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診療所開設!
第39話 親愛なる友の証
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自宅に戻ると既に2階には明かりが灯っていた。
一度3階の自宅に戻ると、フワが帰ってきていたのでユキとフワと共に2階のドワーフ達の集まりに混ざった。
ユキはいつも通りザックの所へ行くが、いつもは自分の側に居るフワまでもがユキについて行った。
珍しい事もあるもんだなぁとか思いつつ、ジルさんの所へ行きドワイライフ王国について聞いてみた。
「お、やっと来たのぉ、今日はどこに行ってたんだ?」
「城ですよ、先月の姫様の治療費を受け取りに」
「何かいい物でも貰えたかい?」
「あぁそれで聞きたいことが、ドワイライフへの推薦状を貰えるんですよ」
それを聞いたジルさんと周りのドワーフ達が驚いた表情を見せていた。
「なぜドワイライフに……?」
「異端審問官から追われたときにプロズ王国の技術者としてドワイライフ王国の話がでました」
「はぁ、なるほどな、お前さんだと医療技術か」
ジルさんは納得した表情を見せた。
「多分そうなりますね」
「まぁそれは受け入れられるだろうな、一応以前話した聖女様がかかわった病院があるが医者はおらん、怪我したら気合で治す、病にかかったら気合で治すだからのぉ」
何その根性論、病は気からというからあながち間違ってはいないが……。
「それが国風なんですか?」
「そうだ、薬師は居るが藪がおおいからのぉ、誠明なら歓迎されるだろうよ。そうだな……、少し待っておれ」
そういうと、ジルはザックの元に行き何か話をして2人して外に出ていった。
時間にして10分くらいだろうか?
残っている間、近く人達と会話を楽しんでいると、ジルとザックが戻ってきた。
「すまん、またせたな、ユキお前もこっちに来い」
戻ってきたザックが自分の前に来てユキも呼び寄せていた。
「誠明よ、これから渡すのはワシらドワーフにとって親愛なる友の証だ、わしやザックのように国に認められた技術者に与えられる証の1つなんだが、これをおまえさんに送ろう」
そう言ってジルさんから手渡されたのは、竜の頭部と思しき背景にノコギリとトンカチが交差したデザインの赤いピンバッチの様な物だった。
「ワシの分は、ユキお前さんに渡そう、お前さんの願いがかなえられた時に使うといい」
そう言ってザックがユキの目の前の床に置いたのは、岩?の様な物が背景にあり金床とハンマーがデザインされた青いピンバッチの様な物だった。
「これ頂いていいんですか?」
「あぁ構わん、ドワイライフに行った時これを見せれば誰の証で誰の親愛なる友なのかが分かる。困ったときはワシらドワーフを頼ってくれ」
友の証か、なんかすごく嬉しい。
「ありがとうございます」
「良い良い、ワシらもよくしてもらってるからのぉ」
ユキの方もザックに幻影で何か言っているようでザックが独り言のように色々言っていた。
「さぁ、今夜は宴だ!皆で飲もう!」
宴か、なら自分も出来ることをしよう。
「じゃあ今日の分は無料で放出しましょう!さっきまで購入したひとは返金しましょう~さぁたくさん出すのでどんどん飲んでください!」
その後、お祭り騒ぎとなった。
しばらくすると、ザックがこっちに来た。
「すまん、盛り上がってるところ悪いがちょっといいか?」
「ん?はい」
「ここじゃあれだから下にいこうか」
「ん???」
何の話だろうと思いながら1階にある診療所エリアに移動すると、ユキとフワも一緒に降りて来た。
「ここらで良い、誠明よフワからお主に伝えてほしいと言われてな、それを伝えたいのだ」
「フワから?」
フワの方を見ると頭を上下に振っていた。
「なんでしょう?」
「うむ、フワに好きな男が出来たそうだ、それでここを出ていきたいとユキ経由で聞いてな」
「そうなのか!フワおめでとう!」
自分はフワの目の前しゃがみ撫でた。
「グワ~グワ~」
何言ってるのか分からないけどな。
「ほらな……、誠明はそういうやつだちゃんと説明すれば許可するといっただろう?」
「グワグワ」
やり取りの内容的に許可を貰えないと思ってたのかな?
