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バットエンド
ナニモイラナイ
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「そいつさー、ハウスキーパーとしてはちょうど良かったから遊んでやってただけなのに俺の事本気になっちゃって。遊びがてら抱き潰してやれば満足するかと思ってすげえやりまくったんだけど しくったんだよなぁ」
蔑み笑う優次くんは、僕の事なんか1秒足りとも愛してなんか無かったんだと言う事実に僕の心は沈んでいった。
「……。その人どうなったんすか」
「あ? 知らね 死んだんじゃねぇかな。男の割に顔はかわいい奴だったんだけどちょっと優しくしてやれば掃除とか洗濯とか勝手にすんの。あー、飯は美味かったかな。あと、女と違って妊娠の心配ないから中に出せるし、ケツって女のより締まりが良くてさ」
「……すんません、もう聞きたくないっす」
「なんだよお前が聞いてきたくせに。あ、男相手とか無理なタイプ? わりぃわりぃ、けど遊びには丁度いいぞ」
聞きたくなかった言葉たちが僕の心に鋭く突き刺さる。
優次くんと過ごした日々を思い出す度、じわりとじわりとどす黒い感情でいっぱいになる。
『……優次くん、僕ね大好きだったんだよ。本当に、僕と一緒に生きて欲しいだけだった……』
ボソボソと呟きながら優次くんに近寄る僕に、結城くんは驚きの表情を浮かべた。
「……ぁ……あんた……何する気……」
「は? 結城何言ってんの?」
僕に気付く素振りもない優次くんが憎くて、悲しくてゆっくりと首に腕を回して抱きついた。
『優次くん……僕ここにいるよ。ねぇ、僕だけが死んじゃったよ』
睡眠薬で眠るように死ねると思ってたのに、最後の瞬間は副作用で頭が痛くて気持ち悪くて呼吸も上手くできなくて苦しくて苦しくて仕方なかった。
「……なあ、落ち着けって……」
「だから、さっきから一人で何なんだよ結城。つーか、この部屋すげぇ寒くね? さすがに冷房入れすぎだろ」
『ね、優次くん……ずっと一緒って約束したよね』
優次くんの後ろで抱き着いている僕へ真剣な眼差しを向ける結城くんには申し訳ないけれど、あんな話を聞かされて冷静で居られるほど僕は出来た人間じゃなかったみたいだ。
ゆっくり巻き付けた腕に力を込めると、不思議そうな顔で首をさすりながら小さく咳き込み始める優次くんに慌てた様子で結城くんは僕に懸命に話しかけて来る。
「俺があんたと一緒に居てやるから、やめろって」
「は? いらねぇよお前なんか」
どうせ、結城くんだってこんな僕とずっとは居てくれないのに。だって、僕は死んでて、彼は生きてるんだから……
『……一緒に生きたかったなぁ……ね、優次くん。一緒に地獄へ行こう』
結城くんの目の前でグルンと優次くんの首を回した。
「やめっ! やめろ!!」
勢いよく捻じ曲げられた優次くんの頭がゴロンと結城くんの足元に落ちて、熱い真っ赤なシャワーが結城くんに降り注いだ。
「ゔっ……ゔぁ"ぁ"ぁ"あ!!」
血溜まりに腰を抜かして、後退りながら結城くんは叫んだ。
今にも吐きそうに顔を歪ませ、僕を恐ろしいものを見るように怯えた瞳で見つめていた。
『君も、優しくしたらなんでもしてくれるって僕を使っていたんでしょ?』
結城くんならこんな関係も悪くないって思ってたけど……どうせ居なくなっちゃうなら信じるだけ無駄だよね。
「違っ! 俺はそんなこと!」
『ふふ、僕はもう誰にも騙されないよ。もう、ナニモ イラナイ』
愛おしいと思い始めて居たはずの結城くんにすら、もう何も感じない。もう、心を乱されたくない。
ミンナ イナクナッチャエ
誰も居なければ、もう僕の心を乱す物は無くなるよね。
「やめ……やめ……っ!」
『バイバイ、結城くん』
初めて彼を抱きしめ、口付けをしながら彼の身体を持ちあげた。頸動脈を圧迫させると彼は足をばたつかせていたけれど、人生最後の口付けを結城くんとたっぷり楽しんだ。しばらくすると、彼はピクリとも動かなくなった。
