【完結】二度目の転生は一度目の転生で俺が作ったメイドロボットでしかも人妻だった件

神谷モロ

文字の大きさ
20 / 109
第一章

第20話 家族の話

しおりを挟む
 ――キャンプ初日の夜、テント内


 アンネさんとローゼさん。シルビアさんがいれば問題なく会話できるが、いなくなると間が持たない、そんな距離感の友人である。


 ちなみに二人とも子爵家のご令嬢らしい、弟はいないみたいだ。俺は自然と彼女たちにはシスコン気味の弟がいると思い込んでいた。

 そんな流れで自然と兄弟の話になった。


 俺の場合は、兄(試作一号機)と姉(試作二号機)が実家にいると話しておいた。嘘はついていない。

 ローゼさんは言った、俺が末っ子だから特別に親(俺)から愛されているのだと。地元を離れて魔法学院に入学させたのもそのためだと。

 うん? 俺が実家を追い出されたのではないかと思っているのでは?


 ローゼさんは末っ子らしいので、そういったことで両親と喧嘩をしたことがあったそうだ。今では仲直りしており両親との仲はいいらしい。


 安心しなさい、親(俺)はそんなことしない。ロボさんの為にここにきている。それは忘れていないのだ。


 それに、この身体は特別だ、この三号機で完全体である。

 他の試作機とは別格の愛着はあるし一緒に過ごした時間も長い。

 しかし、そうだな、たまには試作機達も見てみるか。倉庫に眠っている彼らのことに思いを巡らす。

 彼らあってのこの身体である。


 アンネさんは近いうち弟か妹が生まれると教えてくれた。それはおめでたい、両親は仲がいいのが一番だ。


 アンネさんのご両親はぎりぎり20代であった。あれ? アンネさん今年16才だよね。

 そのことを聞くとアンネさんは話してくれた。どうもアンネさんのご両親は若いころ、今でも若いが随分とやんちゃであったようだ。

 そのため、貴族ではあったが家督を継いでいるわけでもなく、しかも未婚であったことでずいぶん苦労したそうだ。

 幼いアンネさんは、いつも忙しく働く父親を見て不満であった、父親はほとんど家に居なかったらしい。

 それに子供が自分一人だけだったので、両親はもしかしたら仲が悪いのではと思っていたそうだ。


 アンネさんが15才になった頃、アンネさんのお父さんは祖父から家督が継がれ、貴族としての基盤も盤石になり家にいることが多くなったそうだ。

 心配していた両親の不仲説も自分の勘違いであったとすぐに気づいたという。というか娘の前でもイチャイチャしているらしいのだ。

 まるで、今までの時間を取り戻すかのようにそれはもう熱々だったという。


 その翌年に、アンネさんは魔法学院に入学ということだった。

 正直家にいるのが少し気まずかったのでいいタイミングだったとアンネさんは照れ笑いしていた。


 そしてこの間の夏休みの帰省で妹か弟が出来たと知らされたのだった。

 
 アンネさんの話が終わると、二人は今度は私に話を振ってきた。ついにきたか、シルビアさんとの件だ。

「アールさん、いったいどういうつもりですの?」

 結構きつい表情をアンネさんとローゼさんはしていた。たしかにそうだ夏休み明けに学校に来たら友人が付き合ってると知らされたら驚くだろう。

 しかも、おなじグループ内でならなおさらである。 


 シルビアさんをたぶらかしたと責められる、失恋中につけこんだのだのでは?

 と思っていたが。実際はそうではなかった。


 なぜ、カール氏は退学になってないのかについてどういうつもりなのか? と俺を攻めていたのだ。


 ご令嬢を前にこの話をするのは、はばかられるが正直に話しておこう。もう友達なのだ。 


 カール氏には現場で罰を受けてもらった、だからそれ以上の罪は今後の彼の行動次第ということで免除となったと伝えた。 

 それでも不満そうだったので、現場での罰の詳細をアンネさんとローゼさんに話す。

 
 二人はとても興味津々だった。まるで超大作映画を見るかのように前のめりで俺の前に座っていた。

 順番に話す。カール氏がシルビアさんの16才の誕生祝いでデートをするといってきた。

 ローゼさんはつぶやく「16才になったからデート? 馬鹿じゃない? 何様かしら? それにデートは毎週でしょう? 馬鹿なの? 死ねばいいのに」

 おっと、ローゼさん、独り言がこちらに聞こえているよ。でもまあその通りだ、よかった彼女たちもカール氏に対しては思うことがあったみたいだ。

 ただ、貴族として格上であったため何も言えなかったのだ。だからその気持ちはよくわかる。でも言葉にしてはいけないよ。おっと俺もぶつぶついうキャラ設定だった。

 
 そうして話は、例のカール氏泥酔でシルビアさんのドレスを引き裂く強姦未遂事件に移る。

 お二人は怒り心頭の様子だったが俺はここでスカッとするエピソードを話した。


 俺はメイドに変装しておりシルビアさんを見ていた。そしてカール氏をしとめた得物の説明を二人にした。麻酔弾に限定したが、実弾を二人に見せた。

 カール氏の三本目の足にそれが直撃したと言ったときには、彼女たちは両手で顔を隠していたが、手の隙間からニコニコしている表情は確認できた。


 そういえばシルビアママも同じ反応をしていたっけ。とてもニコニコしていた。そうだな、ざまぁ展開、とくにこの手のダメ男のざまぁは格別な娯楽なのだろう。

 それにカール氏に対する同情が一ミリもなかったことからお察しである。……カール氏よ、これから大変だな。

 ざまぁ展開にアンネさんもローゼさんも大変満足だったようだ。

 オチとしてシルビアママが言った「それでは無反応砲ですわね」発言に。みんな大爆笑した。

 シルビアママがこの話のオチを全てを持っていってしまった……。でも二人と仲良くなれてとてもうれしい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...