30 / 67
7
しおりを挟む足と腹を順々に這ってきた触手が、器用にもブラをたくし上げる。
衣服のしたで乳房が剥き出しになり、そこに幾本もの触手が群がった。
あるものは乳房を揉むように動き、またあるものは重点的に突起を攻め立てる。
それに愉悦を享受してしまう自分の体が、乃亜は嫌で嫌でたまらない。ヴィクトールの手や舌とは似ても似つかない、醜い異形。そんなものに感じるほど、己の肉体が浅ましいとは思いたくなかった。
乃亜は出来うる限りの抵抗をして暴れてから、自身のくちをふさぐ触手に噛みつく。ぬるぬるとしたそれに歯を立てるのは気味が悪くて仕方がなかったけれども、とにかく、なにかしらの抵抗を示したかった。
それに効果があったのかどうか、触手が乃亜のくちから離れ始める。
――これでくちが自由になり、大声でヴィクトールを呼べる。
そう考えた乃亜が声をあげようと息を吸った直後、今度は指ほどの細さの触手が数本、口内に侵入してきた。
粘液にまみれたそれが、乃亜の舌を、歯列を、口蓋を憎らしいほど器用に愛撫する。
と、甘い刺激が背筋を駆け上がり、くちも塞がれて、乃亜はまたも声が出せなくなった。
粘液には、まるで花の蜜のような香りと甘さがある。
感じる愉楽とその甘さに、頭の芯から酔ってしまいそうだった。
思考が、徐々に鈍っていく。
乃亜を追いつめるふうに、触手が胸の尖りをぐりぐりと弄んだ。
体が、乃亜本人の嫌悪感を無視して反応する。下腹部が――下着の奥が潤っていくのが、自分でもわかった。
触手が乃亜の服を胸の上にまでたくし上げて、肌をさらす。
衣服がめくられると、触手達に群がられている乳房が、あらわになった。
何本ものそれに凌辱された胸は粘液にまみれて、卑猥な光沢をまといながら乳首を赤く尖らせている。
そんな突起の先端を触手が優しくこするたびに、秘部の奥が熱くなった。
どうしてか、だんだんと頭がぼんやりしてくる。それに反し、体は過敏になっていく一方だった。
口内を犯す触手が、舌の裏や上顎の敏感なところを執拗に攻め立てる。
くぐもった喘ぎが漏れる乃亜のくちから、飲み込みきれない唾液が伝い落ちていった。
すると、出し抜けに下腹部に鮮烈な快感が走る。
思わず膝を震わせて見てみれば、触手が下着越しに秘部を愛撫していた。
細く長い触手は、まるで薄い布を隔てた先にあるものの形を確かめようとするふうに、じっくりとなぞる動きをする。
22
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる