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第一章
第20話 家族の話
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――キャンプ初日の夜、テント内
アンネさんとローゼさん。シルビアさんがいれば問題なく会話できるが、いなくなると間が持たない、そんな距離感の友人である。
ちなみに二人とも子爵家のご令嬢らしい、弟はいないみたいだ。俺は自然と彼女たちにはシスコン気味の弟がいると思い込んでいた。
そんな流れで自然と兄弟の話になった。
俺の場合は、兄(試作一号機)と姉(試作二号機)が実家にいると話しておいた。嘘はついていない。
ローゼさんは言った、俺が末っ子だから特別に親(俺)から愛されているのだと。地元を離れて魔法学院に入学させたのもそのためだと。
うん? 俺が実家を追い出されたのではないかと思っているのでは?
ローゼさんは末っ子らしいので、そういったことで両親と喧嘩をしたことがあったそうだ。今では仲直りしており両親との仲はいいらしい。
安心しなさい、親(俺)はそんなことしない。ロボさんの為にここにきている。それは忘れていないのだ。
それに、この身体は特別だ、この三号機で完全体である。
他の試作機とは別格の愛着はあるし一緒に過ごした時間も長い。
しかし、そうだな、たまには試作機達も見てみるか。倉庫に眠っている彼らのことに思いを巡らす。
彼らあってのこの身体である。
アンネさんは近いうち弟か妹が生まれると教えてくれた。それはおめでたい、両親は仲がいいのが一番だ。
アンネさんのご両親はぎりぎり20代であった。あれ? アンネさん今年16才だよね。
そのことを聞くとアンネさんは話してくれた。どうもアンネさんのご両親は若いころ、今でも若いが随分とやんちゃであったようだ。
そのため、貴族ではあったが家督を継いでいるわけでもなく、しかも未婚であったことでずいぶん苦労したそうだ。
幼いアンネさんは、いつも忙しく働く父親を見て不満であった、父親はほとんど家に居なかったらしい。
それに子供が自分一人だけだったので、両親はもしかしたら仲が悪いのではと思っていたそうだ。
アンネさんが15才になった頃、アンネさんのお父さんは祖父から家督が継がれ、貴族としての基盤も盤石になり家にいることが多くなったそうだ。
心配していた両親の不仲説も自分の勘違いであったとすぐに気づいたという。というか娘の前でもイチャイチャしているらしいのだ。
まるで、今までの時間を取り戻すかのようにそれはもう熱々だったという。
その翌年に、アンネさんは魔法学院に入学ということだった。
正直家にいるのが少し気まずかったのでいいタイミングだったとアンネさんは照れ笑いしていた。
そしてこの間の夏休みの帰省で妹か弟が出来たと知らされたのだった。
アンネさんの話が終わると、二人は今度は私に話を振ってきた。ついにきたか、シルビアさんとの件だ。
「アールさん、いったいどういうつもりですの?」
結構きつい表情をアンネさんとローゼさんはしていた。たしかにそうだ夏休み明けに学校に来たら友人が付き合ってると知らされたら驚くだろう。
しかも、おなじグループ内でならなおさらである。
シルビアさんをたぶらかしたと責められる、失恋中につけこんだのだのでは?
と思っていたが。実際はそうではなかった。
なぜ、カール氏は退学になってないのかについてどういうつもりなのか? と俺を攻めていたのだ。
ご令嬢を前にこの話をするのは、はばかられるが正直に話しておこう。もう友達なのだ。
カール氏には現場で罰を受けてもらった、だからそれ以上の罪は今後の彼の行動次第ということで免除となったと伝えた。
それでも不満そうだったので、現場での罰の詳細をアンネさんとローゼさんに話す。
二人はとても興味津々だった。まるで超大作映画を見るかのように前のめりで俺の前に座っていた。
順番に話す。カール氏がシルビアさんの16才の誕生祝いでデートをするといってきた。
ローゼさんはつぶやく「16才になったからデート? 馬鹿じゃない? 何様かしら? それにデートは毎週でしょう? 馬鹿なの? 死ねばいいのに」
おっと、ローゼさん、独り言がこちらに聞こえているよ。でもまあその通りだ、よかった彼女たちもカール氏に対しては思うことがあったみたいだ。
ただ、貴族として格上であったため何も言えなかったのだ。だからその気持ちはよくわかる。でも言葉にしてはいけないよ。おっと俺もぶつぶついうキャラ設定だった。
そうして話は、例のカール氏泥酔でシルビアさんのドレスを引き裂く強姦未遂事件に移る。
お二人は怒り心頭の様子だったが俺はここでスカッとするエピソードを話した。
俺はメイドに変装しておりシルビアさんを見ていた。そしてカール氏をしとめた得物の説明を二人にした。麻酔弾に限定したが、実弾を二人に見せた。
カール氏の三本目の足にそれが直撃したと言ったときには、彼女たちは両手で顔を隠していたが、手の隙間からニコニコしている表情は確認できた。
そういえばシルビアママも同じ反応をしていたっけ。とてもニコニコしていた。そうだな、ざまぁ展開、とくにこの手のダメ男のざまぁは格別な娯楽なのだろう。
それにカール氏に対する同情が一ミリもなかったことからお察しである。……カール氏よ、これから大変だな。
ざまぁ展開にアンネさんもローゼさんも大変満足だったようだ。
オチとしてシルビアママが言った「それでは無反応砲ですわね」発言に。みんな大爆笑した。
シルビアママがこの話のオチを全てを持っていってしまった……。でも二人と仲良くなれてとてもうれしい。
アンネさんとローゼさん。シルビアさんがいれば問題なく会話できるが、いなくなると間が持たない、そんな距離感の友人である。
ちなみに二人とも子爵家のご令嬢らしい、弟はいないみたいだ。俺は自然と彼女たちにはシスコン気味の弟がいると思い込んでいた。
そんな流れで自然と兄弟の話になった。
俺の場合は、兄(試作一号機)と姉(試作二号機)が実家にいると話しておいた。嘘はついていない。
ローゼさんは言った、俺が末っ子だから特別に親(俺)から愛されているのだと。地元を離れて魔法学院に入学させたのもそのためだと。
うん? 俺が実家を追い出されたのではないかと思っているのでは?
