英雄様の取説は御抱えモブが一番理解していない

薗 蜩

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-- お互いの左手は其々の専用端末において下さい。

-- 準備ができましたらお互いにしっかりと右手を繋いで下さい。

-- ガイドはガイディングを始めて下さい。

-- センチネルはガイディングを拒否らず受け入れて下さい。

-- マッチングテストを開始します。

-- あと10秒。

-- あと5秒。

-- 3・2・1。

-- 終了です。お互い手をゆっくりと離して下さい。

-- お疲れ様でした。ガイドは完了ボタンを押して下さい。


マッチングテストが完了した。

正味10分程度だがマッチング完了報告書の為もう暫く二人でこの部屋にいないといけない。

ガイディング中に彼の行動が少し気になった。

「オールデン君、ガイディング開始直後に何かに反応していたけど…痛みとかあった?」
「……………いや……」
「本当?気持ち悪いとかも無かった?何かあれば報告しないといけから正直に言って欲しいんだけど。」
「………いや……特に……フフッ」
テスト前から今の今まで一度も目を合わせてくれない彼は下を向いたまま僕を馬鹿にするように鼻で笑ったような気がした。
「え?何?」
「……………………」

なんか本当に馬鹿にされているようで気分が悪い。
話しかけても答えてくれない。
意思疎通ができないとか苦手なタイプだ。
最初から分かっていたけど!
「気になる事が無いみたいなのでテスト終了します。お疲れ様でした!」
「あっ…」
さっさとガイド待機室へ戻ろうとしたがオールデン君に急に腕を捕まれた。
その行動は想定していなかったので力の差だろう、腕を捕まれそのまま身動きできずバランスを崩し彼の腕の中へ倒れた。

「あ…」

不意に目が合い吸い込まれそうな碧い瞳に見つめられてドキリとした。

この目は本当にヤバい!ずっと見つめていられるかもしれない!が今の状況を冷静に判断した時にとても間抜けな感じがしてすぐに体勢を整えた。
「あ、ごめん。急に引っ張るからバランス崩してしまって。重く無かった?」
「……はい…」

また沈黙。
なぜ腕を掴まれたのかを聞きたいが何となく聞きたくない気分でもある。
このまま沈黙が続くようならさっさと帰ろうと思った矢先、
「飴が沢山の……映像……フッ」
鼻で笑われた。
今はっきりと見た。
「…もしかして…僕のガイディングイメージが見えた?」
オールデン君は小さく頷いた。
笑われたのだ。
僕のガイディングイメージは飴をコロコロとこぼしていくイメージだ。
可愛いと自分でも思う。しかしセンチネルにそのイメージがわかるはずがないと今までは思っていた。
噂話の延長みたいなものでイメージが伝わる人もいるらしいよ程度しか認識してなかった。
それを見られた!見られてしまった!しかも笑われた!鼻で!!

恥ずかしさと怒りとが複雑に絡み僕はその場をなにも言わず部屋を出た。

第一印象最悪。
性格も最悪!
人の事バカにするやつは大嫌いだ!
こんなやつと絶対ガイディングパートナーになりたくない!

そんな風に思った翌週に専用バディになるとは思ってもみなかったけどな!
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