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008 7月23日 夕方、塾へ
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天気予報は微妙だがほぼ当たった。気圧は不安定。朝は青空だったが、お昼過ぎになると黒い雲が空に広がり突然バケツをひっくり返した様に雨が降った。
「危機一髪。あと少し遅かったらずぶ濡れだね」
雨は夕方だって言っていたのに。早く降る事になるとは。
私は自宅のダイニングで少し遅い昼食を取る。
私の前には卵とわかめが入ったお味噌汁と焼きおにぎり、そしてプリンが並んでいた。
近所の商店街にある洋菓子店で売っているプリンはふんわりしていて美味しい。しかし限定品なので手に入りにくい。たまたま雨に降られる前に通りがかった商店街でラスト一個を入手する事が出来た。良かった。
少しずつ咀嚼して食事をする。出来るだけゆっくり。
右膝の故障と怜央との別れが重なり、食欲旺盛とはいかなくなった。しかし食べる事は出来る。比較的強くて健康な身体で良かったと思う。
食事の量はぐっと減ったけれども不健康にならない程度の食事はしているつもりだ。運動を辞めると一気に太ると覚悟していたのに。食事の量が減ったので太る事もなく、むしろ少し痩せたと思う。筋力が落ちたのだろう。
問題が一つあって、味が分からなくなった。甘い、しょっぱい、等々とにかく味覚が少し麻痺した様な感じがする。先日、紗理奈と一緒に食べたハンバーガーとポテトも味がしなかった。まずいという事はないけれども。美味しいと感じる事もない。
せめてプリンならと思って今日買ってみたのだが──
「味がしないや」
家族や病院の先生には右膝を故障して以来、味覚を感じなくなったと伝えているが実は違う。
怜央との事を悩み始めてから、段々と味が分からなくなった。多分、精神的なものだと思う。
「でも。食べる事は出来ているしね」
病院の先生は心のケアも必要だと言っていた。良かったら先生を紹介するとも。このままならば考えた方がいいかもしれない。
「本当は分かっているんだけどね」
誰もいない家で呟く。お父さんとお母さんも仕事だから不在だ。どんな独り言を言っても気にしなくていい。
怜央への想いに区切りがつけば、そして私が変わる事が出来たら。味覚がないのも解決する様な気がする。まだその出口は見えない。
「プリンの味……どんな味だったかなぁ」
段々思い出せなくなる事が悲しくなる。奪うなら怜央を想う心を奪って欲しい。
私はそれから少し落ち着いた雨音を聞きながらリビングで仮眠を取り、改めて制服のまま紗理奈に紹介してもらった塾へ向かう事にした。
◇◆◇
夕方、雨は上がっていたが、かなり水が出ていて歩道半分が水で埋まっていた。水たまりなんてかわいい物ではない。ちょっとした小川になっている。気をつけないと深い部分にスニーカーがはまってしまう。湿度が高い夕方となり、行き交う人も息苦しいのかうんざりした顔をして歩いて行く。私もその一人だった。
「ここだね」
紗理奈に紹介してもらった塾はいつも利用する病院の側で、歓楽街に近い場所にある塾だった。十五階建てのビルの一階から五階までが塾のフロアだった。
私は塾の入っているビルを見上げる。
(もしかして紗理奈は私が病院に通う事も考えてこの塾を選択してくれたのかな)
私が知っている限り、家の近く、商店街側にある塾を近所の同級生は選んでいる。こんな遠い場所の塾へ通う人はそういないだろう。
もしかして知り合いが多いと私が疲れてしまうと思ったのかも。確かに噂話等があるから集中出来るか自信がない。あまり多くは聞かない紗理奈だが私の事を心配してくれているのだろう。
塾の入り口に学生が吸い込まれる様に入って行く。紹介してもらった塾は体験入学で五日間となっていた。無料で体験出来る。初日は二十人程度の集団で受ける授業を体験出来る。
「よし!」
私は両手で顔をパンと叩いて、塾の受付へ向かった。
塾ではカウンセリングと呼ばれる質問などが行われる。対応していた女性講師は、髪型をひっつめていて化粧が派手だった。もう少しナチュラルな方が良いと思う。その真っ赤な唇ちょと怖いし。
女性講師は、通っている学校が私立大城ヶ丘高校であると聞いた途端に目を輝かせた。しかし英数科の生徒ではなくスポーツ科の生徒である事が分かるとその輝きはなくなった。
(なんか嫌な感じだ)
内心そう思うけれども、出来るだけ嫌そうな顔はせず話を進めて行く。女性講師はそこそこ親身に話を聞いてくれる。良さそうに感じるけれども明らかに英数科の生徒だったら良かったのに感が出ている。
おそらく塾としては、T大やK大という国内のトップ大学に合格出来る生徒が良かったのかもしれない。一人でも多く名のある大学に受かってくれたら、広告塔になるしね。
「では今日はこの教室で集団授業を体験してみましょう。明日以降は個人授業形式で体験する様にしておきますね」
真っ赤な口紅の女講師に案内された教室に入る。
学校の教室と広さはあまり変わらないが、なんせビルの部屋だから天井が低く感じる。白い床にベージュの壁。窓の外は道路を挟んでオフィスビルが見えた。
私はキョロキョロしながら空いている席に座る。様々な学校から集まっているのか、皆の着ている制服がバラバラだ。ただ一つ共通点があった。
(あの制服隣町の進学校だよね。それにあの詰め襟って隣の市にある学校のだ。確かあそこも進学校だよね。スポーツ科もある学校だけれども私の通う私立よりも歴史がある。学業も優秀だし)
その制服を見ながら嫌な汗が背中を伝う。
(もっ、もしかして凄く頭のいい人が通う塾に来てしまった?!)