「自分許可出さないと思われてました?」
「あぁ、ワシは大丈夫だと言ったんだが、ユキとフワがな」
「そうだったんですね、もしかして大分前からそんな相談を?」
「いや、ワシは今日初めて聞いたが、ユキはだいぶ前から聞いてたそうだ」
「キュィ~」
まぁフワが居なくなるのは少し寂しいが最近朝帰りとかも多かったし何かあったのかなと思っていたがそういう事だったか。
「いつ出ていくの?」
「グワッグワ!」
少し間があった、おそらくユキの幻影がザックに通訳をしているのだろう。
「なるほど、良ければ明日の朝だそうだ」
「そっか、んじゃ今夜はフワの送別会だね」
「グワ!」
「ディアダッグは渡り鳥だからな、夏の終わりごろに南に飛んでいくのをよく見る」
「そうなんですか、んじゃ戻りましょう」
「そうだな」
その後、皆にフワとの最後の夜になる事を伝え、更にお祭り騒ぎになり、いつもの数倍のお酒がドワーフ達の身体に消えていった。
そして、翌朝フワは、自分とユキが自宅で見送る中、夜明け前の空に羽ばたいていった。
短い間だったけど本当フワの羽の触り心地が堪能できてよかった。
足元に体を擦り付けているユキを抱き上げ目の前にもってくると。
「ユキは出ていくなよ~お前まで居なくなったら寂しさ通り越して引きこもりになりそうだからな……」
娘を嫁に出す父親の心境はこんなんなのかな?
とか思いつつユキをみると、力強く首を横に振っていた。
「ずっとそばに居てくれるのか?」
「キュッキュ!」
どうやら居てくれるらしいが、ユキはユキの幸せを見つけてほしいと思うのもまた事実だ。
診察が始まる時間までまだ時間があるのでユキと共に風呂に入り布団で少しだけでも寝ることにした。
一度3階の自宅に戻ると、フワが帰ってきていたのでユキとフワと共に2階のドワーフ達の集まりに混ざった。
ユキはいつも通りザックの所へ行くが、いつもは自分の側に居るフワまでもがユキについて行った。
珍しい事もあるもんだなぁとか思いつつ、ジルさんの所へ行きドワイライフ王国について聞いてみた。
「お、やっと来たのぉ、今日はどこに行ってたんだ?」
「城ですよ、先月の姫様の治療費を受け取りに」
「何かいい物でも貰えたかい?」
「あぁそれで聞きたいことが、ドワイライフへの推薦状を貰えるんですよ」
それを聞いたジルさんと周りのドワーフ達が驚いた表情を見せていた。
「なぜドワイライフに……?」
「異端審問官から追われたときにプロズ王国の技術者としてドワイライフ王国の話がでました」
「はぁ、なるほどな、お前さんだと医療技術か」
ジルさんは納得した表情を見せた。
「多分そうなりますね」
「まぁそれは受け入れられるだろうな、一応以前話した聖女様がかかわった病院があるが医者はおらん、怪我したら気合で治す、病にかかったら気合で治すだからのぉ」
何その根性論、病は気からというからあながち間違ってはいないが……。
「それが国風なんですか?」
「そうだ、薬師は居るが藪がおおいからのぉ、誠明なら歓迎されるだろうよ。そうだな……、少し待っておれ」
そういうと、ジルはザックの元に行き何か話をして2人して外に出ていった。
時間にして10分くらいだろうか?
