勇者の運命の人は俺ですか?

薗 蜩

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初日

魔王討伐の報酬と約束事 sideウォレス

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そこは荒れ果てた大地だった

ついさっきまで魔王と呼ばれ恐れられていたモノがこの大地に君臨し長い時間を掛け枯れ荒れさせ消滅をさせた地でもあった

ただ今はその魔王と呼ばれ恐れられていた存在はそこにいる勇者とその仲間が討伐を果たしたばかりだった

酷く重い装備と無数の傷
体の至る所で血が出ていたが致命傷となる傷は無かった
しかし魔王の消滅直後の重く黒い空気が薄くはなったが相当の消耗で身体中が痛み軋み震えていた

肩で息をしながら持っていた聖剣を大地に突き刺し少しだけ杖の代わりに凭れて安堵した

すぐ後ろには仲間の魔法使いのエルフやドワーフの戦士と弓使いの人間が同じように薄汚れ肩で息をしながら戦闘の終わりを確めていた

誰が最初だったかは覚えていない
換気の声をあげた
ひとしきり叫んだ後に

「やった!やった!やっと家に帰れる!!」
「これで平和が約束される!のんびり冒険者するんだ!」
「やだー!国の皇子から求婚されたらどうしようー!結婚したーい!」
「唯一無二の運命が貰える!!」

みな其々に思いの丈を口出し勝利を噛み締めていた

「女神!約束だ!私の唯一無二の運命をくれ!」

鮮やかな青い髪にエメラルドグリーンの瞳
細身に見えるが理想的な筋肉がチラチラと見えかくれする
先までの戦闘で汚れ怪我したがそれさえも格好良く見えてしまう程の美貌とスタイルの持ち主が天に向かって叫んでいた

「ウォレス!何を言ってるんだ!?」
「そうですよ!ってか何を女神と約束したのよ!」
「早く家に帰りたーい!」

その時、空から一筋
目の眩むような一筋の光が目の前に降って落ちたと思った瞬間
キラキラと身体全体から小さな細かい粒子でも飛んでいるように光輝いている少女とも美女とも見える容姿の女神が立っていた

『約束は守るけどぉー…ってかさぁー今なの?勇者ボロボロの小汚いまま運命の人に逢うの?』

見た目とのギャップのある話し方の女神は面倒そうに口を開いた

「俺は運命に逢うために勇者になり魔王討伐をしたんだ!早く約束を守れ!」

『あーはいはいはい!もぅ本当に運命運命それしか初っぱな女神の私とあった時から言わないよね!そんなに運命の相手に逢いたいの?他にもっと欲はないわけ?』

「私は皇子と結婚したい!」
「億万長者!」
「家に帰りたい!」

勇者のすぐ後ろにいるガヤが叫ぶ

『オッケー!後ろの3人の願いは聞き入れたよ!』

女神はそう言うとバイバイと手を振った
と同時に3人の姿がスッと消えた
消えた3人は其々の願いの先に跳ばされたのだった

「女神!俺の願いはいつ叶えてくれるんだ!」

勇者のウォレスはガヤ3人が先に女神の祝福を受けたのを見て少しだけ苛立った

『そんなに焦らないでよ!勇者の運命ってさー…んーちょっと遠いところに居てるから大変なんだよ?』
「遠いところとは何処の僻地だ!」
『僻地じゃなくて異世界なの!勇者は色々力も魔力も強強だからこの世界の人間だと抱き潰してる未来しかないから!』
「だっ…………抱き潰す……だと…?」
『そそ!だから異世界の抱き潰されない位の存在の運命を見つけたんだけど……今の勇者の格好で飛ばしたら運命の相手がビックリして逃げちゃうよ?』
「わかった!綺麗にすれば良いのだな?」

ウォレスはその場でボロボロの装備を全て脱ぎ魔法の布で出来た凄い沢山入る腰鞄から王謁見の際に特注で作らせた黒地の銀と金の堀飾りのある鎧装備を取り出し着替えた

『…勇者ってば……よく女神である私の前で着替えられるよねー…』
「運命に逢う為なら時間が惜しいだけだ」

面倒臭そうに女神がため息をついたがウォレスは気にしなかった

『着替えながら聞いちゃってね!今から運命の住んでいる世界へ跳ばすんだけどー』
女神はこれからの約束と気を付けることを勇者へ説明した

◆常識や文化が違うから運命の言うことを聞かないと大変な目にあうよ
◆勇者の力や魔力は使えるが威力は10分の1程度に落ちている
◆10日後から跳ばされた場所からこの世界へ通じる道が出来るから簡単に行来できるので運命を連れて遊びに来れるよ
◆運命と契りを交わしたらどちらの世界で住むのかを10日以内に決め11日経ったときに道が閉じる為、その時に居る世界で一生涯を過ごすので気を付けて

そこまでの説明を女神が話した頃には勇者の見た目が整い自己治癒魔法もかけ傷もなくなり魔王討伐前よりも生命力が溢れていた

『そして最後だけどー…相手は男だけどいいのー?』
「男が恋愛対象だと最初の報酬確認の時に言ったと思うが…」

幼少の頃から憧れるのは男だった
思春期の男女の話は特に興味が湧く事もなく剣術と魔法を極めようとしていた
恋愛対象に対して気付いたのは女神に遭う1年程前に
将来は騎士団として経験値をあげようと冒険者をしていた頃だ
初めて入る町は繁華街として栄えていた町で風俗もあった
そこで女妾だけではなく男妾がいることに衝撃を受けた
そして看板を見てそこで性的興奮を覚えた
勿論何事も経験!興奮を覚えたその直後に男妾を買い経験値とした
確認として女妾も買ったが全く興奮せずプライドを傷付けないよう紳士的に振舞った
ある程度遊ぶようになりお気に入りの男妾も出来たが長続きはしなかった
お気に入りはだいたい小さく可愛く天真爛漫タイプなのだがどこからか私の家の事を知られ我儘を言われたり身請けを御願いされたりすると萎えてしまう
あと半分位はだいたい私の体力の……あ、それか…

『知ってたけど!最終確認でーす!この世界と繋がる道は王都ギフンラにある勇者の家にしとくからね!じゃあいってらー!』

女神は軽くそう言い終わったらバイバイとウォレスに手を振った

ウォレスは女神のその姿を見た瞬間フワッとした感覚後すぐに薄暗く狭い空間に着いた
周りには布や箱があり目の前に薄光が隙間から差し込んでいる板がある
体を動かすと色んな物にぶつかり落ちるのでそこから出ようと考えた

その時

目の前の板が勝手に動き開いた
そこには私の想像する理想的な見た目の運命が居た


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