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「ヴィクトールさんのおっきいの、欲しいです……」
「……どこに」
「ここ……っ」

 答えて、乃亜は秘所から指を抜き、指先で膣口を広げて見せた。

 粘膜は奥まで真っ赤に熟れ、微かな脈動と共に粘液を滴らせている。

 ここを、彼の大きなもので満たしてほしかった。奥深くまで貫いて、そうして、熱い白濁を注いでほしい。

 彼の熱で――果てたい。

 その欲求が、乃亜の肉体を指先まで、体の芯まで切なくする。

 ヴィクトールの語調は、相変わらず冷静だった。

「そうか、そこに欲しいか。……どういうふうにされたい?」

「おっきいので、奥までめちゃくちゃにして、それから……っ」

「うん」

「中にいっぱい……出してほしいです……!」

 愉楽を知れば知るほどに、彼が欲しくなる。

 一度知ってしまった快楽を、忘れることなど出来ない。

 もう――なにも知らなかった頃には、戻れないのだ。

「……可愛いな、お前は」

 ヴィクトールが小さな声で囁いた。それは、ややもすれば聞き漏らしてしまいそうなほどの、小さな小さな声だった。

 乃亜は、鏡の向こうの彼を見つめる。

 鏡越しに目が合った相手は、行為に似つかわしくないほどに、優しい顔をしていた。





 ふたりは、風呂場の鏡の前から壁に移動していた。

 床に膝をつき、壁に両腕をついて体を支えている乃亜を、ヴィクトールが後ろから揺さぶっている。

 とろけきっていた秘部は怒張を難なく奥まで受け入れ、法悦への従順さを示していた。

 壁についている乃亜の両手を、背後から彼が押さえている。それによって手で喘ぎを抑えることが叶わなくなっているため、乃亜の嬌声は浴室に響き続けていた。

「ンぁっ、ァんっ! あぁアッ!」

 自分の淫らな声と、秘所が陰茎と擦れ合う水音が反響して、絡み合っている。

 ヴィクトールに出会うまでは、こんなにもいやらしい己の声音など知らなかった。熱の塊を奥まで受け入れ、悦ぶ肢体など知らなかった。

 それなのに、今は柔壁を屹立に擦られるたびに、最奥を突き上げられるたびに、歓喜に震えてしまう。自然と、甘ったるい声が出てしまう。

「気持ちいいか?」
「きもちぃ、きもちぃです……!」

「擦られるのと奥を突かれるの、どちらが好きだ」
「どっちも、すきぃ……っ」

 真実を伝える乃亜の声は、もはや快感でぐずぐずだった。

 背後で、ヴィクトールが小さく笑う。

 乃亜の両手を壁に縫いつけていた彼の手が離れて、今度はその両手が乃亜の胸に移った。

 長い指で乳房を包むふうに揉まれ、指先が乳首を弄る。

「ふぁあッ!」

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