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第二章
第48話 キャンプイベント始まる
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夏休みが終わる。
俺はシルビアさんの邸宅におじゃましたり、図書館の地位向上のために尽力したりした。別に強制的ではないが。
本をおろそかにする最近の若者に一石を投じる必要があるだろう。本を読まない魔法使いはやはりだめだ。
それに本は魔法だけではない。面白い小説もある。だが、その面白い小説も今では演劇の原作というだけのポジションで不遇だ。本を読めよ若者よ。とアピールしたが……結局は成果がない。
ユーギは歴史が好きらしくよく利用するが。あいつは転校生だ。俺の活動の成果には入らない。
図書館をまじめに利用するのはローゼさんくらいだ。
自身の出自と向き合ってネクロマンサーとして成長することを選んだのだろう。応援する。それに血の継承者としての彼女の才能は本物だ。
美少女のネクロマンサーも素敵じゃないか。あとはこの世界のネクロマンサーに対する価値観を変える必要はあるかもしれないが。
それもユーギ・モガミという幼稚な神が創った世界だから、まあ何とかなるだろう。
あれはいい加減だから。だから、ローゼさんはそんなのに振り回されずに出来ることを伸ばせばいいのだ。つまずいても俺は応援する。それにカール氏だってそうだ。あいつもきっと不器用なだけなんだ。
今のところ、カール氏の好感度ポイントは絶望的だ。お風呂を覗いたとか最低な行為をしてしまったからな。うーん、彼は実力はあるが運がない、いつの間にか俺は彼に感情移入してしまっている。
しかし、この図書館、人が来ないのをいいことに別の目的で来るやつがいる。図書館にある会議室を利用するのも彼らだけだ。
「おや、アンネさんにドルフ君。またですか、勉強がはかどりますわね」
アンネさんとドルフ君はたまに勉強会と称し出没するが、あれは勉強をしていない。二人で会議室を貸切るとか、もうバレバレじゃないか。
「おやおや、あつあつですなー、勇者君としてはあとどれくらいだと予想しますかな?」
「ユーギ! いつの間に、……あとどれくらいって? そんなのわかるか、それは今かもしれないし、例え今だとしても俺たちはバックアップする。俺はオムツを送るし、妊婦用の制服も準備している。ご両親は積極的だ。
コウノトリ次第だろうよ。学園にも根回しはする。ってユーギお前は何を考えている?」
「いやー、いい時代になったと思ってね、その辺は僕がいない間に進歩したのかな? それとも君がそうしたんだろうか。まあ、いいんじゃないかな? 僕も応援するよ、あははは」
たしかにな、だが、俺たちは貸し切りの会議室で実際には何をしているのかは知らない。まじめに勉強しているだけかもしれないのだ。事実ドルフ君の成績は下がっていない、Aクラスでも真ん中あたりをキープしている……俺たちの会話はあくまで妄想だ、そっちの方が面白いし。
それに、覗くのも失礼だしな。結果を待つのみだ。我々はすでに想定しているのだから。
しかしユーギか、てっきりちょっかい出すかと思ったら。相手が決まってる人には手を出さないのは割と常識があるのかも。
夏休みが終わると大きなイベントがある。
キャンプ実習だ。
二年生は一年生と比べて規模が格段に大きくなる。9人編成で一週間から二週間ほど各々の班で計画を立てて自由に旅をするというものだ。
シルビア、ローゼ、アンネ、ドルフ、ハンス、カール、ユーギ、デュラハン、で俺の9人だ。三人の班を三組で編成した小規模な隊としての行動を学ぶためである。
「いやーキャンプだね、ローゼちゃん、僕と同じテントで朝まで生討論といこうじゃないか、ちなみに僕はタハラさんポジションでぐいぐい責めてあげるよ」
「ひっ! いやよ、それにあなた女の子でしょ、私をどうするつもりよ、それにタハラさんってだれですか!」
「あはは、その反応、もっといじめたくなっちゃうな」
「おい、セクハラはやめろよ、生ってなんだよ」
「おや、思春期男子はその単語でいろいろ妄想しちゃったかい? 残念、健全な女子トークをしようと思ってたんだよ。
テントは三人用だっけ、なら、シルビアちゃんもどうだい? 温泉ではそれはそれは素晴らしいメロンを二つ発見してしまったからね。普段は下着で抑えてるのかな? それは発育によくないと思うなぁ」
男性陣の目線がシルビアに向く。確かに大きかった。いや、今はそういう事じゃない。ユーギとシルビアを同じテントに一晩過ごさせるわけにはいかない。
「俺と、お前とデュラハンで一つの班だ! いいな!」
「えー、ま、いいよ、カップルが同じテントだなんて、そんなうらやまけしからん状況を邪魔することはできた、にやり」
ち、そういうことか、まあ都合がいい、こいつの目的がよくわからない以上離れるのは得策じゃない。
