぜ?なんのために?
せめて、理由だけでも聞いておかないと…!
いきなり言われた事に反論しかけたら、扉前に待機していた使用人達に羽交い締めにされ、強制的に部屋から出された。十二歳とはいえ鍛えている自負があったので抵抗出来そうだったが、それをしたら間違いなく面倒なことになると分かったので直ぐに怒りを納めた。
だって、こんなことで怒ってセズに迷惑かけたくないしね?ここで俺が暴れでもしたら直ぐに捕らえられ、これ幸いと処刑されるだろう。今までも爪弾きにされていた身だ。何をされるかわかったもんじゃない。
そう咄嗟に考えられた自分を褒めてやりたいよ。
と、そんな事を考えている内に、ポイっと効果音がでそうなくらい簡単に屋敷の外へ投げ捨てられた。
いや、まじで。使用人二人がかりで勢い任せにポーンって。
あーあ、おかげで俺の一張羅が泥だらけじゃないか。一応これ、先週買ってもらったばっかの新品なんだぞ?
「さっさとあのボロ小屋に行かねえか。このグズ」
「あーあ、グズに触ってしまいました。ちょっと手を洗う時間くらいはとってくださるんですよねぇ?先輩?」
「ああ、そうだな。俺達が旦那様に言いつけられた仕事はもう終わったからな。それに、ここには俺とお前しかいない」
俺は、本宅ではグズと呼ばれているのか。まあ、生まれて間もない子供を放棄した人間が主人なら、こうもなるか。
因みに、俺は両親のことを恨んだりはしていない。そもそも親などと思っていないからな。
しかし、この二人は何をするつもりなのだろうか…
二人はアイコンタクトをして何かを確かめたようだった。
なにか、嫌な予感がする。
「じゃあ、俺達がわざわざコイツのせいで手を洗う時間はコイツに何しても良いって訳だよなぁ!」
「っ!?」
いきなり、二人のうち若い男の方がそう言いながら倒れている俺の腹を蹴ってきた。
「ッ!?」
一瞬呼吸が出来なくなる。
「…ッ!…グッ!」
その後何度も蹴られ、体格に大きな差がある俺に何か出来るはずもなく、無言で痛みに耐えていた。体術を鍛えているとは言っても所詮は子供。体格差には背伸びしても勝てない。
もう一人の男は此方を伺いながら、ニヤニヤと薄気味悪の悪い笑みを浮かべていた。こちらは手を出さないのか、終始俺にそんな目線を送ってくるだけだ。
状況をこれ以上悪くさせないためとはいえ、何も出来ない悔しさからせめてもの抵抗としてじっと二人を睨みあげた。そんなことをしたら、火に油を注ぐだけだというのに。
俺を見下ろして蹴り続けていた男は、俺のそんな目にもすぐ気づいた。
「ああ!?なんつー目してんだ?グズのクセによォ!!」
「ッ!…ッ!!」
目を吊り上げながら俺を蹴る男は、心底楽しそうだった。
「はっ、面白くねぇ。なんか言えよ、このグズッ!!」
「ッ!」
一際大きく蹴られたあと甚振るのに飽きたのか、ペッと唾を吐き捨てるような音がし、足音が屋敷の方へ去っていった。
***
完全に足音が聞こえなくなったあと。
俺はゆっくりと自分の身体を起こし、しばらくの間ボーっとしていた。
身体は泣き喚きたいくらい痛むし、目は霞んでるしで歩けるかどうかも怪しい。
それでも俺は脚に力を入れ、アイツらの言うところのボロ小屋とやらに帰る。
鍵もついていない扉を開けて、中へ入る。
いつも通り、パタパタと急ぎきみの足音が聞こえる。
「坊ちゃん!遅かったですね、どこに行ってらしたんです…か?」
先程まで軽快だった足音が止まる。
「坊ちゃん!どうされたんですか!こんな泥だらけで…。ッ!?血が!!早く手当てしないと!」
そこで緊張の音が切れたのか、はたまた、ただ身体が限界を迎えただけだったのか…
焦るセズの声を聞きながら、俺の意識は途絶えた。
*****
アクセスありがとうございます(>_<)ゞ
行間が狭く、読みにくいと感じましたので以前の話も含め広めにしております。
あらすじを少し変えました。カレインが出てくるまでもう少しだけお待ちください~
「聞こえなかったのか?ではもう一度言ってやる。来年から学園に通うのだ。貴様という下賎な輩を学園などに行かせるわけには行かんのだが…まあいい、さっさと出ていけ」
「はっ?ちょっ…」
屋敷に入ってすぐに俺の父親である旦那様の部屋に案内された。初めて見る自分の父親に何か感じるものがあるかと思ったが、全然そんなことなかった。
自分の顔と見比べても少し鼻筋は似てるかな?ってくらいだし、貴族らしい言葉使いと雰囲気は全く似ていない。
おまけに旦那様ときたら机の上にある書類に目がいきっぱなしで此方を見ようともしていなかった。
屋敷の執務室とやらに連れてこられて何を言われるか身構えていたら、学校に行けと?なぜ?なんのために?
