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君が動くのは夢?それとも現実?
しおりを挟む「ねぇ、ぬいぐるみ。」
「ぬいぐるみって呼び方やめようよ。ずっと僕達一緒にいるんだから。」
「…。」
本当にすごいぬいぐるみだ。
色々と。
「そうだ!僕に名前付けてよ!ずっとずっと猫さんって呼ばれてたの違和感だったんだ!」
そして厚かましい。
「その前に何個か質問をさせてくれ。これは夢じゃないんだよね?」
「夢じゃないよ。ほら、僕動いてるじゃない。」
…それが1番夢らしくて納得行かないんだけどな。
まぁ別に目が覚めたら動くはずもないからいいか。
「君はなんで動いてるの?」
「それはね~流生が大切にしてくれたから神様が僕を付喪神にしてくれたんだよ!」
…それもまたにわかに信じ難い。
夢としか思えない。
「これは何をすれば目が覚める?」
「だから夢じゃないってば!」
…まぁそうだよね。なるようになるしか…
「とりあえずほら、顔洗おうよ。目が覚めるよ?」
「確かに。」
ぬいぐるみの提案で目が覚めそうなのだ。
洗面所に行こうとするとぬいぐるみも着いてくる。
めちゃくちゃ足が遅い。
いやそうだよね。人間の1/10より小さい気がする。
足なんて5センチ程度しかない。
「ほら、下手に触ると耳とか腕とか外れそうだから乗って。」
「いいの?!乗る!」
腕を差し出して見ると結構素直に乗ってくれる。
腕を組んだところにぬいぐるみが乗っているというなんとも不思議な状態になった。
「えへへ…久しぶりだなぁ。」
嬉しそうに頬を両手で挟んでる。
なんて表現力の高いぬいぐるみだろうか。
「というか名前は?!僕につけてくれるでしょ?!」
こうして流そうとしてるのがバレた。
だってネーミングセンスないし…自分の子供に名前をつけるならどうする?って聞かれた時ですら何も思いつかなくて映画の映と答えて聞いてた全員に引かれた人間だ。
ぬいぐるみだとしても変な名前をつけては怒られそうだ。
「…どんな名前がいい?」
「それボクに聞いたら意味ないじゃん!ボクは流生につけて欲しいの!」
洗面所につくも思いつかずとりあえず顔を洗う。
水は冷たい。
冷えてて眠気が覚めそうだ。
いや、実際覚めてないのだが。
タオルで拭くと案外さっぱりした。
しかし夢から覚める気配はない。
「ねーねー名前ー。」
「うん、わかった。わかったから。」
さすがに諦めてもう一度腕の上にぬいぐるみを乗せる。
夢だと言うのにお腹がすいた。
「変な名前でも引かないでよ?」
「それは、君の名付け方次第だもん。」
付喪神のぬいぐるみって言ってたよね…
そしてぬいぐるみの形は猫。
「…つくね。」
「思ってた以上に酷い名前だね?!ボクもびっくりだよ?!これじゃおでんの具じゃないか!」
「だって猫のぬいぐるみの付喪神だろう?付喪神のつくと猫のねをとって、つくね。色も茶色いしいいんじゃない?」
「ええー!!色はこれ落ちたり汚れたりしただけだもん!」
怒ってるのはよく分かる。
腰に手を当ててるからだ。
「…洗ってあげようか。ちょっと痛いかもしれないけど。」
「え、何する気?」
「わたを一度抜いて、洗う。」
「何それ痛そう…」
「それは僕も思うよ。」
時計が指すのは7時。
…あれ?
「僕昨日寝たの4時だよね…」
学校から帰って…すぐに何もか投げ出して寝たから…
「うん。そうだね。ずっと寝てたよ。」
やっと、夢らしいところが出て来た、と1人思った。
「とりあえず朝ごはんを食べようか。夢なのにお腹空くなんて思ってなかったけど。」
「夢じゃないってば!」
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