馬車と数頭の馬で移動する。長期間の遠征を想定した訓練だ。馬に乗れるものは積極的に馬での行動を推奨される。もちろん無理のないレベルで。
「おまえ、なんで馬に乗れるんだよ」
「あはは、僕は草原の国に住んでたこともあるからね。そこで巫女さんをやってたんだ。巫女さんってのは女性でも地位が高くてね。
転生したときは、また女かと思ってたけど結構楽しく暮らしたよ。男尊女卑の時代でも他に比べれば結構優遇された扱いだったし。
実際、僕には神の言葉を王族や庶民に授けることができた。巫女ってのは本当だしね。というか僕は本当に神だし。
しかし、君たちは馬に乗れないのかい? だめだなぁ」
「の、乗れます。でもこんな荒れた道は初めてで、それに長時間は無理よ」
貴族は馬に乗れる。まあ幼少期の教育のたまものであるが、それはあくまで自分の邸宅の敷地内での話で、移動の為ではない。
「だらしないなぁ。あのころは皆、それこそ小さな子供でも乗れたよ。テムジン君なんかはそれはもう大人顔負けで、こんな小さなころから乗りこなしてたよ。
彼は元気にしてるかなぁ。まあきっと元気に世界を駆けまわってるだろうね」
「ユーギ君、たまに遠い顔をして変なこといいますよね。故郷がなつかしいのかしら」
ユーギ・モガミは遠方の国出身という設定だ。いや実際そうなのだろうか。5000年ほど地球にいたという話だし。俺は5000年後の地球の話を聞いたけど。
今の地球は5000年後ではないそうだ。この世界とは時間軸が違うのだという。ユーギは地球でタイムリープを繰り返し。色々スタディしたそうだ。
俺の知ってる歴史の偉人なんかは案外こいつだったりしたのかも。まあ地球の話は懐かしくなってしまうのであまり聞かないことにした。
「そうだ、テムジン君で思い出したけど、夜は皆で集まってボードゲームでもやろうじゃないか、これもキャンプの醍醐味だ。
焚火を囲んでさ、みんなでどうやったらお城を効率よく落とせるかを競う、攻城戦ゲームが僕のおすすめなんだよ、テムジン君もそれは食い入るようにプレイした傑作なのだ。
皇帝時代に時間を持て余した僕が開発した傑作ボードゲーム。ぜひ皆さんの感想を聞かせておくれよ」
馬車の荷物の中からユーギのカバンを開けると、世界地図のようなものがあった、これは地球?
正確には中国の地図だ、洛陽に長安とか書いてある。他には馬や兵士をかたどった駒がたくさん入っている。
なんだよ、三国志のパクリじゃないか。でも懐かしいな。中国大陸の覇権をめぐる歴史ロマンだ。
ユーギめ、ナイスだ。地球のゲームは懐かしいからこれは楽しみだ。
俺はシルビアさんの邸宅におじゃましたり、図書館の地位向上のために尽力したりした。別に強制的ではないが。
本をおろそかにする最近の若者に一石を投じる必要があるだろう。本を読まない魔法使いはやはりだめだ。
それに本は魔法だけではない。面白い小説もある。だが、その面白い小説も今では演劇の原作というだけのポジションで不遇だ。本を読めよ若者よ。とアピールしたが……結局は成果がない。
ユーギは歴史が好きらしくよく利用するが。あいつは転校生だ。俺の活動の成果には入らない。
図書館をまじめに利用するのはローゼさんくらいだ。
自身の出自と向き合ってネクロマンサーとして成長することを選んだのだろう。応援する。それに血の継承者としての彼女の才能は本物だ。
美少女のネクロマンサーも素敵じゃないか。あとはこの世界のネクロマンサーに対する価値観を変える必要はあるかもしれないが。
それもユーギ・モガミという幼稚な神が創った世界だから、まあ何とかなるだろう。
あれはいい加減だから。だから、ローゼさんはそんなのに振り回されずに出来ることを伸ばせばいいのだ。つまずいても俺は応援する。それにカール氏だってそうだ。あいつもきっと不器用なだけなんだ。
今のところ、カール氏の好感度ポイントは絶望的だ。お風呂を覗いたとか最低な行為をしてしまったからな。うーん、彼は実力はあるが運がない、いつの間にか俺は彼に感情移入してしまっている。
しかし、この図書館、人が来ないのをいいことに別の目的で来るやつがいる。図書館にある会議室を利用するのも彼らだけだ。
「おや、アンネさんにドルフ君。またですか、勉強がはかどりますわね」
アンネさんとドルフ君はたまに勉強会と称し出没するが、あれは勉強をしていない。二人で会議室を貸切るとか、もうバレバレじゃないか。
「おやおや、あつあつですなー、勇者君としてはあとどれくらいだと予想しますかな?」
「ユーギ! いつの間に、……あとどれくらいって? そんなのわかるか、それは今かもしれないし、例え今だとしても俺たちはバックアップする。俺はオムツを送るし、妊婦用の制服も準備している。ご両親は積極的だ。
コウノトリ次第だろうよ。学園にも根回しはする。ってユーギお前は何を考えている?」
「いやー、いい時代になったと思ってね、その辺は僕がいない間に進歩したのかな? それとも君がそうしたんだろうか。まあ、いいんじゃないかな? 僕も応援するよ、あははは」
