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しおりを挟む佐緒里の呼吸はどんどん荒く乱れて、もはや全力疾走をしたあとのような有様である。呼吸と共に、理性が流れる水のごとく佐緒里から逃げていった。
ついに我慢が出来なくなって、佐緒里はフリューゲルの手に自身の下腹部を押しつける。体の中まで気持ちよくなりたくて、どうにかなりそうだった。
それなのに、彼の手は佐緒里が近付いたぶんだけ離れていってしまう。
佐緒里は再び相手の手に下半身を押しつけたが、やはり同様に逃げられた。
泣きたい気持ちになりながら、佐緒里は男を振り返る。
「フリューゲル、さん……っ♥」
呼びながら、己を焦らす彼の手を掴んだ。そうして今度は逃げられないようフリューゲルの手を固定して、そこに下腹部を押しつける。
彼の無骨で太い指が、ぬるぬると秘所に沈むのがわかった。
「ァッ、ぁあッ……♥♥♥♥ はいってくる……ぅ♥♥♥♥♥」
「おやおや、大胆な娘だ」
フリューゲルは笑ったが、佐緒里の手を振りほどくことはしなかった。
自分で相手の指を根元まで挿入した佐緒里は、続けて己の腰を前後に揺らして指を抜き差しする。はしたない行動をとっている自覚はあったが、止められなかった。
「ぁンッ♥ んアぁあ♥♥♥ ナカ、こすれちゃう♥♥♥♥」
「気持ちいいか?」
「きもちいぃ♥♥♥ 奥、感じるぅ♥♥♥♥」
彼に見られていることもわかっていたけれど、ここまで来ると、もはやその視線すらも快感の材料となった。
己の内部が、フリューゲルの指を締めつけているのが嫌でもわかる。
腰を動かすたびに新たな愛液が溢れて、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を発した。
頭の中が、とろけていく。ひとりでに動く腰を、どうすることも出来ない。
しかし、じきに物足りなさが佐緒里を襲った。肉体が、もっと大きな愉悦を欲している。もっと圧倒的で、おかしくなってしまいそうなほどの、そんな快楽を。
けれど、それが自分ひとりでは手に入らないこともわかっていた。
佐緒里はフリューゲルを見上げる。彼は、愉楽によがる佐緒里をじっと見つめていた。その眼差しに、佐緒里の体の奥がまた熱くなる。
「フリューゲルさん、私……っ♥」
呼べば、彼は不意に小さく笑って、指先で佐緒里の奥を掻き乱した。
これまで佐緒里にされるがままだった指の突然の反逆に、佐緒里は身を仰け反らせる。
「あアァあぁあッ♥♥♥♥♥」
太くて長い無骨な指が、過敏な内壁を容赦なく攻め立てた。それは、先程までの快感とは比べものにならないほどだった。
乱暴なまでの感覚が、佐緒里を体の内側から翻弄する。
ひとりでに腰がガクガクと跳ねて、乳首が痺れた。助けを求めるふうにもがく手足が、ベッドのシーツを乱していく。
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