せめて、理由だけでも聞いておかないと…!
いきなり言われた事に反論しかけたら、扉前に待機していた使用人達に羽交い締めにされ、強制的に部屋から出された。十二歳とはいえ鍛えている自負があったので抵抗出来そうだったが、それをしたら間違いなく面倒なことになると分かったので直ぐに怒りを納めた。
だって、こんなことで怒ってセズに迷惑かけたくないしね?ここで俺が暴れでもしたら直ぐに捕らえられ、これ幸いと処刑されるだろう。今までも爪弾きにされていた身だ。何をされるかわかったもんじゃない。
そう咄嗟に考えられた自分を褒めてやりたいよ。
と、そんな事を考えている内に、ポイっと効果音がでそうなくらい簡単に屋敷の外へ投げ捨てられた。
いや、まじで。使用人二人がかりで勢い任せにポーンって。
あーあ、おかげで俺の一張羅が泥だらけじゃないか。一応これ、先週買ってもらったばっかの新品なんだぞ?
「さっさとあのボロ小屋に行かねえか。このグズ」
「あーあ、グズに触ってしまいました。ちょっと手を洗う時間くらいはとってくださるんですよねぇ?先輩?」
「ああ、そうだな。俺達が旦那様に言いつけられた仕事はもう終わったからな。それに、ここには俺とお前しかいない」
俺は、本宅ではグズと呼ばれているのか。まあ、生まれて間もない子供を放棄した人間が主人なら、こうもなるか。
因みに、俺は両親のことを恨んだりはしていない。そもそも親などと思っていないからな。
しかし、この二人は何をするつもりなのだろうか…
二人はアイコンタクトをして何かを確かめたようだった。
なにか、嫌な予感がする。
「じゃあ、俺達がわざわざコイツのせいで手を洗う時間はコイツに何しても良いって訳だよなぁ!」
「っ!?」
いきなり、二人のうち若い男の方がそう言いながら倒れている俺の腹を蹴ってきた。
「ッ!?」
一瞬呼吸が出来なくなる。
「…ッ!…グッ!」
その後何度も蹴られ、体格に大きな差がある俺に何か出来るはずもなく、無言で痛みに耐えていた。体術を鍛えているとは言っても所詮は子供。体格差には背伸びしても勝てない。
もう一人の男は此方を伺いながら、ニヤニヤと薄気味悪の悪い笑みを浮かべていた。こちらは手を出さないのか、終始俺にそんな目線を送ってくるだけだ。
状況をこれ以上悪くさせないためとはいえ、何も出来ない悔しさからせめてもの抵抗としてじっと二人を睨みあげた。そんなことをしたら、火に油を注ぐだけだというのに。
俺を見下ろして蹴り続けていた男は、俺のそんな目にもすぐ気づいた。
「ああ!?なんつー目してんだ?グズのクセによォ!!」
「ッ!…ッ!!」
目を吊り上げながら俺を蹴る男は、心底楽しそうだった。
「はっ、面白くねぇ。なんか言えよ、このグズッ!!」
「ッ!」
一際大きく蹴られたあと甚振るのに飽きたのか、ペッと唾を吐き捨てるような音がし、足音が屋敷の方へ去っていった。
***
完全に足音が聞こえなくなったあと。
俺はゆっくりと自分の身体を起こし、しばらくの間ボーっとしていた。
身体は泣き喚きたいくらい痛むし、目は霞んでるしで歩けるかどうかも怪しい。
それでも俺は脚に力を入れ、アイツらの言うところのボロ小屋とやらに帰る。
鍵もついていない扉を開けて、中へ入る。
いつも通り、パタパタと急ぎきみの足音が聞こえる。
「坊ちゃん!遅かったですね、どこに行ってらしたんです…か?」
先程まで軽快だった足音が止まる。
「坊ちゃん!どうされたんですか!こんな泥だらけで…。ッ!?血が!!早く手当てしないと!」
そこで緊張の音が切れたのか、はたまた、ただ身体が限界を迎えただけだったのか…
焦るセズの声を聞きながら、俺の意識は途絶えた。
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アクセスありがとうございます(>_<)ゞ
行間が狭く、読みにくいと感じましたので以前の話も含め広めにしております。
あらすじを少し変えました。カレインが出てくるまでもう少しだけお待ちください~
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