たしかにな、だが、俺たちは貸し切りの会議室で実際には何をしているのかは知らない。まじめに勉強しているだけかもしれないのだ。事実ドルフ君の成績は下がっていない、Aクラスでも真ん中あたりをキープしている……俺たちの会話はあくまで妄想だ、そっちの方が面白いし。
それに、覗くのも失礼だしな。結果を待つのみだ。我々はすでに想定しているのだから。
しかしユーギか、てっきりちょっかい出すかと思ったら。相手が決まってる人には手を出さないのは割と常識があるのかも。
夏休みが終わると大きなイベントがある。
キャンプ実習だ。
二年生は一年生と比べて規模が格段に大きくなる。9人編成で一週間から二週間ほど各々の班で計画を立てて自由に旅をするというものだ。
シルビア、ローゼ、アンネ、ドルフ、ハンス、カール、ユーギ、デュラハン、で俺の9人だ。三人の班を三組で編成した小規模な隊としての行動を学ぶためである。
「いやーキャンプだね、ローゼちゃん、僕と同じテントで朝まで生討論といこうじゃないか、ちなみに僕はタハラさんポジションでぐいぐい責めてあげるよ」
「ひっ! いやよ、それにあなた女の子でしょ、私をどうするつもりよ、それにタハラさんってだれですか!」
「あはは、その反応、もっといじめたくなっちゃうな」
「おい、セクハラはやめろよ、生ってなんだよ」
「おや、思春期男子はその単語でいろいろ妄想しちゃったかい? 残念、健全な女子トークをしようと思ってたんだよ。
テントは三人用だっけ、なら、シルビアちゃんもどうだい? 温泉ではそれはそれは素晴らしいメロンを二つ発見してしまったからね。普段は下着で抑えてるのかな? それは発育によくないと思うなぁ」
男性陣の目線がシルビアに向く。確かに大きかった。いや、今はそういう事じゃない。ユーギとシルビアを同じテントに一晩過ごさせるわけにはいかない。
「俺と、お前とデュラハンで一つの班だ! いいな!」
「えー、ま、いいよ、カップルが同じテントだなんて、そんなうらやまけしからん状況を邪魔することはできた、にやり」
ち、そういうことか、まあ都合がいい、こいつの目的がよくわからない以上離れるのは得策じゃない。
馬車と数頭の馬で移動する。長期間の遠征を想定した訓練だ。馬に乗れるものは積極的に馬での行動を推奨される。もちろん無理のないレベルで。
「おまえ、なんで馬に乗れるんだよ」
「あはは、僕は草原の国に住んでたこともあるからね。そこで巫女さんをやってたんだ。巫女さんってのは女性でも地位が高くてね。
転生したときは、また女かと思ってたけど結構楽しく暮らしたよ。男尊女卑の時代でも他に比べれば結構優遇された扱いだったし。
実際、僕には神の言葉を王族や庶民に授けることができた。巫女ってのは本当だしね。というか僕は本当に神だし。
しかし、君たちは馬に乗れないのかい? だめだなぁ」
「の、乗れます。でもこんな荒れた道は初めてで、それに長時間は無理よ」
貴族は馬に乗れる。まあ幼少期の教育のたまものであるが、それはあくまで自分の邸宅の敷地内での話で、移動の為ではない。
「だらしないなぁ。あのころは皆、それこそ小さな子供でも乗れたよ。テムジン君なんかはそれはもう大人顔負けで、こんな小さなころから乗りこなしてたよ。
彼は元気にしてるかなぁ。まあきっと元気に世界を駆けまわってるだろうね」
「ユーギ君、たまに遠い顔をして変なこといいますよね。故郷がなつかしいのかしら」
ユーギ・モガミは遠方の国出身という設定だ。いや実際そうなのだろうか。5000年ほど地球にいたという話だし。俺は5000年後の地球の話を聞いたけど。
今の地球は5000年後ではないそうだ。この世界とは時間軸が違うのだという。ユーギは地球でタイムリープを繰り返し。色々スタディしたそうだ。
俺の知ってる歴史の偉人なんかは案外こいつだったりしたのかも。まあ地球の話は懐かしくなってしまうのであまり聞かないことにした。
「そうだ、テムジン君で思い出したけど、夜は皆で集まってボードゲームでもやろうじゃないか、これもキャンプの醍醐味だ。
焚火を囲んでさ、みんなでどうやったらお城を効率よく落とせるかを競う、攻城戦ゲームが僕のおすすめなんだよ、テムジン君もそれは食い入るようにプレイした傑作なのだ。
皇帝時代に時間を持て余した僕が開発した傑作ボードゲーム。ぜひ皆さんの感想を聞かせておくれよ」
馬車の荷物の中からユーギのカバンを開けると、世界地図のようなものがあった、これは地球?
正確には中国の地図だ、洛陽に長安とか書いてある。他には馬や兵士をかたどった駒がたくさん入っている。
なんだよ、三国志のパクリじゃないか。でも懐かしいな。中国大陸の覇権をめぐる歴史ロマンだ。
ユーギめ、ナイスだ。地球のゲームは懐かしいからこれは楽しみだ。
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