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第二章
第77話 ダンジョン探索
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ダンジョンの最下層
ここは少し前に崩落事故を起こしており。フロアの底が抜けて大きな穴が開いていた。
幸いにも死傷者は一人も出ていない。このダンジョンにはリッチとワンド以外は誰も済んでいないのだ。
このダンジョンの基礎を作ったのは魔王本人であるが、作るのが目的であったため。これを活用しようとは思っていない。
だから、部外者を排除する目的でもなく魔王城の下にあるただの地下室であるという認識が正しい。
「あ、リッチさん、調子はどうですか?」
「うむ、瓦礫の除去は大体終わったのだがな、どうにもこの下に何か大きな空間というか、別のダンジョンのようなものがあるみたいなんだ」
崩落した箇所には大きな穴が空いている。かなり深いし、横にも広がっている。まるで大きなフロアの天井に穴を空けて上から覗いてる様な感覚だった。
「リッチさんの魔法でも分からないんですか?」
「それだがな、この空間全体に魔法防御が施されているようでな、これ以上の探知ができないんだ」
「そうですか、異世界さんいい方法はないでしょうか?」
俺はデュラハンの首を引っこ抜き、音響センサーをつけると、ロープで穴の中におろす。
「ぎゅお! ぶー、マスター、最近扱いが雑になってないですかー?」
「うっ、別にそういうわけではないぞ? お前は頼りになるからな、つい頼ってしまうのさ、ははは」
「ぶーぶー、やっぱり扱いが雑ですー」
文句は言うが仕事はする。まあ、文句を言うのがそもそも仕組みとしておかしいが、俺としては人工知能に宿った自我は微笑ましく思う。
デュラハンは、ポーンと音叉のような音を発して状況を確認する。
「さてと、で、デュラハンよ、結果はどうだい?」
「うーん、大きなフロアのようですー、倉庫のような構造で、所々に機械のようなものがありますー。生命体の反応はないみたいですー」
「やはりな、旧人類の遺跡がここにあったようだ……」
「なに! 勇者殿それは本当ですか?」
俺のあてずっぽうな発言にリッチは興味津々で返事をする。
「いや、多分そうなんじゃないかなと思っただけなんだが……。それに顔が近い、まだ君の顔が怖いのだ。失礼……まあ降りてみよう。だれもいないみたいだし」
「あらあら、勇者は随分と臆病なのですね、私が墓から出てきたときの取り乱しようといったら……。
ふふ、うふふふ」
いや、あれは本当に怖かった。ジャパニーズホラー殿堂入りの迫力があった。あれは誰でも怖いと思うぞと反論しようと思ったがフリージアは俺には目もくれず魔王と何やら打ち合わせを始めていた。
「――ということでどうでしょうか。この謎の空間も魔王様が支配してしまえば今後の為にもなるかと」
「分かりました。それではダンジョン創造でここに階段を作りますので少し離れてください」
魔王のスキルによって、謎のフロア全体に階段が降りる。フロア全体が魔王のダンジョンの支配領域に入った。
魔王はダンジョン内でしか活動できないが、他の領域を支配することで活動空間を増やしていく、最初は何もない洞窟と狭いテント生活だったのを懐かしく思う。
「じゃあ、行きましょうか」
俺と魔王、リッチにフリージアの四人と、デュラハンとシルビーのメカコンビは謎のフロアを探索する。
「ヘイ、シルビー、正直に吐きやがれですー」
『すみません、よくわかりません』
「とぼけるなですー、そんなレトロな人工知能ぶってもわかってるですー、ここはお前たちの秘密基地だということくらいお見通しなんだわかしらー』
お、デュラハン、そのワンドさんのいまいち安定しない謎の口調をパクるとは、学習能力は健在だな。
『はい、お答えします。といいたいところですが私も知りません。ここは秘密基地でしょうか。
ですが、どちらかといえば博物館といったほうが相応しいと思いますよ? ほら、さしずめ戦争歴史館といったところでしょうか』
「むう、ライトの魔法が効かないな、ここまで魔法防御がすごいと魔法使いは無力になるな、さすが魔法機械文明といったところか、余程の重要施設だったようだ。ランタンのような光源をもってくるべきだったか……」
この空間は魔法の発動ができない、いや、出来ないわけではないか。そうでなければ俺やデュラハン、あるいは魔法によって不死になっているであろうリッチも存在できないことになる。
攻撃魔法などの空間に放出する魔力の伝達率が極体に抑えられているのだろう、言い換えれば体内に存在する魔力は影響がないということだ。
