【完結】二度目の転生は一度目の転生で俺が作ったメイドロボットでしかも人妻だった件

神谷モロ

文字の大きさ
45 / 109
第二章

第45話 デュラハン校則違反をする

しおりを挟む
 デュラハンが校則違反をした。
 さすがに先生方も配慮しきれないのだ。今までの格好もアウトといえばそうなのだが……。

 だが、さすがに今回のは無い。

 まるで男性用の映像作品でのみ登場しそうな、ビキニ制服に改造してしまったのだ。

 理由は分かる。熱だろう。そろそろ夏だし。

 彼女には冷却装置がない、完全に失念していた。

 俺は彼女に、というか彼女のボディは冷却装置を組み込む余地はないから、ディーに冷却装置をとりつけ、ひんやり抱き枕のようにしたが、時すでに時間切れだった。


 しかし、だれが考えた! 最低限、隠すところを隠せばいいというものでもない。

 それにこのデザインは例のビデオにしか登場しないぞ、完全にアウトだ、彼女の頭はどうなっている。

 ……は! そうだった彼女には俺の記憶の一部が入っているのだ。これ以上は何も言うまい。

 それにしても、もうすぐ夏休みだというのにまったくなんてことを。

 まだ数か月しか経ってないのに制服の買いなおしをするはめになるなんて。


 いつもの服飾店で買い物……。カール氏の実家が経営している高級ブティックである。

 ちなみに、俺はサンタドレスのデザインを売却したので結構、懐事情があたたかい。

 完全にパクリなので胸がいたいが異世界の知識なので関係ない。

 それに、年一回のイベント用の服なのだ、この世界に影響はないだろう。

 年末が楽しみだ。これで謎の勇者カラーが赤によって駆逐されてくれるとありがたい。

 …………。

「はい、これ、福引券ね、あちらに抽選会場があるから挑戦してみてね、当たりはなんと温泉宿に二名様ご招待よ!」

 む? この文化、随分と日本っぽい。俺はカール氏にこんなこと話したっけ。……思い出せないが話したような気もする。

 そういえばカール氏の実家は新しく温泉宿の事業を立ち上げたようだ。そういえば温泉についてカール氏に話したことがあったっけ。まさかこれがそれだと?

 なるほど。カール氏は戦闘はそこそこだが実業家としての才能はありそうだ。これはもう廃嫡の件は許されるだろうな。本人も反省しているし。

 シルビアさんも許したようだし。あとはローゼさんとの関係も徐々に良くなっていけばいいだろう。

 ……さてと、ここが抽選会場か。お店の片隅に、お! 見覚えのあるガラガラがあった。ああ、間違いなく俺が話したんだろう。

 しかし、カール氏も俺の与太話を聞き分けて、いけそうなのは実用化してしまうフットワークの軽さは半端じゃないな。

 彼は案外、大物になるかもしれない。

 ガラガラを回すと、色付きの玉が出てきた。

「おめでとうございます。温泉旅行二名様ご招待!」

 やった。温泉チケットゲットだ。シルビアさんと一緒に夏休みに行ってみるか。

「あ、僕も大当たりだ、温泉チケットだね、ローゼちゃんでも誘おっかな」

 ユーギ・モガミ! なぜ、やつがここに、しかも女子用の制服を買っているだと? こいつそういう趣味でもあるのか。

「ああ、これ? 僕は何を着ても似合うからね、困ったもんだよ、僕の美貌には、まさしく神が創りしなんとやらだ」

 相変わらずナルシストなやろうで嫌な感じだ。



 というわけで、ユーギはローゼさんを誘う。ローゼさんは俺とシルビアさんも一緒だというので誘いに乗ったそうだ。

 これはカール氏は気が気でないだろう。案の定、俺達に同行してきた。ハンス君を誘って。おい、そこで友達を巻き込むなよ。

 まあ、御曹司である彼もペアチケットを持っていたのであるが、なるほどローゼさんを誘おうとしてたのだな。それで先を越されてしまってのハンス君か。

 この二人はいったいどうなってしまうのか……。 
 
 それはそれとして、……温泉か、異世界の温泉はどんなものか、じつに興味がある。ベタなイベントだがぜひ体験したいものだ。


 夏休みになった。

 俺、シルビアさん、ローゼさん、ユーギ、カール氏、ハンス君の6名はさっそく温泉宿に向かった。

 ちなみに、アンネさんとドルフ君は実家と親戚に挨拶に行っている。新しいご当主候補としての地盤固めもあるのだろう。

 それに、無事に弟が生まれたそうなので。ぜひともドルフ君に見せたいというのもあるのだろう。子育ての経験もしておきたいとアンネさんは言っていた。

 いいじゃないか、こちらは順風満帆だ。

 問題はローゼさんとカール氏の何とも言えない距離感、時間の問題かと思ってたけど。強力で強烈なインパクトのライバル出現である。

 道中、馬車の中で彼らはことあるごとに口喧嘩を始める。ユーギがことあるごとにローゼさんにちょっかいをかけているのだ。

 シルビアさんにも多少はあるにはあるがローゼさんに対しては露骨すぎる。

 カール氏はなぜローゼさんに付きまとうのかと聞くと。

「黒髪で素敵じゃないか。僕と同じ黒髪、それに魔力もいい感じだ。闇を感じてとてもいい。
 それに彼女はまだフリーだろ? 君が勝手に彼氏面をしているだけで、ぶふっ」 

 露骨に煽られたカール氏は真っ赤になり口喧嘩を再開させるのだ。

「あ、近づいてきたね、湯煙が見えるよ。それに独特の臭いもする」

 ハンス君は話題をそらす。彼は自然とそういう立ち回りになっているが、実際周りをよく見ている。
 
 魔法使いというよりはレンジャーに近い素質を持っているのだろう。それに空気を読めるいい男だ。

 カール氏には彼みたいな友達がいて本当によかったと思う。最初は男色なのかと思ったがそうでもないらしい。

 単純に好みのタイプがいないという理由だった。ハンス君はどういう感じの女子が好きなんだろうか。 今度聞いてみようか。

 そう思いながら。温泉街に到着した。


 チェックインを済ませる、部屋に荷物を置くと、やることは一つだ。さっそく温泉といこうじゃないか。


 ……見せてもらおうか、この宿自慢の露天風呂の実力とやらを……。




「シルビア、その……綺麗だ……」

「アールだって……その、勇者様って男の人だったんだよね。私、男の人に見られるのは初めてで……なんだか変な気分……」

 お互いに服を脱ぐと照れくさい感じになる。でも、距離はもっと縮まる。二人は自然と肌と肌が触れ合いそうな距離に近づいていく。



「ちょっと! 二人とも……私もいるんだけど……」

 おっと、ローゼさんもいるのだ、あんましそういう雰囲気にはしないほうがいい。

 温泉は、日本の古典的な旅館というわけではないが、露天風呂という形式は世界が違っても似たような作りになるものだな。

 まあ人が使うのだから基本的な形は似てくるのだろう。

 温泉の作法も同じだ、先に身体を洗ってから湯船につかる。清潔な文化があるということは成熟した文明のあかしだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

処理中です...