2 / 24
あなたを知りたい
しおりを挟む
■■■■
私は振られたその足で家に帰ると、ベッドに倒れ込む様に身を委ねた。そして布団に包まり、いつもの様にシクシクと涙を流すのだった。この行為は、初めて振られて日から続いていて、振られて13回目の今回も変わることは無かった。しかし逆に言えば、それは瑠二君への想いが変わっていないという『証明』でもあった。
私のこの気持ちは本物。
決して一時的な安っぽいものでは無い。
──、そう。確信したの。その辺のアバズレ女共とは違う。この想いを届ける為に、今こそ彼の心の扉を開くために動き出すのよ。だから……
瑠二君の事を。
徹底的に。
調べあげるの。
私は涙を拭い、両手でパシンと顔を叩き立ち上がる。
いつまでも泣いていてはダメよ。前に進まなきゃ。
考えてもみれば、私は瑠二君の事を殆ど知らなかった。恋に落ちたのも、私の落とした財布を彼が拾ってくれた。ただそれだけの事だった。一目惚れに近かったのかも知れない。でも、あの時の彼の笑顔と優しさが半年経った今でも忘れられない。
あの笑顔をもう一度見れたなら──、
そうと決まれば早速明日から行動開始よ! 待っててね瑠二君!! あなたの事をもっと知りたいの。
「愛される準備はいいかしら?」
■■■■
翌日。
私は早起きをした。
そして物陰に隠れ、人知れず瑠二君が来るのを待っていた。
勿論尾行する為だ。
私が知っている事は少ない。それは彼の名前と、もう一つ。毎朝瑠二君は、『必ずこの時間にここを通る』という事だ。
──そして待つこと数分──
ッ来たわ!私の可愛い瑠二君。今日も眩しいくらいに素敵ね。私の体、色んな所が熱くなるのを感じるわ。凄い、凄いわ! 瑠二君! これが愛の力なのね!
今すぐ飛び出して、近くで瑠二君を見たいという欲求を抑え、私はコッソリと瑠二君の後を付けた。
──彼の全てを知りたい──
その一心で、不思議と自分を抑えることが出来ていた。
私はその後、尾行を続け瑠二君が大学に入って行くのを見届けた。どうやら彼はまだ大学生のようだ。
私の胸の鼓動は、ドキドキと感じた事の無い奇妙な動きをしていた。その時私は大好きな人の後ろを、コッソリとつけまわす事に快感を覚えていたのかも知れない。
そして私は、その場所で瑠二君が学校から出て来るのを待った。勿論帰りも尾行して家を突き止めようと計画していたからに他ならない。
────。
辛抱強く6時間位出口を見張り続けた。よそ見をした隙に、瑠二君が帰ってしまう事を危惧して、片時も出口から目を離さなかった。
そして遂に、大好きな瑠二君が学校から出て来るのを確認すると、私はすかさず後ろに回り込み、再び彼の後をつけるのだった。
後ろをつけてる間、彼の癖を何個か発見したわ。いつも解ける靴の紐、決まって左足。なんて可愛いの。比較的長い前髪、目に掛からないように手で右側に寄せるの。とってもセクシーだわ。
暫く尾行を続けていると、瑠二君が1軒のアパートへと入って行く。もしかしてここが……
──瑠二君の家──
遂に、遂に見つけたわ!しかも、しかもよ!?
一人暮らしッッ!!
瑠二君は一人暮らしだわ! もし瑠二君の彼女になったら、あんな事やこんな事をこの家の中で──、うふふっ。いやぁん! だわ!
私は目的を果たし、いつになく軽い足取りで自分の家へと帰った。
早々に寝る支度を済ませ布団に入り目を瞑り、今日の出来事を蘇らせる。すると胸がトクン、トクンと動き出すのだった。
もっと──、
もっと知りたい。あなたの事、その全てが知りたいの。いいわよね? 瑠二君。
■■■■
次の日の朝、私は瑠二君の家の前で待っていた。当然今日も彼を尾行する為だ。この衝動は抑えられない。
何も知らない彼は、今日も大学に行くため、家を出る。
向かう先は分かっている為、私は戸締りを確認してから後を追う事にした。さながら『妻』と言ったところか。それも悪くはない。
彼の部屋はアパートの1階にある為、玄関だけではなく窓もしっかり確認する事が必要だ。窓から不審者が侵入して来ないとも限らないのだから──、と。
あら? ここの窓空いているわ。もう、本当おっちょこちょいね。ま、そんな所も可愛いんだけど。
「………………。」
────。
──。
気づけば私は瑠二君の部屋の中に居た。
ほんの出来心だった。
でも──、
でもね瑠二君。
私は未来の彼女なのよ。
いいわよね?