つまりは、魔法使いがここでは平和に過ごせる空間ということである。なるほどな、高度な文明だったのだろう。
ここは少し前に崩落事故を起こしており。フロアの底が抜けて大きな穴が開いていた。
幸いにも死傷者は一人も出ていない。このダンジョンにはリッチとワンド以外は誰も済んでいないのだ。
このダンジョンの基礎を作ったのは魔王本人であるが、作るのが目的であったため。これを活用しようとは思っていない。
だから、部外者を排除する目的でもなく魔王城の下にあるただの地下室であるという認識が正しい。
「あ、リッチさん、調子はどうですか?」
「うむ、瓦礫の除去は大体終わったのだがな、どうにもこの下に何か大きな空間というか、別のダンジョンのようなものがあるみたいなんだ」
崩落した箇所には大きな穴が空いている。かなり深いし、横にも広がっている。まるで大きなフロアの天井に穴を空けて上から覗いてる様な感覚だった。
「リッチさんの魔法でも分からないんですか?」
「それだがな、この空間全体に魔法防御が施されているようでな、これ以上の探知ができないんだ」
「そうですか、異世界さんいい方法はないでしょうか?」
俺はデュラハンの首を引っこ抜き、音響センサーをつけると、ロープで穴の中におろす。
「ぎゅお! ぶー、マスター、最近扱いが雑になってないですかー?」
「うっ、別にそういうわけではないぞ? お前は頼りになるからな、つい頼ってしまうのさ、ははは」
「ぶーぶー、やっぱり扱いが雑ですー」
文句は言うが仕事はする。まあ、文句を言うのがそもそも仕組みとしておかしいが、俺としては人工知能に宿った自我は微笑ましく思う。
デュラハンは、ポーンと音叉のような音を発して状況を確認する。
「さてと、で、デュラハンよ、結果はどうだい?」
「うーん、大きなフロアのようですー、倉庫のような構造で、所々に機械のようなものがありますー。生命体の反応はないみたいですー」
「やはりな、旧人類の遺跡がここにあったようだ……」
「なに! 勇者殿それは本当ですか?」
俺のあてずっぽうな発言にリッチは興味津々で返事をする。
「いや、多分そうなんじゃないかなと思っただけなんだが……。それに顔が近い、まだ君の顔が怖いのだ。失礼……まあ降りてみよう。だれもいないみたいだし」
「あらあら、勇者は随分と臆病なのですね、私が墓から出てきたときの取り乱しようといったら……。
ふふ、うふふふ」
いや、あれは本当に怖かった。ジャパニーズホラー殿堂入りの迫力があった。あれは誰でも怖いと思うぞと反論しようと思ったがフリージアは俺には目もくれず魔王と何やら打ち合わせを始めていた。
「――ということでどうでしょうか。この謎の空間も魔王様が支配してしまえば今後の為にもなるかと」
「分かりました。それではダンジョン創造でここに階段を作りますので少し離れてください」
魔王のスキルによって、謎のフロア全体に階段が降りる。フロア全体が魔王のダンジョンの支配領域に入った。
魔王はダンジョン内でしか活動できないが、他の領域を支配することで活動空間を増やしていく、最初は何もない洞窟と狭いテント生活だったのを懐かしく思う。
「じゃあ、行きましょうか」
俺と魔王、リッチにフリージアの四人と、デュラハンとシルビーのメカコンビは謎のフロアを探索する。
「ヘイ、シルビー、正直に吐きやがれですー」
『すみません、よくわかりません』
「とぼけるなですー、そんなレトロな人工知能ぶってもわかってるですー、ここはお前たちの秘密基地だということくらいお見通しなんだわかしらー』
お、デュラハン、そのワンドさんのいまいち安定しない謎の口調をパクるとは、学習能力は健在だな。
『はい、お答えします。といいたいところですが私も知りません。ここは秘密基地でしょうか。
ですが、どちらかといえば博物館といったほうが相応しいと思いますよ? ほら、さしずめ戦争歴史館といったところでしょうか』
「むう、ライトの魔法が効かないな、ここまで魔法防御がすごいと魔法使いは無力になるな、さすが魔法機械文明といったところか、余程の重要施設だったようだ。ランタンのような光源をもってくるべきだったか……」
この空間は魔法の発動ができない、いや、出来ないわけではないか。そうでなければ俺やデュラハン、あるいは魔法によって不死になっているであろうリッチも存在できないことになる。
攻撃魔法などの空間に放出する魔力の伝達率が極体に抑えられているのだろう、言い換えれば体内に存在する魔力は影響がないということだ。
つまりは、魔法使いがここでは平和に過ごせる空間ということである。なるほどな、高度な文明だったのだろう。
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