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放浪の旅の始まり
第50話 ユキ揉め事に首を突っ込む
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久々の宿屋での睡眠を堪能していると。顔をペロペロと舐められ目を覚ました。
目の前にはユキの顔があった。
「ん~どうした?」
自分は体を伸ばしながらユキに聞いてみた。
「キュッキュィ~」
聞いたところで分らないんだが、と思っているとユキのお腹から“グゥ~”となったのが聞こえた。
「あぁご飯か」
「キュッキュ!」
と答えながら頷いた。
そう言えば今日は朝食べてから何も食べてなかったことに気づいた。
「ごめんごめん、外に出て何か買おうか」
「キュィ~♪」
ベッドの上に居るユキを抱き上げ宿の人に一言伝えてから外に出た。
すでに辺りは暗くなっていて街の大通りにある飲食屋台がにぎわっていた。
王都マバダザとは違い暗くなった後の飲食屋台が大いに盛り上がってた。
町が違えば、雰囲気も変わるな、と思いながらユキを服の中にいれて歩いていた。
ユキも辺りを漂ういい匂いが気になるらしく襟から首を出し辺りをキョロキョロとみていた。
魚に串を差した焼き魚や海藻をつかった料理に貝を使った料理等港町ならではの料理が並んでいた。
王都も港町だったが、海鮮系の屋台は少なかったなぁとか思いつつ、適当な所で串付の焼き魚や、貝料理を買い、港近くの公園の様な開けたところがあり、そこでユキを懐からだし地面に下ろし自分も適当な所で腰を下ろしてユキと一緒に買った焼き魚と焼き貝を堪能した。
その公園からは港の桟橋が見えた。港には大きな帆船と2隻と小さな帆船が停泊していた。
ゆっくり食べながら帆船カッコいいな~とか思っていると、背後の方で男の怒鳴り声と木の板が折れるようなバキッって音と女性の悲鳴が聞こえた。
急ぎ立ち上がり悲鳴やら怒声が聞こえた方を見るととある屋台で騒ぎが起こっているのが分かった。
揉め事か~めんどくさいし関わるのを止めとこうとか思っていると、既に食べ終わったユキが見上げるように自分を見ていた。
「行かないよ?面倒じゃん?」
「キュゥ~!」
何を言ってるんだか、怪我人が出た場合は自分の出番だけど揉め事に巻き込まれるのはごめんだ。
「キュィ~~ッ」
何を訴えているのか分からないが、急に揉め事のあった場所に向かって走りだした。
「おい!ユキもどれ!」
こっちの言葉無視してトラブルの起きている場所へ走っていく、仕方なくその場を片付け自分もおっていくと、トラブルとなっている屋台を囲むように人だかりができていて、その人達の足元を縫うようにユキが消えていった。
はぁ……、
「キャーー!」
って2回目の悲鳴と共に。
「ギューッ」
って鳴き声が聞こえた。声質的にユキじゃないのはわかるが、ユキと似たような声質だった。
やっと人だかりにたどり着き人混みをかき分けていると。
「ギュゥ~~」
「んだよ!ケモノ2匹でどうこうできるとおもったんか!あっ!?」
という鳴き声が聞こえた。今度はユキなのは分かったが、今まで“ギュゥ~~”なんて言った事がないのが気になった。
人混みをかき分けて進むと、周囲にリンゴやミカンの様な果物が散らばり台の部分が折れて崩れた屋台と、上半身ムキムキの男と対するようにユキと、ユキ比べて1回り位大きな体と、顔が小さくて耳が異様に大きな灰色のフェネックの様な生き物がいた。ユキとフェネックの様な子は共に牙を見せて唸っていた。
「えっと……」
「かんけぇねえ奴は引っ込んでろ」
さすがに殴られるのは嫌だが、ユキが乱入している以上関係なくはない、状況が状況なだけにどういう状態かが分からずにいると、壊れた屋台の奥で腫らした頬と唇から血を流している若くて綺麗な女性とその女性を支えてる女の子がいた。
状況的に何かがあって、男が屋台を壊し、女性を殴った、のは察しがついた。
自分は殴られたであろう女性の元へ行った。
「大丈夫ですか?」
というと同時にアイテムボックスからタオルを取り出し出血している個所にあてた。それと同時に触診を発動させ女性の状態確認をすると、唇の出血は少し口の中を切ったからで大したことなかったが、腰を打ち付けた為か不明だが腰に炎症が起きていたが、数日すれば回復する程度のものだった。
男が態度や汚い言葉でユキとフェネックの様な子を脅すもユキとフェネックの様な子も手を出さずに男を威嚇するだけの硬直状態に陥っていた。
ん~ここはさっさと終わらせるべきだろうな、と思いつつ、出来るかどうか知らんが周囲にばれない幻影で男をおとなしくさせればいい。
「ユキ前に言った視覚、触覚それから平衡感覚を奪ってみな、できる?」
「キュィ~」
どうやら出来るようだ。
「あん?」
と男が言った瞬間、男が急に暴れはじめた。
「てめぇ!何しやがった!急に目がっ」
暴れる辺り視野を奪ったんだろう、そして次の瞬間男が盛大に転び立ち上がろうとしてもすぐに転ぶの繰り返しを始めた。
おそらく平衡感覚を奪った事で真っすぐ立てないのだろうなと思いながら見ていた。
そしてついには立ち上がる事も出来ないまま暴れ大声で叫んでいた。周囲の人達からも何が起こったのか良く分からないような様子だった。
最後に触覚を奪ったかな?
