転生オトメ恋世界

二章

46 恋の為に

「カヤー？起きてるー？ねぇってば」

「、、、あ、はい！何でしょうか？クレナ様」

「何って、、、カヤがボーッとしてたから声かけたんだけど。昨日からそんな感じだし、、、あんまり詮索はしたくないけどさ、エーデルトラウト王子殿下と何かあったの？」

　ここは女子寮の食堂。
　二人席のテーブルに食事を運び、いつも通り対面に座られるクレナ様が心配そうに私に声を掛けたのでした。

「、、、ご心配をお掛けして申し訳ありません。ですがトラブルがあったわけではありません。ただ、、、」

　エーデルトラウト様の過去を知り、その身に起きた悲劇に同情の念を抱いてしまったのです。ですが起きてしまった事を今更無かった事になんて出来ません。

「、、、、、、？」

　ですからそれを口にする事は虚しいだけでしょう。

「ーーーーーとても楽しくて、少々疲れが残ってしまったみたいです」

　リアーナでの一件に、ヴェンデル様との決闘、そしてエーデルトラウト様の過去。
　世間知らずなままでは人の悪意を見抜けません。そして大切な方々を守れないのでしょう。

　、、、困りましたね。やっと悲願を叶えられそうですのに、このままでは幸せな未来ハッピーエンドは期待できませんーーーーーなんて、元より幸せは掴み取るものでしょう！こんな事で挫けていては恋の一つも叶いません！

　それに、恋愛に恋敵しれんはつきものです。