破滅確定の悪役令嬢ですが、魅惑の女王になりました。

専業プウタ

文字の大きさ
33 / 35

33.ミカエルの存在も詰んでるのね⋯⋯。

しおりを挟む
「エミリアン王妃殿下と話せないかなあ?」
「無理だよ⋯⋯母上は伏せっていて来客応対できる状態ではないんだ」

 エミリアン王妃は国の友好のために嫁いだ先にで不遇な対応を受けていた。
 その上に見知らぬ人間に体を乗っ取られる時を過ごした。

 きっと、気が狂ったように扱われたりして特異な言動をした1年間は王室の中で閉じ込められていたのだろう。

「酷いね⋯⋯浮気も、不倫もする人の気持ちは分からないよ、誰かを傷つけてする恋なんて汚い。ルシアは汚いよ。早くこの体から抜け出したい!」

「1人ボッチにならないで。僕がいるよ。君がこの世界に永遠にいることになっても、絶対に味方でいる僕がいるから」

「私の体を好きにしようとしたり、出生を偽ろうとした癖に⋯⋯」

 急に主人公のような清廉潔癖さを見せたミカエルに毒つく。

「本当だね。僕って最低だ⋯⋯でもね、マリカ⋯⋯君が全部悪いんだよ。いつだって自分が自分でいられなくなるような感情を君に引き出させられるんだ」

 ミカエルは私にそういうと軽く口づけしてきた。
あまりに軽いもので、避けることもできなかった。

「こ、今後どういった事が問題になって来そう?」
姉と弟と過ごすと決めたミカエルからのキスに動揺して声が震えてしまった。

「まずは、スグラ王国とローラン王国の文化ば全く違うことに注意しなければならない。ローラン王国は一夫多妻制で、男尊女卑の国だ。それゆえに、王太子の不倫がバレたところで何の痛手もない。一方で結婚するまでは当然純潔である事が求められるスグラ王国で次期女王になるルシアが他の男と通じていたら、国は揺らぐ」

 私は自分が女王として国のために最善の努力をしようと思っていた。
 しかし、私の存在そのものがスグラ王国の混乱を招くと言うことだ。

「あ、あのミカエルが⋯⋯」
「僕の存在そのものが、爆弾なんだよ。サンタナ・ローランが不貞をしていたことなんて、ローラン王国では問題にもならない。でも、スグラ王国では貞節が誰より求められる王妃の不貞⋯⋯僕の出生の秘密が明らかになったら、スグラ王家は求心力を失うよ」

 私が詰んだ状態なら、代わりにミカエルが次期国王になれば良いと思っていた。
(ミカエルの存在も詰んでるのね⋯⋯)

 スグラ王国は一夫一妻制で、女性の権利が認められている国として優秀な女性の移民も多い。その上、国民の満足度も主に女性を中心に高い。

「私⋯⋯男関係が奔放だって明かされても揺らぎない仕事をするように頑張るよ。ミカエルも力を貸してくれる? 貴方の助けが必要なの」

 これから、いくら勉強しても長期に渡り国王になる為に努力してきたミカエルには敵わないだろう。

 彼には味方でいて貰って、私のことを助けて欲しい。

「もちろん、その代わり僕が君のことを好きでい続けることも許してね」
 ミカエルはそう言うと、唇を重ねてきた。

 口を無理やりこじ開けて舌をいれてきたネイエスのいやらしいキスとは違う。
 本当に私の事を想ってくれているのが伝わってきて、私はその長めのキスにそっと目を閉じた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

[完結]7回も人生やってたら無双になるって

紅月
恋愛
「またですか」 アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。 驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。 だけど今回は違う。 強力な仲間が居る。 アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。

ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~

浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。 「これってゲームの強制力?!」 周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。 ※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。 王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。 数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ! 自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。

【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました

三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。 優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。 優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。 そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。 絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。 そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。 そこからは家族ごっこの毎日。 私が継ぐはずだった伯爵家。 花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね? これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。 2025年に改編しました。 いつも通り、ふんわり設定です。 ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m Copyright©︎2020-まるねこ

処理中です...