触覚が無ければ触れているのか足がちゃんと地面についているのかも分からない、もしかしたら真っ暗な空間で浮遊体験でもしている状態なんだろうか?なんて思っていた。
そんなことをしていると、街の衛兵と思しき人達が現れ暴れ続ける男を取り押さえていた。
衛兵たちが取り押さえたのを確認し。
「ユキ、もういいよ幻影解除してやんな」
「キュ!」
んっ?と思ったが、すぐにユキは自分の足元に寄って来ると頭を擦り付けてきた。
「はいはい、よく出来ました」
そう言いつつユキを抱き上げ頭を撫でると。
「キュィ~♪」
とてもうれしそうに鳴いていた。
フェネックの様な子がこっちきてユキに向かって。
「クィッ」
と、ひと鳴きして怪我した女性の方に寄っていった。怪我した女性のペットかなにかなのかな?とか思いつつ女性の元へ寄っていった。
「キュィ~♪」
フェネックの様な子の後姿を見ながらユキも鳴き返していた。
もしかしてフェネックの様な子の鳴き声に反応してトラブルに突っ込んだのかな?真意は不明だが何となくそんな気がした。
その後衛兵が女性の元で何やら会話している様子だったのでとばっちり食らう前にさっさと撤収し宿に戻った。
目の前にはユキの顔があった。
「ん~どうした?」
自分は体を伸ばしながらユキに聞いてみた。
「キュッキュィ~」
聞いたところで分らないんだが、と思っているとユキのお腹から“グゥ~”となったのが聞こえた。
「あぁご飯か」
「キュッキュ!」
と答えながら頷いた。
そう言えば今日は朝食べてから何も食べてなかったことに気づいた。
「ごめんごめん、外に出て何か買おうか」
「キュィ~♪」
ベッドの上に居るユキを抱き上げ宿の人に一言伝えてから外に出た。
すでに辺りは暗くなっていて街の大通りにある飲食屋台がにぎわっていた。
王都マバダザとは違い暗くなった後の飲食屋台が大いに盛り上がってた。
町が違えば、雰囲気も変わるな、と思いながらユキを服の中にいれて歩いていた。
ユキも辺りを漂ういい匂いが気になるらしく襟から首を出し辺りをキョロキョロとみていた。
魚に串を差した焼き魚や海藻をつかった料理に貝を使った料理等港町ならではの料理が並んでいた。
王都も港町だったが、海鮮系の屋台は少なかったなぁとか思いつつ、適当な所で串付の焼き魚や、貝料理を買い、港近くの公園の様な開けたところがあり、そこでユキを懐からだし地面に下ろし自分も適当な所で腰を下ろしてユキと一緒に買った焼き魚と焼き貝を堪能した。
その公園からは港の桟橋が見えた。港には大きな帆船と2隻と小さな帆船が停泊していた。
ゆっくり食べながら帆船カッコいいな~とか思っていると、背後の方で男の怒鳴り声と木の板が折れるようなバキッって音と女性の悲鳴が聞こえた。
急ぎ立ち上がり悲鳴やら怒声が聞こえた方を見るととある屋台で騒ぎが起こっているのが分かった。
揉め事か~めんどくさいし関わるのを止めとこうとか思っていると、既に食べ終わったユキが見上げるように自分を見ていた。
「行かないよ?面倒じゃん?」
「キュゥ~!」
何を言ってるんだか、怪我人が出た場合は自分の出番だけど揉め事に巻き込まれるのはごめんだ。
「キュィ~~ッ」
何を訴えているのか分からないが、急に揉め事のあった場所に向かって走りだした。
「おい!ユキもどれ!」
こっちの言葉無視してトラブルの起きている場所へ走っていく、仕方なくその場を片付け自分もおっていくと、トラブルとなっている屋台を囲むように人だかりができていて、その人達の足元を縫うようにユキが消えていった。
はぁ……、
「キャーー!」
って2回目の悲鳴と共に。
「ギューッ」
って鳴き声が聞こえた。声質的にユキじゃないのはわかるが、ユキと似たような声質だった。
やっと人だかりにたどり着き人混みをかき分けていると。
