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その十六
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テレビの情報によると、義嗣は同じ組同士の争いで、同じ組員の男二人に暴行を働いたそうだ。
忍の脳裏に義嗣のぶっきらぼうな顔が思い浮かぶ。忍は義嗣に会いたかった。どうすれば警察に掴まっている義嗣に会えるのだろう?忍は義嗣に会うために、テレビで映っていた警察署に向かうことにした。
いつもとは違う電車に乗っていると、突然忍は腕をつかまれて、驚く。
「君がいつも向かう電車の方角とは違うようだね。大丈夫かい?」
振り返るとそこには、痴漢男の四宮綜一朗がいた。
「四宮さん!?」
「君の顔が深刻そうで心配になってね」
「お尻触るのやめてください」
相変わらず四宮の手は、忍の臀部を触っている。
「大丈夫、君の体には、もう触らない。最近心臓が悪いからね」
「.....。」
そういいつつ四宮の手は、忍の臀部を鷲掴みにしている。忍は内心どうしたもんかと、困った。
「何かあったのか?」
「大事な人に会いに行こうと思って」
「そうか。きっと会えるといいな」
そういって、四宮は微笑んだ。四宮の微笑みは花が咲いたような優しく美しいものだった。相変わらず忍の臀部に触れていたが。
「ん」
いやらしい四宮の触り方に、つい忍は妙な声を漏らしてしまう。かぁっと、忍の顔が赤くなる。すると四宮はそそくさとどこかへ行ってしまう。
忍は二倍恥ずかしくなって、顔を俯く。
なんとか警察署に向かうことができた忍だが、接見禁止で、忍は義嗣に会うことはできなかった。悲しい気持ちで帰り道を一人歩いていると、背後から声を掛けられ立ち止まる。
「お嬢さん、何か御用時ですか?」
黒い高級車の窓から紫色の薄い色のレンズの眼鏡をしたオールバックの男が顔をのぞかせる。にこにこ微笑む男はどこか狐の顔に似てる気が、忍はしていた。
「え」
戸惑う忍の両脇をいつの間にか現れた男が囲み、強引に忍は車の中に押し込まれた。
ゆ、誘拐!?
ろくな抵抗ができないまま忍は呆然と、車内で男に囲まれていた。
忍の脳裏に義嗣のぶっきらぼうな顔が思い浮かぶ。忍は義嗣に会いたかった。どうすれば警察に掴まっている義嗣に会えるのだろう?忍は義嗣に会うために、テレビで映っていた警察署に向かうことにした。
いつもとは違う電車に乗っていると、突然忍は腕をつかまれて、驚く。
「君がいつも向かう電車の方角とは違うようだね。大丈夫かい?」
振り返るとそこには、痴漢男の四宮綜一朗がいた。
「四宮さん!?」
「君の顔が深刻そうで心配になってね」
「お尻触るのやめてください」
相変わらず四宮の手は、忍の臀部を触っている。
「大丈夫、君の体には、もう触らない。最近心臓が悪いからね」
「.....。」
そういいつつ四宮の手は、忍の臀部を鷲掴みにしている。忍は内心どうしたもんかと、困った。
「何かあったのか?」
「大事な人に会いに行こうと思って」
「そうか。きっと会えるといいな」
そういって、四宮は微笑んだ。四宮の微笑みは花が咲いたような優しく美しいものだった。相変わらず忍の臀部に触れていたが。
「ん」
いやらしい四宮の触り方に、つい忍は妙な声を漏らしてしまう。かぁっと、忍の顔が赤くなる。すると四宮はそそくさとどこかへ行ってしまう。
忍は二倍恥ずかしくなって、顔を俯く。
なんとか警察署に向かうことができた忍だが、接見禁止で、忍は義嗣に会うことはできなかった。悲しい気持ちで帰り道を一人歩いていると、背後から声を掛けられ立ち止まる。
「お嬢さん、何か御用時ですか?」
黒い高級車の窓から紫色の薄い色のレンズの眼鏡をしたオールバックの男が顔をのぞかせる。にこにこ微笑む男はどこか狐の顔に似てる気が、忍はしていた。
「え」
戸惑う忍の両脇をいつの間にか現れた男が囲み、強引に忍は車の中に押し込まれた。
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