だって彼女だもの。
──知りたいは罪ですか?──
私は振られたその足で家に帰ると、ベッドに倒れ込む様に身を委ねた。そして布団に包まり、いつもの様にシクシクと涙を流すのだった。この行為は、初めて振られて日から続いていて、振られて13回目の今回も変わることは無かった。しかし逆に言えば、それは瑠二君への想いが変わっていないという『証明』でもあった。
私のこの気持ちは本物。
決して一時的な安っぽいものでは無い。
──、そう。確信したの。その辺のアバズレ女共とは違う。この想いを届ける為に、今こそ彼の心の扉を開くために動き出すのよ。だから……
瑠二君の事を。
徹底的に。
調べあげるの。
私は涙を拭い、両手でパシンと顔を叩き立ち上がる。
いつまでも泣いていてはダメよ。前に進まなきゃ。
考えてもみれば、私は瑠二君の事を殆ど知らなかった。恋に落ちたのも、私の落とした財布を彼が拾ってくれた。ただそれだけの事だった。一目惚れに近かったのかも知れない。でも、あの時の彼の笑顔と優しさが半年経った今でも忘れられない。
あの笑顔をもう一度見れたなら──、
そうと決まれば早速明日から行動開始よ! 待っててね瑠二君!! あなたの事をもっと知りたいの。
「愛される準備はいいかしら?」
■■■■
翌日。
私は早起きをした。
そして物陰に隠れ、人知れず瑠二君が来るのを待っていた。
勿論尾行する為だ。
私が知っている事は少ない。それは彼の名前と、もう一つ。毎朝瑠二君は、『必ずこの時間にここを通る』という事だ。
──そして待つこと数分──
ッ来たわ!私の可愛い瑠二君。今日も眩しいくらいに素敵ね。私の体、色んな所が熱くなるのを感じるわ。凄い、凄いわ! 瑠二君! これが愛の力なのね!
今すぐ飛び出して、近くで瑠二君を見たいという欲求を抑え、私はコッソリと瑠二君の後を付けた。
──彼の全てを知りたい──
その一心で、不思議と自分を抑えることが出来ていた。
私はその後、尾行を続け瑠二君が大学に入って行くのを見届けた。どうやら彼はまだ大学生のようだ。
私の胸の鼓動は、ドキドキと感じた事の無い奇妙な動きをしていた。その時私は大好きな人の後ろを、コッソリとつけまわす事に快感を覚えていたのかも知れない。
そして私は、その場所で瑠二君が学校から出て来るのを待った。勿論帰りも尾行して家を突き止めようと計画していたからに他ならない。
────。
辛抱強く6時間位出口を見張り続けた。よそ見をした隙に、瑠二君が帰ってしまう事を危惧して、片時も出口から目を離さなかった。
そして遂に、大好きな瑠二君が学校から出て来るのを確認すると、私はすかさず後ろに回り込み、再び彼の後をつけるのだった。
後ろをつけてる間、彼の癖を何個か発見したわ。いつも解ける靴の紐、決まって左足。なんて可愛いの。比較的長い前髪、目に掛からないように手で右側に寄せるの。とってもセクシーだわ。
暫く尾行を続けていると、瑠二君が1軒のアパートへと入って行く。もしかしてここが……
──瑠二君の家──
遂に、遂に見つけたわ!しかも、しかもよ!?
一人暮らしッッ!!
瑠二君は一人暮らしだわ! もし瑠二君の彼女になったら、あんな事やこんな事をこの家の中で──、うふふっ。いやぁん! だわ!
私は目的を果たし、いつになく軽い足取りで自分の家へと帰った。
早々に寝る支度を済ませ布団に入り目を瞑り、今日の出来事を蘇らせる。すると胸がトクン、トクンと動き出すのだった。
もっと──、
もっと知りたい。あなたの事、その全てが知りたいの。いいわよね? 瑠二君。
■■■■
次の日の朝、私は瑠二君の家の前で待っていた。当然今日も彼を尾行する為だ。この衝動は抑えられない。
何も知らない彼は、今日も大学に行くため、家を出る。
向かう先は分かっている為、私は戸締りを確認してから後を追う事にした。さながら『妻』と言ったところか。それも悪くはない。
彼の部屋はアパートの1階にある為、玄関だけではなく窓もしっかり確認する事が必要だ。窓から不審者が侵入して来ないとも限らないのだから──、と。
あら? ここの窓空いているわ。もう、本当おっちょこちょいね。ま、そんな所も可愛いんだけど。
「………………。」
────。
──。
気づけば私は瑠二君の部屋の中に居た。
ほんの出来心だった。
でも──、
でもね瑠二君。
私は未来の彼女なのよ。
いいわよね?
だって彼女だもの。
──知りたいは罪ですか?──
0
あなたにおすすめの小説
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました
小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」
二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。
第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。
それから二十年。
第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。
なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。
不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。
これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。
※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる