【完結】二度目の転生は一度目の転生で俺が作ったメイドロボットでしかも人妻だった件

神谷モロ

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第二章

第44話 授業にて

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 歴史の授業

 先程まで転校生で賑わっていた教室が静まり返るとスヴェンソン先生は授業を開始する。

 転校生が新しく加わったことで前半は一年生の復習で始まった、ざっくりとこの国の成り立ちを説明し、それを終えると。

「――というわけで、現在、我が国は長い間の異種族間の戦争が終わり、エルフ族の人権回復、ゴブリン族との友好関係に至りました。
 エルフ族は魔王が存在した時代には魔王軍に加担した陣営なのは皆さんご存じですね。
 勇者様に魔王が倒された後は長く奴隷のような生活だったとされます。

 皆さんは街でも良くエルフの方々を見かけることもありますね?
 彼らは今では自治区を設けられており森で生活する者。あるいは人と共に都市に暮らすもの様々です。
 自治区の一つとしてアールさんの出身地の魔法都市ミスリルが有名ですね。私は訪れたことはありませんが一度は行ってみたいと思います。

 さて、2年生の歴史の授業は、各種族について個別に学ぶことになります。まずは前半はエルフの歴史について。
 後半はゴブリンやその他の魔物についてですね。

 魔王討伐後の歴史において、エルフには大きく分けて2つの派閥があったとされますが。
 一つは魔王を支持し続けるもの。もう一つは人間に早くから溶け込み共に暮らしたものの二つです。

 皆さんもご存じだと思いますが。魔王支持派であったと思われる氷結の魔女の反乱が有名ですね。
 彼女は歴代の魔王軍幹部を務めたエルフの血族だったとされますが、親族を皆殺しにしたあとエルフの国で内乱を起こした後、消息不明になったとされます。
 なぜ、そうなったのか、そうせざるを得なかったのか考えながら、恐怖の存在だった氷結の魔女がどんな存在だったかを考えていきましょう」

「マダム・ヒストリー、質問いいですか?」

「あら、なにかしら、モガミさん、でもその言い方は照れちゃうから、先生と呼んでくださいね」

 そりゃそうだ、なにがマダムだよ。しかし先生もまんざらでもない顔して、ち、イケメンは何しても許されるのか。

「おっと失礼、では先生、氷結の魔女ってエルフですよね? エルフが氷の魔法を使ってたんですか?」

「いい質問ですね。そうです、エルフは本来なら氷の魔法は不得意なはずです。水と風の魔法を使うのが通常だといわれています。
 ですが、彼女の一族はどうやら氷の魔法を使えたようなのです。研究によれば風と水の二重魔法ではないかと推測はありますが定かではありませんね。
 我々も風の魔法の応用で水を氷に変えることはできますね。しかし氷の攻撃魔法を我々はまだ見たことがないのです」

 確かに、氷は風の魔法で作れる、気圧の変化を利用して冷却させる高等魔法だ、氷が作れるだけで貴族の屋敷で引く手あまただろう。氷菓子は高級品だ。

 しかし、氷で攻撃という発想はこの世界にはない。なぜなら氷をぶつけるなら、石でも投げた方が早いからだ。

 空間ごと、急速冷却させれば効果はあるだろうけど。生き物はだいたいは寒さに耐性がある。相手が凍るのを待ってる間に反撃されるだろう。

 つまり氷結の魔女は、やばいくらいの氷の魔法が使えるということだ。一瞬で相手が凍り付くというのは人のレベルを超えているだろう。 


「へぇ、そうなんですね。ありがとうございました。……そうか、あれの部下にそういうやつがいたっけ、なるほど魔王ね」

「モガミさん、なにか気になることでも?」

「いいえ、なるほど僕も氷結の魔女に興味が湧いてきました」

 いちいち、引っかかる言い方だ、だが氷結の魔女ね。現魔王の奥さんだったって言ったらみんなびっくりするだろう。

(そうですね。彼女の冷凍庫はとても高性能でした。お肉や野菜の長期保存が可能でしたのでとても便利でしたよ)

 うむ、氷の魔法は便利な魔法なんだよ。攻撃だなんてとんでもない。


「せんせー、私も氷結されたいですー」

 周りが笑いに包まれる。デュラハンよ無理にキャラを立てなくてもいいのだぞ。


 魔法学の授業。魔法の発動から、詠唱省略までを学ぶ学科である。

「魔法か、初めての授業でわくわくするね」

 ユーギめ、すっかりクラスに溶け込んでいる。こういうやつはコミュニケーション能力が高いのですぐに友達ができるのだ。

 前世でもこういうやつはいた。うらやましい限りだ。

 さて、この授業はバンデル先生が担当だった。突然の退職で今までは人員調整ができずに各学科の先生が持ち回りで担当していたが、今日、正式な後任の先生が赴任ということだ。

「今日から、魔法学科の担当となるアンドレ・ベルナドットだ、皆よろしく」

「お兄様!」

 シルビアさんが、驚いて席をたった。

 どうやらシルビアさんのお兄さんのようだ。

「シルビアか、そういえばこのクラスだったな、安心するがいい。決して贔屓はしないからな、むしろ厳しくいくぞ。それに……」

 げ、俺を睨んでいる。どうやらお兄様には俺たちの関係は認められていないようだ。

 まあ、家族の問題でもあるし。とはいえこの手の問題は急に良くなるわけでもない。時間だ、時間の問題だろう。

「はいはい! 先生! 先生は今年から入ったと聞いています。以前はどちらにいらしたんですか?」

 またユーギだ、しかし今回はお前に感謝だ。なんでも気後れせずに質問するこいつに感謝だな。

「私は、以前は国の機関で研究職をしていた。機密故に何がとはいえないな。そういえば君も今年から編入だったな。
 では、今日は一年で学んだことの復習からはじめようか。私も皆の学習レベルを知りたいしな」

 そこで俺を睨まないでくれ。先生に嫌われるのは最悪だぞ。まあ理不尽ないじめでもないし。誠実に対応しよう。それにつきる。

「せんせー私も編入生ですー」

 周りが笑いに包まれる、先生の鋭い視線がデュラハンに向くと何ともいえない緩んだ表情になった。今回は君に感謝だ。
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