【完結】元ヤンナース異世界生活

第4章 王国激震！ペスト！

第84話 ペスト対策戦26 ペスト騒動の終末へ

カルナがうちに寄ってきたのをきっかけに、周囲に居た人が騒ぎ始めた…
はぁ…

「茜様！やはり神の１柱だったんですね！」

なんで、大声でそんなこと言うかな…
周囲がめっちゃ、ざわついてるじゃん…

「何でそう思うの…？」
「先ほどネア様と対等にお話されていましたし！ネア様だけでは成しえないと言ってましたし！」

ペスト菌を消した件かな…でも対等って思える会話内容だったかな…？
良く分からん…

「ん～ペスト菌の件はね…」

この状況を利用するか？
体調が悪い人は船までくれば治療してあげるとか言えば来てくれる気がする…
それともここで並んでもらって1人1人スキャンと修復をしていくか？
ん～ここでやっていく方が簡単な気がする…
ちょっとデモンストレーションをやるか

近くのマーカーが表示されてる人に寄り
左腕に黒ずんだ痣と、右手先が黒くなってるか
おでこに手を当てスキャン！腕だけじゃなく足にもあるね
全部同時修復！これで十分！

それを見てた人が寄ってきて「私にもお願いします！」と
その後はお察しな状態へ…
ちょっと軽率すぎたかな…
我先にと群がる人がうざったい…
上に退避！って意識した瞬間、体が浮いた！
ヤバイ！これはいいかもしれない…
ホバリングが出来る！初めてネアに対して感謝の意を持ったかも！

「並んでくれない…？並ばないなら相手する気ないんだけど…」

ちゃんと並ぼうとする人とそうじゃない人の行動が顕著に…
並ぼうとする人は、最後尾になると思われる後ろの方へ移動するが
そうじゃない人は前に来るし、うちを掴もうとするわ…
マナーのなってないやつに治療する気はないんだよね…
麻酔成分突っ込んでほっとこう…我先にと来た連中に麻酔成分を注入していく
すると崩れ落ちるように倒れていく…
しっかし…マナーのなってないやつって多いな…2割位いるのかな…
まぁいい、やっていこう…

並んでくれた人たちが、跪いてくれるので
1人1人に対して、額に手を当ててスキャンと痣や壊死部分修復これを繰り返していく
他の病気を持っていれば当然それも対応
1人辺り1分もかからないのでサクサク進む
それでも並んでる人が非常に多いんだけどね
いつの間にか教会の外に居た人や教会の２階などほかの所に居た人も並んできてるし…
カルナをはじめシスターたちとサラは、列の整理と対応済みの人達を見送ったりしてる

対応していると、夜になったのかな？帰る人達が開ける扉の向こうが暗い
そろそろ帰りたいな…
でも、まだ並んでる人がいっぱいいる
はぁ…

メグは何してるのかな…カルナが近くに寄ってきたのを確認

「カルナ、ちょっと来てくれない？」

すぐに反応し駆け寄ってきてくれた

「なんでしょうか？」
「外に居るメグって何してるの？」
「フェンリル様でしたら、寝てましたよ？」

おぃ～！暇だから寝るとかさ解かるよ…
メグの事だからその可能性は大いに考えてたけどさ…
実際にやってるって答えが来ると気持ちが…

「メグを呼んできてくれない…？お願いしたいことがあるって、うちが言ってるとか言って」
「承知いたしました」

そういうと、ササっと教会の外へ
引き続き、並んでる人の対応をしていく…
暫くすると、人の姿になったメグが欠伸をしながらのんびり歩いて寄ってきた。
ん～なんというか…やり場のない気持ちというのか…？良く分からない、もやっと感が…

「茜ちゃんどうしたの？」
「悪いんだけどさ、船の方の様子見てきてくれない？ついでに、うちは今夜帰れないと…」
「はいよ～」

伸びをしながら、外に向かっていった…
いいなぁ～自由がうらやましい！
引き続き、並んでる人達の対応をしていく…

その後…

待てど待てどメグは帰ってこない…
気づけば夜が明けてきてる…
あいつ…船に戻って寝たな…

昼過ぎ位になってようやく列が途切れた…
正直…夜明け辺りからペストとか関係ない奴らが並んでたし…

「茜様、お疲れさまでした」

シスターやサラは交代交代で、休憩取ってたけど…
差し入れもちょこちょこ貰ったし…
列に並んだ人達の中にはちょこちょこ
お供え物…？を頂いたけども…直で食べれるようなものは少なく…
魚とか生ものを持ってこられても…
出来たら
どら焼きとかの甘いものだったら少しはやる気も上がったんだけどなぁ…

「カルナさん達もお疲れ様」
「これからどうされますか？」

帰って寝るって選択肢以外はないと思うんだ！

「船に帰ります…、なんかあったら船のほうに来てください…」
「承知いたしました。何かありましたら船の方へ伺います」
「よろしくね～」

やっと解放された！
ほんとにやっとだ！

教会の外に出ると日の光がまぶしい…
自由を満喫しよう！