ローゼさんは末っ子らしいので、そういったことで両親と喧嘩をしたことがあったそうだ。今では仲直りしており両親との仲はいいらしい。
安心しなさい、親(俺)はそんなことしない。ロボさんの為にここにきている。それは忘れていないのだ。
それに、この身体は特別だ、この三号機で完全体である。
他の試作機とは別格の愛着はあるし一緒に過ごした時間も長い。
しかし、そうだな、たまには試作機達も見てみるか。倉庫に眠っている彼らのことに思いを巡らす。
彼らあってのこの身体である。
アンネさんは近いうち弟か妹が生まれると教えてくれた。それはおめでたい、両親は仲がいいのが一番だ。
アンネさんのご両親はぎりぎり20代であった。あれ? アンネさん今年16才だよね。
そのことを聞くとアンネさんは話してくれた。どうもアンネさんのご両親は若いころ、今でも若いが随分とやんちゃであったようだ。
そのため、貴族ではあったが家督を継いでいるわけでもなく、しかも未婚であったことでずいぶん苦労したそうだ。
幼いアンネさんは、いつも忙しく働く父親を見て不満であった、父親はほとんど家に居なかったらしい。
それに子供が自分一人だけだったので、両親はもしかしたら仲が悪いのではと思っていたそうだ。
アンネさんが15才になった頃、アンネさんのお父さんは祖父から家督が継がれ、貴族としての基盤も盤石になり家にいることが多くなったそうだ。
心配していた両親の不仲説も自分の勘違いであったとすぐに気づいたという。というか娘の前でもイチャイチャしているらしいのだ。
まるで、今までの時間を取り戻すかのようにそれはもう熱々だったという。
その翌年に、アンネさんは魔法学院に入学ということだった。
正直家にいるのが少し気まずかったのでいいタイミングだったとアンネさんは照れ笑いしていた。
そしてこの間の夏休みの帰省で妹か弟が出来たと知らされたのだった。
アンネさんの話が終わると、二人は今度は私に話を振ってきた。ついにきたか、シルビアさんとの件だ。
「アールさん、いったいどういうつもりですの?」
結構きつい表情をアンネさんとローゼさんはしていた。たしかにそうだ夏休み明けに学校に来たら友人が付き合ってると知らされたら驚くだろう。
しかも、おなじグループ内でならなおさらである。
シルビアさんをたぶらかしたと責められる、失恋中につけこんだのだのでは?
と思っていたが。実際はそうではなかった。
なぜ、カール氏は退学になってないのかについてどういうつもりなのか? と俺を攻めていたのだ。
ご令嬢を前にこの話をするのは、はばかられるが正直に話しておこう。もう友達なのだ。
カール氏には現場で罰を受けてもらった、だからそれ以上の罪は今後の彼の行動次第ということで免除となったと伝えた。
それでも不満そうだったので、現場での罰の詳細をアンネさんとローゼさんに話す。
二人はとても興味津々だった。まるで超大作映画を見るかのように前のめりで俺の前に座っていた。
順番に話す。カール氏がシルビアさんの16才の誕生祝いでデートをするといってきた。
ローゼさんはつぶやく「16才になったからデート? 馬鹿じゃない? 何様かしら? それにデートは毎週でしょう? 馬鹿なの? 死ねばいいのに」
おっと、ローゼさん、独り言がこちらに聞こえているよ。でもまあその通りだ、よかった彼女たちもカール氏に対しては思うことがあったみたいだ。
ただ、貴族として格上であったため何も言えなかったのだ。だからその気持ちはよくわかる。でも言葉にしてはいけないよ。おっと俺もぶつぶついうキャラ設定だった。
そうして話は、例のカール氏泥酔でシルビアさんのドレスを引き裂く強姦未遂事件に移る。
お二人は怒り心頭の様子だったが俺はここでスカッとするエピソードを話した。
俺はメイドに変装しておりシルビアさんを見ていた。そしてカール氏をしとめた得物の説明を二人にした。麻酔弾に限定したが、実弾を二人に見せた。
カール氏の三本目の足にそれが直撃したと言ったときには、彼女たちは両手で顔を隠していたが、手の隙間からニコニコしている表情は確認できた。
そういえばシルビアママも同じ反応をしていたっけ。とてもニコニコしていた。そうだな、ざまぁ展開、とくにこの手のダメ男のざまぁは格別な娯楽なのだろう。
それにカール氏に対する同情が一ミリもなかったことからお察しである。……カール氏よ、これから大変だな。
ざまぁ展開にアンネさんもローゼさんも大変満足だったようだ。
オチとしてシルビアママが言った「それでは無反応砲ですわね」発言に。みんな大爆笑した。
シルビアママがこの話のオチを全てを持っていってしまった……。でも二人と仲良くなれてとてもうれしい。
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