【待合室書店】のオーナーきゅうりさんの履歴書とアクアマリンのカード

愛澤凛音

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第11話

癒し系とオレ様系の狭間で…

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つい、先日のことでした。

私は、今、すぐにでも、この場所を逃げ出したい…

という強い衝動に駆られたことは、

今まで生きてきた中で、

初めての感覚だった…かもしれません。

いつも通り、【待合室書店】で、働いていたのですが…

一人のイケメンオジサマが、書店の窓側の椅子に座っていたのです。

そのイケメンさ…が半端では、ありませんでした。

まあ、きゅうりさんも、イケメンオジサマに分類されると思うのですが…

(分類という言葉が果たして適切かどうかは、置いときまして…)

また、種類の違う、イケメンオジサマなのでした。

(種類という言葉が果たして適切かどうかは、

これまた、置いときまして…)

きゅうりさんが、癒し系ならば…

あのとき、書店にいたオジサマは、俺様系と呼ぶべきだと…感じました…

(果たして、俺様系という言葉が果たして適切かどうかは、

さらに置いときまして…)

きゅうりさんでも、180センチくらいあるので、

157センチの私からは、見上げる高さにありました。

なのにですよ…

俺様系のイケメンオジサマは、185センチ以上は、確実にありました。

びっくりドンキーもびっくりでした!!!

完全にテンパってしまって、申し訳ありません。

目を合わせてだけで、妊娠させられてしましそうな妄想が発動しそうで…

遠目に観察していました。

完全に特注風の仕立ての良いグレーのスーツの下に、

薄いブルーのシャツを着て、ノーネクタイで、上のボタンをひとつ外していて…

これが何ともセクシーな、こと…といったら…

ヤバイ男性の色気が漂っていて、もう、すぐにでも、とろけそうでした。

髪は、50代中盤なのに、ボリュームがあり、ウエーブがかかっていて、

顔はシュッとしていて、すべてが整った位置で配置がされていました。

何といっても…目です。キリッと切れ長のあの目は、ヤバすぎました!!!

全く…時間も、息も、止まってしまうような…長い時間でした。

それも、数時間前に、きゅうりさんが突然、

「美咲さん、ちょっとお願いがあるんだけど…

今からさ~以前、ボクが勤務していた学校の校長が来るんだけどさ~

同期になるんだけど…ボク、会いたくないんだよね~

美咲さんのその持ち前のパワーでさ~

適当に追い返してもらえないかな~

ちょっと、外に出てくるから…

本当に困ったら、スマホに連絡して…」

「何ですか?その持ち前のパワーでって…

意味不明です!嫌ですよ~絶対に無理です!」と即答したが、

いつの間にか、いなくなっていたのです。

そして、現れたのが、はい!このイケメンオジサマ!です。

ダンディーオジサマでもいいです。

(たぶん、「ゲッツ」は、しませんが…)

私も、それなりの対応は、しなければならないと思い…

「申し訳ありません、オーナーの柊野は、

所用で今ここにはおりませんので…」

とことわると…

「大丈夫ですよ。帰ってくるまで待ってますから…

まあ、俺には会いたくないとは、わかっているんだけどね…

どうしても、お願いしないことがありましてね、

キミにまで迷惑をかけて申し訳ないね~」

と…きゅうりさん、会いたくないことがバレバレですよ…

ということで…

私も、しびれを切らしてしまい。

きゅうりさんのスマホに連絡しました。

「なーに?」

「なーに?じゃないですよ。会いたくないこと…バレバレですよ!」

「やっぱり?そうだよね~」

「やっぱり…じゃないです、どうしても、

お願いすることがあるみたいですよ。

早く帰ってきてください」

と怒りを込めて、スマホをきりました。

何なんだよ…こんなことに私を巻き込んで…と再度、怒りが爆発しそうなので…

冷静を装い、本棚の整理整頓の作業をごまかすために、始めたのです。

しばらくして、きゅうりさんが、戻ってきました。

きゅうりさんの姿をみたイケメンオレ様(呼び名変更です!)は、

「待たしてもらってたよ」と怒りもせずに、微笑んでいいました。

「そんなさ~わかってるならさ~待たなくてもいいのに…」

と開き直っていいました。

「桜子にどうしてもって、お願いされて、引けなくてさ~」

とイケメンオレ様はつぶやきました。

きゅうりさんが、戻ってきたので、二人に近寄っていきました。

「ごめんね。美咲さん、こいつが帰らないからさ~」

「もう、迷惑かけないでくださいよ~」と…

きゅうりさんを睨みつけました。

「ほんと、悪かったね。私は、西山学院高校の校長の新堂渉といいます。

柊野とは、一緒の時期に採用されたんですよ~

こいつが、俺とは会いたくないってことは、わかってたんだけど…

学校の件で、理事長からお願いされてね~ごめんね」

イケメン俺様の新堂さんが、私に微笑んだ。

私は、「この書店で働いている、美咲麻鈴といいます」

と、自己紹介をすると…

「そう、麻鈴ちゃん、ごめんね!オジサンが迷惑かけて…」

と優しく謝罪しました。

「桜子さんのお願いって…なに?」と…

きゅうりさんが尋ねると…

「今、うちの学校、教員がいなくてさ~

お前に非常勤講師になってもらいたいっていう…お願いさ。

断られるとわかってるけど…桜子が引かないからさ~」

と…腕組みをした新堂さんが嘆くようにいいました。

「奥様が理事長というのも、大変だな~頭あがらなくて…」

「まあな、生きるのは大変さ~でも、やりがいはあるかな?

お前は、まだ独り身みたいだな~」

「ああ、独り身で気楽にやってるよ。桜子さんには、

悪いが他の人を当たるようにお願いしてくれ!」

「ああ。わかったよ。

お前、まだ、結花さんのことを引きずっているのか?」

「違うよ…独りが楽なんだよ…」

「はいはい、強がりは、いいから…ちゃんと顔に書いてるよ」

きゅうりさんは、新堂さんとの会話の後、少し沈黙していたが…

「用件が済んだから、もう、いいだろ?じゃーな」

「ああ、でも、たぶん、桜子はあきらめないと思うぞ。

桜子が、もし、ここに来たときは、

ちゃんと、断る理由を考えておけよ」

と新堂さんが言うと…

「結花と一緒にいたあの学校には、もう二度と行きたくないと…

いっていたって、伝えてくれ、頼む」

それを聞いた新堂さんは、

「素直にそういえばいいのに…わかったよ、桜子には、そう伝える。

でも、たぶん、桜子は諦めない…お前も知ってるだろ…彼女の性格は…」

「ああ…わかっているよ…同じ理由をいうだけさ!」

新堂さんは、小さなため息をついて…

「じゃーな」

と…いったあと、私の顔をみて、ニコッと笑ったのです。

私は、内心、罪だわ…この笑顔…と思いました。

この笑顔で、何人の女性を泣かせてきたのだろうかと…

考えずにはいられませんでした。

このイケメン対決は、

ゴジラ対メカゴジラよりも個人的には、見応えがあると思いますよ…

私は、その映画をみたことはありませんが…

新堂さんが、書店を出られてから…

きゅうりさんの様子をうかがってみると…

私には、寂しそうな横顔に感じてしまいました。

まだまだ、きゅうりさんの履歴書の更新は、

続きそうな予感がしていました。
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