魔力最強の兄と武力最強の妹

第Ⅱ章 他の孫を探して

孫の手掛かり2

その後俺、リーシャ、ハリル兄さんと紋章の力を解放したが特に新たな情報は得られなかった。
「星降る古文書ってどこにあるのかな？」
「マドル？そんなんも知らないの？」
「フレンス王国、ラーブル博物館に貯蔵されてるけど写したものがいくらでも出回ってるからね。」
「へぇー。でどうするの？量ってどれくらいなの？」
「確か伝説篇、歴史篇、伝承篇、人物篇の四篇だよ。」
このあと数時間に渡って『星降る古文書』についてマドルに説明した。
『星降る古文書』概要
発見されたのは今から数百年前のジッポー。
作成は今から数千年以上前の西暦時代とされるが具体的な年代は不明。
勿論編者も不明である。
文章は今のジッポーに似た字で書かれており、解読には数十年かかった。
古文書は三篇に分かれていた。
初篇とされる伝説篇には地球の成り立ちや神々の行動。そして西暦時代以前と思われる記述がなされていた。
次に歴史篇。明志時代から西暦時代について年代を追いながら事細かに書かれている。
伝承篇は予言のようなものだった。
因みに魔獣の出現も英雄の登場もそして国の陥落も魔神の復活も記載されている。
人物篇は歴代の活躍した人物の人生が書かれている。
この四篇の中で参照するならば伝承篇だろう。
「よし、じゃあ早速調べてみよう。」
ハリル兄さんの一声で調査を開始することにした。


















国を救いし英雄は、多くの妻を持つ。
一人は地元に、一人は砂漠の地に一人は森林の地。
　　　　　　　　　星降る古文書　伝承篇第五章八節

この一文を見つけるのに三ヶ月を要した。
発見から三日後俺達は森林の地と呼ばれる南アメリゴ大陸へと旅立った。