「ギュゥ~~」
「んだよ!ケモノ2匹でどうこうできるとおもったんか!あっ!?」
という鳴き声が聞こえた。今度はユキなのは分かったが、今まで“ギュゥ~~”なんて言った事がないのが気になった。
人混みをかき分けて進むと、周囲にリンゴやミカンの様な果物が散らばり台の部分が折れて崩れた屋台と、上半身ムキムキの男と対するようにユキと、ユキ比べて1回り位大きな体と、顔が小さくて耳が異様に大きな灰色のフェネックの様な生き物がいた。ユキとフェネックの様な子は共に牙を見せて唸っていた。
「えっと……」
「かんけぇねえ奴は引っ込んでろ」
さすがに殴られるのは嫌だが、ユキが乱入している以上関係なくはない、状況が状況なだけにどういう状態かが分からずにいると、壊れた屋台の奥で腫らした頬と唇から血を流している若くて綺麗な女性とその女性を支えてる女の子がいた。
状況的に何かがあって、男が屋台を壊し、女性を殴った、のは察しがついた。
自分は殴られたであろう女性の元へ行った。
「大丈夫ですか?」
というと同時にアイテムボックスからタオルを取り出し出血している個所にあてた。それと同時に触診を発動させ女性の状態確認をすると、唇の出血は少し口の中を切ったからで大したことなかったが、腰を打ち付けた為か不明だが腰に炎症が起きていたが、数日すれば回復する程度のものだった。
男が態度や汚い言葉でユキとフェネックの様な子を脅すもユキとフェネックの様な子も手を出さずに男を威嚇するだけの硬直状態に陥っていた。
ん~ここはさっさと終わらせるべきだろうな、と思いつつ、出来るかどうか知らんが周囲にばれない幻影で男をおとなしくさせればいい。
「ユキ前に言った視覚、触覚それから平衡感覚を奪ってみな、できる?」
「キュィ~」
どうやら出来るようだ。
「あん?」
と男が言った瞬間、男が急に暴れはじめた。
「てめぇ!何しやがった!急に目がっ」
暴れる辺り視野を奪ったんだろう、そして次の瞬間男が盛大に転び立ち上がろうとしてもすぐに転ぶの繰り返しを始めた。
おそらく平衡感覚を奪った事で真っすぐ立てないのだろうなと思いながら見ていた。
そしてついには立ち上がる事も出来ないまま暴れ大声で叫んでいた。周囲の人達からも何が起こったのか良く分からないような様子だった。
最後に触覚を奪ったかな?
触覚が無ければ触れているのか足がちゃんと地面についているのかも分からない、もしかしたら真っ暗な空間で浮遊体験でもしている状態なんだろうか?なんて思っていた。
そんなことをしていると、街の衛兵と思しき人達が現れ暴れ続ける男を取り押さえていた。
衛兵たちが取り押さえたのを確認し。
「ユキ、もういいよ幻影解除してやんな」
「キュ!」
んっ?と思ったが、すぐにユキは自分の足元に寄って来ると頭を擦り付けてきた。
「はいはい、よく出来ました」
そう言いつつユキを抱き上げ頭を撫でると。
「キュィ~♪」
とてもうれしそうに鳴いていた。
フェネックの様な子がこっちきてユキに向かって。
「クィッ」
と、ひと鳴きして怪我した女性の方に寄っていった。怪我した女性のペットかなにかなのかな?とか思いつつ女性の元へ寄っていった。
「キュィ~♪」
フェネックの様な子の後姿を見ながらユキも鳴き返していた。
もしかしてフェネックの様な子の鳴き声に反応してトラブルに突っ込んだのかな?真意は不明だが何となくそんな気がした。
その後衛兵が女性の元で何やら会話している様子だったのでとばっちり食らう前にさっさと撤収し宿に戻った。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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