10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました

専業プウタ

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31.私たちの未来

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 私は無事に高卒認定試験に合格した。
 結婚式は半年後に行うらしい。
 今日も冬馬さんは私の作ったご飯を美味しく食べてくれて、今は二人で彼が買って来てくれたケーキを食べている。

「未来、高卒認定試験の合格おめでとう。来年度からどうしたいかは未来の思う通りにしたい」

 私は冬馬さんが以前、来年度からアメリカに行く予定だと言っていたのを思い出した。

「予備試験を受けて検事になっても、日本の大学に行っても、アメリカの大学に行ってもいいよ。どんな選択をしても隣で応援する」

 冬馬さんは全部私に合わせるから一緒にいて欲しいと言っていた。私が望んでいるのは、何でも合わせてくれる都合の良い男ではない。私は冬馬さんには自分の輝ける場所でやりたい事をして欲しい。私のやりたい事はアメリカでも叶えられる。

「私、冬馬さんの生まれた場所に行ってみたいです。来年度からアメリカに行きませんか?」
「俺の生まれた場所に行ってみたい? 可愛すぎる」
 冬馬さんは私の返事に悶絶して勢いよく抱きつこうとしてきて手を引っ込めた。
 私はその手を引っ張って、自分を抱きしめさせる。
 
「冬馬さん、私たちは結婚しましたよ。もう、私は貴方の奥さんです」
 結婚式はまだだが、入籍をして私は「桜田未来」から「城ヶ崎未来」になっている。冬馬さんは私の言葉の意味を理解したのか、そっと私を横抱きにして寝室に運んだ。

 翌朝、私は自分の中に生まれた疑惑を冬馬さんに尋ねようか迷っていた。初めてなのに全く痛くなく、自分を見失うくらい快楽に溺れたのだ。

「おはよ。起きてたの? 体は大丈夫?」
 冬馬さんが目をゆっくりと開いて、愛おしそうに私を抱き寄せてくる。「体は大丈夫?」とは初めては痛いはずだから聞かれているのだろう。

「冬馬さん、正直に答えてください。私が寝ている時とかにこっそり何かしましたか?」
「?」
 冬馬さんは私の質問の意図を理解していないようだった。

 私は江夏君が寝ている私にこっそりキスしたように、冬馬さんが意識がない私の処女を既に奪っていたのではないかと疑っていた。

「その⋯⋯だから、昨晩は凄く気持ち良かったんです」
「俺も凄く良かった。本当に愛する女を抱くって全然違うんだな。なんか涙が出そうなくらい感動した」
 冬馬さんが私をそっと抱き寄せて額にキスをし、愛おしくてたまらないとばかりに強く抱きしめてくる。その温もりに昨晩のように何もかもどうでも良くなる感覚に陥りそうになった。私は三秒目を瞑り、冷静に状況を客観的に精査する事にした。
 
「初めてなのに変ですよね。冬馬さん、まさか私が意識がない時に既に⋯⋯」
 私は問い正しながら、私は彼をまだ信用し切っていないのだと自覚した。
「流石にそんなクズじゃないよ。未来の才能と、俺の愛と技術が素晴らしかっただけ!」
「本当ですか? 私の記憶がない期間に何かしてませんか?」
「し、信用を得られるように、これからも努力し続けるよ⋯⋯」
 私の言葉に冬馬さんは何かを思い出したのか、一歩引いてワタワタし始める。
(怪しい⋯⋯)

「何ですか? 正直に言ってください。私も夫を信じる妻になれるよう努力しますから」
 冬馬さんは私の怪しむ視線に観念して恐る恐る口を開いた。

「医者のフリをして、未来の上着を脱がせて内診しようとしたことは⋯⋯あるかな」
 私は彼の発言に首を傾けてしまった。彼は私を縋るような目つきで見つめてくる。

「冬馬さんはそんな意味の分からない下品なことはしません。変な冗談言って笑わせないでください」

 私は笑いながら冬馬さんを枕で叩く。
 そして、彼を尋問して秘密を聞き出す必要は無いことに気がついた。失った記憶は戻ってないけれど、今から沢山の思い出を二人で作ることができる。

「私も秘密があるので、冬馬さんも秘密があっても良いですよ」
 私は江夏君にキスをされた事は一生黙っておくつもりだ。

「未来の秘密って何?」
 私の事を徹底的に調べたという探究心旺盛な冬馬さんは「秘密」と聞いて目を見開く。

「私の秘密は墓まで持っていきます」
「そんな秘密の隠し方をされると気になって仕方ない。絶対に吐かしてやる!」
 彼は笑いながら私をくすぐると、そっと引き寄せてキスをした。
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みんなの感想(1件)

赤梨
2025.11.01 赤梨
ネタバレ含む
2025.11.01 専業プウタ

10年引きこもっているので、社会性、判断能力はないですね。持っているのは暴力的な純粋さと正義感。

解除

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