だってあの紗理奈が薦めてくれたのだから。私のレベルにあった塾のはずなのに。でもどう見たって私の成績では浮いてしまいそうな制服を着た人達。つまり私のレベルには合っていない塾なのでは。
そう考えると先程の赤い口紅の女講師が難色と言うか、がっかりした理由も分かる様な。私はもう一度紗理奈からもらった塾の無料体験チラシを見直す為に机下の鞄から取り出そうとした。
その時、私の隣に座る人影。かなり長身なのか蛍光灯の光が遮られた。
「横、ええ?」
何だか聞いた事のある良い声。
「あっ、はい」
私は反射的に返事をする。滑舌が良くて滑らかそして心地の良い声。でも語尾が強い話方。振り返るとそこには──
あの七緖くんが座り、鞄の中からノートや筆箱を取り出していた。
「!!!」
私は声にならない声を上げる。
何でうちの学校一番の、いや違う。この辺り一帯の学校で一番と言われる程、成績トップの七緖くんがこの塾にいるのっ!
そんな人と席を隣にして授業を受けている場合ではない。そんな場違いな塾に通っても意味がない。私の成績はド底辺なのに!
息が止まりそうな程驚く私に七緖くんが視線を向けた様だった。なんせ彼の前髪は長い。ウェーブした前髪の隙間から琥珀色をした瞳が見え隠れしている。
七緖くんは背が高いから椅子から座っても一つ頭が飛び出している。足も長いし。でも顔も小さい……いや、顔が小さいのは塾には関係ない。そもそも身長がどうとか、足が長いと言うのも関係ない。
そういう事を考えている場合ではなくて!
「あれ? 同じ制服。確かあんたって……」
七緖くんは私に気がついた様で小さく首をかしげて前髪の隙間から私の顔をまじまじと見た。
「どうしよう……何でこんな」
勉強の出来る学生が通う塾を薦めたのよ~紗理奈! 恨むから! 体験一日目で塾を辞める羽目になるなんて。
私は頭を抱えて机にうつ伏せた。
「危機一髪。あと少し遅かったらずぶ濡れだね」
雨は夕方だって言っていたのに。早く降る事になるとは。
私は自宅のダイニングで少し遅い昼食を取る。
私の前には卵とわかめが入ったお味噌汁と焼きおにぎり、そしてプリンが並んでいた。
近所の商店街にある洋菓子店で売っているプリンはふんわりしていて美味しい。しかし限定品なので手に入りにくい。たまたま雨に降られる前に通りがかった商店街でラスト一個を入手する事が出来た。良かった。
少しずつ咀嚼して食事をする。出来るだけゆっくり。
右膝の故障と怜央との別れが重なり、食欲旺盛とはいかなくなった。しかし食べる事は出来る。比較的強くて健康な身体で良かったと思う。
食事の量はぐっと減ったけれども不健康にならない程度の食事はしているつもりだ。運動を辞めると一気に太ると覚悟していたのに。食事の量が減ったので太る事もなく、むしろ少し痩せたと思う。筋力が落ちたのだろう。
問題が一つあって、味が分からなくなった。甘い、しょっぱい、等々とにかく味覚が少し麻痺した様な感じがする。先日、紗理奈と一緒に食べたハンバーガーとポテトも味がしなかった。まずいという事はないけれども。美味しいと感じる事もない。
せめてプリンならと思って今日買ってみたのだが──
「味がしないや」
家族や病院の先生には右膝を故障して以来、味覚を感じなくなったと伝えているが実は違う。
怜央との事を悩み始めてから、段々と味が分からなくなった。多分、精神的なものだと思う。
「でも。食べる事は出来ているしね」
病院の先生は心のケアも必要だと言っていた。良かったら先生を紹介するとも。このままならば考えた方がいいかもしれない。
「本当は分かっているんだけどね」
誰もいない家で呟く。お父さんとお母さんも仕事だから不在だ。どんな独り言を言っても気にしなくていい。
怜央への想いに区切りがつけば、そして私が変わる事が出来たら。味覚がないのも解決する様な気がする。まだその出口は見えない。
「プリンの味……どんな味だったかなぁ」
段々思い出せなくなる事が悲しくなる。奪うなら怜央を想う心を奪って欲しい。
私はそれから少し落ち着いた雨音を聞きながらリビングで仮眠を取り、改めて制服のまま紗理奈に紹介してもらった塾へ向かう事にした。
◇◆◇
夕方、雨は上がっていたが、かなり水が出ていて歩道半分が水で埋まっていた。水たまりなんてかわいい物ではない。ちょっとした小川になっている。気をつけないと深い部分にスニーカーがはまってしまう。湿度が高い夕方となり、行き交う人も息苦しいのかうんざりした顔をして歩いて行く。私もその一人だった。