残っている間、近く人達と会話を楽しんでいると、ジルとザックが戻ってきた。
「すまん、またせたな、ユキお前もこっちに来い」
戻ってきたザックが自分の前に来てユキも呼び寄せていた。
「誠明よ、これから渡すのはワシらドワーフにとって親愛なる友の証だ、わしやザックのように国に認められた技術者に与えられる証の1つなんだが、これをおまえさんに送ろう」
そう言ってジルさんから手渡されたのは、竜の頭部と思しき背景にノコギリとトンカチが交差したデザインの赤いピンバッチの様な物だった。
「ワシの分は、ユキお前さんに渡そう、お前さんの願いがかなえられた時に使うといい」
そう言ってザックがユキの目の前の床に置いたのは、岩?の様な物が背景にあり金床とハンマーがデザインされた青いピンバッチの様な物だった。
「これ頂いていいんですか?」
「あぁ構わん、ドワイライフに行った時これを見せれば誰の証で誰の親愛なる友なのかが分かる。困ったときはワシらドワーフを頼ってくれ」
友の証か、なんかすごく嬉しい。
「ありがとうございます」
「良い良い、ワシらもよくしてもらってるからのぉ」
ユキの方もザックに幻影で何か言っているようでザックが独り言のように色々言っていた。
「さぁ、今夜は宴だ!皆で飲もう!」
宴か、なら自分も出来ることをしよう。
「じゃあ今日の分は無料で放出しましょう!さっきまで購入したひとは返金しましょう~さぁたくさん出すのでどんどん飲んでください!」
その後、お祭り騒ぎとなった。
しばらくすると、ザックがこっちに来た。
「すまん、盛り上がってるところ悪いがちょっといいか?」
「ん?はい」
「ここじゃあれだから下にいこうか」
「ん???」
何の話だろうと思いながら1階にある診療所エリアに移動すると、ユキとフワも一緒に降りて来た。
「ここらで良い、誠明よフワからお主に伝えてほしいと言われてな、それを伝えたいのだ」
「フワから?」
フワの方を見ると頭を上下に振っていた。
「なんでしょう?」
「うむ、フワに好きな男が出来たそうだ、それでここを出ていきたいとユキ経由で聞いてな」
「そうなのか!フワおめでとう!」
自分はフワの目の前しゃがみ撫でた。
「グワ~グワ~」
何言ってるのか分からないけどな。
「ほらな……、誠明はそういうやつだちゃんと説明すれば許可するといっただろう?」
「グワグワ」
やり取りの内容的に許可を貰えないと思ってたのかな?
「自分許可出さないと思われてました?」
「あぁ、ワシは大丈夫だと言ったんだが、ユキとフワがな」
「そうだったんですね、もしかして大分前からそんな相談を?」
「いや、ワシは今日初めて聞いたが、ユキはだいぶ前から聞いてたそうだ」
「キュィ~」
まぁフワが居なくなるのは少し寂しいが最近朝帰りとかも多かったし何かあったのかなと思っていたがそういう事だったか。
「いつ出ていくの?」
「グワッグワ!」
少し間があった、おそらくユキの幻影がザックに通訳をしているのだろう。
「なるほど、良ければ明日の朝だそうだ」
「そっか、んじゃ今夜はフワの送別会だね」
「グワ!」
「ディアダッグは渡り鳥だからな、夏の終わりごろに南に飛んでいくのをよく見る」
「そうなんですか、んじゃ戻りましょう」
「そうだな」
その後、皆にフワとの最後の夜になる事を伝え、更にお祭り騒ぎになり、いつもの数倍のお酒がドワーフ達の身体に消えていった。
そして、翌朝フワは、自分とユキが自宅で見送る中、夜明け前の空に羽ばたいていった。
短い間だったけど本当フワの羽の触り心地が堪能できてよかった。
足元に体を擦り付けているユキを抱き上げ目の前にもってくると。
「ユキは出ていくなよ~お前まで居なくなったら寂しさ通り越して引きこもりになりそうだからな……」
娘を嫁に出す父親の心境はこんなんなのかな?
とか思いつつユキをみると、力強く首を横に振っていた。
「ずっとそばに居てくれるのか?」
「キュッキュ!」
どうやら居てくれるらしいが、ユキはユキの幸せを見つけてほしいと思うのもまた事実だ。
診察が始まる時間までまだ時間があるのでユキと共に風呂に入り布団で少しだけでも寝ることにした。
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