トオリスガリの死神ですが何か御用でしょうか？

変わった死神

　俺はもう必要ない・・・
だから、楽になろう・・・そう決めた。
友、恋人、たくさんの人に裏切られ、騙され、奪われ、失い、今まで最悪の人生だった。
世の中の人は神様という存在を本当に信じているのだろうか・・・
俺は少なくとも信じてはいない。
もしいるのなら、戦争や無益な争いなどは今まで起きなかったことだろう。
「神様は薄情だな。」
俺は笑う。笑うしかないのだ。
俺は今、駅のホームにいる。
もうすぐ電車が来る。そろそろ俺も楽になれる。
そう思うとなんだか体が楽になった。今死んだとしても俺に家族はいないし、両親も事故で無くなってしまった。
悲しむ人がいないというのなら、別に俺が消えたところで何の支障もないだろう。
この世界に未練はない。
電車が来た。
俺は一歩前に踏み出した・・・
俺は今、電車に轢かれようとしている。
そう思うと自然と肩が軽くなった。恐怖はない。
俺はそこで意識を手放した。
「・・・・・・・・・・・ん」
俺は目を覚ました。ここは天国か？地獄か？
ふと、俺は自分がいる場所を見渡した。
頭が混乱した。
俺は自分の部屋にいる。
おかしい。俺は昨日、確かに電車に轢かれたはずだ。
「なぜだ？」
俺は自然と口に出していた。
「知りたいですか？」
ふと、俺の、誰に対するでもない問いかけに返事が返ってきた。
驚いて俺はゆっくりと顔を上げる。
椅子に一人の女の子が腰掛けている。
年は17くらいだろうか。いや、それよりもなぜこんな見ず知らずの女の子が俺の部屋にいる？
「誰だ？」
「