「ここだね」
紗理奈に紹介してもらった塾はいつも利用する病院の側で、歓楽街に近い場所にある塾だった。十五階建てのビルの一階から五階までが塾のフロアだった。
私は塾の入っているビルを見上げる。
(もしかして紗理奈は私が病院に通う事も考えてこの塾を選択してくれたのかな)
私が知っている限り、家の近く、商店街側にある塾を近所の同級生は選んでいる。こんな遠い場所の塾へ通う人はそういないだろう。
もしかして知り合いが多いと私が疲れてしまうと思ったのかも。確かに噂話等があるから集中出来るか自信がない。あまり多くは聞かない紗理奈だが私の事を心配してくれているのだろう。
塾の入り口に学生が吸い込まれる様に入って行く。紹介してもらった塾は体験入学で五日間となっていた。無料で体験出来る。初日は二十人程度の集団で受ける授業を体験出来る。
「よし!」
私は両手で顔をパンと叩いて、塾の受付へ向かった。
塾ではカウンセリングと呼ばれる質問などが行われる。対応していた女性講師は、髪型をひっつめていて化粧が派手だった。もう少しナチュラルな方が良いと思う。その真っ赤な唇ちょと怖いし。
女性講師は、通っている学校が私立大城ヶ丘高校であると聞いた途端に目を輝かせた。しかし英数科の生徒ではなくスポーツ科の生徒である事が分かるとその輝きはなくなった。
(なんか嫌な感じだ)
内心そう思うけれども、出来るだけ嫌そうな顔はせず話を進めて行く。女性講師はそこそこ親身に話を聞いてくれる。良さそうに感じるけれども明らかに英数科の生徒だったら良かったのに感が出ている。
おそらく塾としては、T大やK大という国内のトップ大学に合格出来る生徒が良かったのかもしれない。一人でも多く名のある大学に受かってくれたら、広告塔になるしね。
「では今日はこの教室で集団授業を体験してみましょう。明日以降は個人授業形式で体験する様にしておきますね」
真っ赤な口紅の女講師に案内された教室に入る。
学校の教室と広さはあまり変わらないが、なんせビルの部屋だから天井が低く感じる。白い床にベージュの壁。窓の外は道路を挟んでオフィスビルが見えた。
私はキョロキョロしながら空いている席に座る。様々な学校から集まっているのか、皆の着ている制服がバラバラだ。ただ一つ共通点があった。
(あの制服隣町の進学校だよね。それにあの詰め襟って隣の市にある学校のだ。確かあそこも進学校だよね。スポーツ科もある学校だけれども私の通う私立よりも歴史がある。学業も優秀だし)
その制服を見ながら嫌な汗が背中を伝う。
(もっ、もしかして凄く頭のいい人が通う塾に来てしまった?!)
だってあの紗理奈が薦めてくれたのだから。私のレベルにあった塾のはずなのに。でもどう見たって私の成績では浮いてしまいそうな制服を着た人達。つまり私のレベルには合っていない塾なのでは。
そう考えると先程の赤い口紅の女講師が難色と言うか、がっかりした理由も分かる様な。私はもう一度紗理奈からもらった塾の無料体験チラシを見直す為に机下の鞄から取り出そうとした。
その時、私の隣に座る人影。かなり長身なのか蛍光灯の光が遮られた。
「横、ええ?」
何だか聞いた事のある良い声。
「あっ、はい」
私は反射的に返事をする。滑舌が良くて滑らかそして心地の良い声。でも語尾が強い話方。振り返るとそこには──
あの七緖くんが座り、鞄の中からノートや筆箱を取り出していた。
「!!!」
私は声にならない声を上げる。
何でうちの学校一番の、いや違う。この辺り一帯の学校で一番と言われる程、成績トップの七緖くんがこの塾にいるのっ!
そんな人と席を隣にして授業を受けている場合ではない。そんな場違いな塾に通っても意味がない。私の成績はド底辺なのに!
息が止まりそうな程驚く私に七緖くんが視線を向けた様だった。なんせ彼の前髪は長い。ウェーブした前髪の隙間から琥珀色をした瞳が見え隠れしている。
七緖くんは背が高いから椅子から座っても一つ頭が飛び出している。足も長いし。でも顔も小さい……いや、顔が小さいのは塾には関係ない。そもそも身長がどうとか、足が長いと言うのも関係ない。
そういう事を考えている場合ではなくて!
「あれ? 同じ制服。確かあんたって……」
七緖くんは私に気がついた様で小さく首をかしげて前髪の隙間から私の顔をまじまじと見た。
「どうしよう……何でこんな」
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