『……君のことは好きでしたよ』
部屋の中には 真っ赤な湖と、愛しいと思っていた者の亡骸を 冷めた目で眺める僕の姿だけが残った。
蔑み笑う優次くんは、僕の事なんか1秒足りとも愛してなんか無かったんだと言う事実に僕の心は沈んでいった。
「……。その人どうなったんすか」
「あ? 知らね 死んだんじゃねぇかな。男の割に顔はかわいい奴だったんだけどちょっと優しくしてやれば掃除とか洗濯とか勝手にすんの。あー、飯は美味かったかな。あと、女と違って妊娠の心配ないから中に出せるし、ケツって女のより締まりが良くてさ」
「……すんません、もう聞きたくないっす」
「なんだよお前が聞いてきたくせに。あ、男相手とか無理なタイプ? わりぃわりぃ、けど遊びには丁度いいぞ」
聞きたくなかった言葉たちが僕の心に鋭く突き刺さる。
優次くんと過ごした日々を思い出す度、じわりとじわりとどす黒い感情でいっぱいになる。
『……優次くん、僕ね大好きだったんだよ。本当に、僕と一緒に生きて欲しいだけだった……』
ボソボソと呟きながら優次くんに近寄る僕に、結城くんは驚きの表情を浮かべた。
「……ぁ……あんた……何する気……」
「は? 結城何言ってんの?」
僕に気付く素振りもない優次くんが憎くて、悲しくてゆっくりと首に腕を回して抱きついた。
『優次くん……僕ここにいるよ。ねぇ、僕だけが死んじゃったよ』
睡眠薬で眠るように死ねると思ってたのに、最後の瞬間は副作用で頭が痛くて気持ち悪くて呼吸も上手くできなくて苦しくて苦しくて仕方なかった。
「……なあ、落ち着けって……」
「だから、さっきから一人で何なんだよ結城。つーか、この部屋すげぇ寒くね? さすがに冷房入れすぎだろ」
『ね、優次くん……ずっと一緒って約束したよね』
優次くんの後ろで抱き着いている僕へ真剣な眼差しを向ける結城くんには申し訳ないけれど、あんな話を聞かされて冷静で居られるほど僕は出来た人間じゃなかったみたいだ。
ゆっくり巻き付けた腕に力を込めると、不思議そうな顔で首をさすりながら小さく咳き込み始める優次くんに慌てた様子で結城くんは僕に懸命に話しかけて来る。
「俺があんたと一緒に居てやるから、やめろって」
「は? いらねぇよお前なんか」
どうせ、結城くんだってこんな僕とずっとは居てくれないのに。だって、僕は死んでて、彼は生きてるんだから……
『……一緒に生きたかったなぁ……ね、優次くん。一緒に地獄へ行こう』
結城くんの目の前でグルンと優次くんの首を回した。
「やめっ! やめろ!!」
勢いよく捻じ曲げられた優次くんの頭がゴロンと結城くんの足元に落ちて、熱い真っ赤なシャワーが結城くんに降り注いだ。
「ゔっ……ゔぁ"ぁ"ぁ"あ!!」
血溜まりに腰を抜かして、後退りながら結城くんは叫んだ。
今にも吐きそうに顔を歪ませ、僕を恐ろしいものを見るように怯えた瞳で見つめていた。
『君も、優しくしたらなんでもしてくれるって僕を使っていたんでしょ?』
結城くんならこんな関係も悪くないって思ってたけど……どうせ居なくなっちゃうなら信じるだけ無駄だよね。
「違っ! 俺はそんなこと!」
『ふふ、僕はもう誰にも騙されないよ。もう、ナニモ イラナイ』
愛おしいと思い始めて居たはずの結城くんにすら、もう何も感じない。もう、心を乱されたくない。
ミンナ イナクナッチャエ
誰も居なければ、もう僕の心を乱す物は無くなるよね。
「やめ……やめ……っ!」
『バイバイ、結城くん』
初めて彼を抱きしめ、口付けをしながら彼の身体を持ちあげた。頸動脈を圧迫させると彼は足をばたつかせていたけれど、人生最後の口付けを結城くんとたっぷり楽しんだ。しばらくすると、彼はピクリとも動かなくなった。
『……君のことは好きでしたよ』
部屋の中には 真っ赤な湖と、愛しいと思っていた者の亡骸を 冷めた目で眺める僕の姿だけが残った。
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