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015 7月23日 喫茶店にて アルバイトと勉強指導
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ほんわかした会話をしている私と七緖くんの前で唸ったのは博さんだった。
「駿が連れてきた初めての同級生だし。それに俺もファンとして巽さんの力になりたいけれども。うーん……どうしたものか」
カウンターの中、背の高いスツールに腰掛けて彫刻「考える人」となり、固まってしまった。
流されるままこの場所に来て図々しくも元人気塾講師に教えを請うなんて。
(あれ? でも元々七緖くんが教えてもらいたいのよね? 博さんに)
おかしな事になってしまったと私は小さく縮こまった。
七緖くんが長い首をかしげる。
「簡単やんか。僕と巽さんがこの喫茶店で勉強するから博が指導してくれたらええやん」
「営業中の喫茶店で指導出来る訳ないだろ? 俺一人で店を切り盛りしているってのに」
博さんはあきれた声を上げる。
その声に七緖くんは身体をねじって後ろの席を眺めた。
「だって客おらんやん」
確かに私達が訪れる前も訪れた後もお客さんが入ってくる様子はない。経営状況は大丈夫なのか心配になる程だ。
「今日はそういう日なの」
ツンと子どもの様にそっぽを向く博さんだ。
「ホンマなん? 今時コーヒーとカレーしか出さん店に人は来んのんとちゃう?」
信じられないと言った様子で七緖くんがぽつりと呟く。
カウンターテーブルの前においてあるメニュー表を見ると、確かに「今日のコーヒー」と「銀河カレー」としか書かれていない。
(本当にコーヒーとカレーだけなんだ)
その事実に私は改めて驚いていた。
「失礼だなぁ。平日はさお昼と夜の営業だけだから人は少ないけれども。金曜の夜と土、日、祝日は結構人がひっきりなしに出たり入ったりしているよ。一人で回しているから限界があるけれどもね。たまに金曜日の夜、カレーの出前をお願いしているだろ? 駿に」
「そういえば、金曜の夜と土、日なぁ」
思い当たる事があるのか七緖くんは声を上げていた。
「そうそう。だから喫茶店で教える事は出来ないし、俺の手が空かないし。一人で喫茶店をやっているから体力的にも厳しいし。教えるとなるとそれなりに準備も必要だしさ」
うーん、と唸って博さんは再び「考える人」になってしまった。
「七緖くん、私ならいいよ。何だかこんなに悩ませるの凄く申し訳ないし。そもそも私のレベルは七緖くんと全く違うのに一緒に教わるなんて無理だと思うし。七緖くんが博さんに教わってもらえたらと思うし」
私は七緖くんに話しかけると、七緖くんが口を開けたまま固まった。一拍おいて慌てる様に私の肩を握りぎゅっと力を込める。
七緖くんの節々がはっきりした大きな手で肩を握りしめられる。
「ほれはアカン。ここまで来たなら二人で頑張らなアカンよ」
何故か七緖くんは焦っていた。ゆったりと話すけれども「アカン」と二度繰り返した。
「そ、それは頑張るけれども」
「二人で一緒に塾に通うた仲間やんか」
「二人で通うって。だって体験一日だけだよ?」
そんなに長い間苦楽を共にした訳ではない。そう巽くんに言い聞かせ様とした時、博さんがポンと手を叩いた。
「それだ! 二人一緒って奴だ」
カウンターから身を乗り出して私と七緖くんの顔を交互に見つめる。そして満面の笑みを浮かべた。
「何?」
「え?」
七緖くんと私は同じ方向に首をかしげながらニヤニヤ笑う博さんを見つめた。
「二人一緒に、土、日、祝日にアルバイトをしてくれたら、勉強を教えても良いよ?」
意外な提案に私と七緖くんは二人で顔を見合わせた。
◇◆◇
「何でなん? だって別にアルバイトを雇ったらいいやんか」
納得がいかないのか七緖くんは首をかしげて二杯目のコーヒーが冷めるのを待っていた。私は結局一杯目のコーヒーを飲まないままに、新しいコーヒーを入れ直してもらった。
博さんが私と七緖くんに勉強を指導してくれる交換条件は、この喫茶店、銀河のアルバイトを土、日、祝日にする事だった。それは朝から晩まで。
交換条件といえどもバイト代は出してくれるそうなので有り難いぐらいなのだが、この交換条件に七緖くんは納得がいかない様だ。
普段、勉強漬けとなったら土、日のどちらかは休みたいというところかな。
「だって俺のカレーはさ門外不出のレシピよ? どれだけ独学で研究したと思っているの? 何処の誰だか分からない奴を店や厨房には入れられない。だからしんどくても一人でやっているのに」
フン! と鼻息を荒くしてふんぞり返ったのは博さんだった。
「そんなん言われても。土、日共に潰れるのはなぁ。体力的に厳しいよなぁ、巽さん?」
ふぅふぅと熱いコーヒー冷ましながら七緖くんがどんよりとしていた。
「え? そうかな私は大丈夫だと思うけれども」
体力馬鹿な私は思わず真顔で七緖くんに返事をしてしまった。すると七緖くんは心底がっかりした様な声を上げた。
「えぇ~ほうなん? 一週間の内一日ぐらいずっと眠っていたいんやけど、僕」
長い前髪で瞳が見えないでも、口だけがへの字になっていた。
よっぽど休みがないのが堪えるのだろうか。どんな目をしているのかな。細くしているのかな。想像すると何だかおかしくて私は笑いを堪えた。
「そりゃ寝過ぎだろ。それに体力なさ過ぎ。お前本当に高校生か? むしろアルバイトで身体を動かすぐらいが丁度良いんじゃないのか? 駿は」
あきれた博さんが片方の眉をつり上げて七緖くんの補足も筋張っている腕を見た。
「体力ないの仕方ないやん。僕、運動神経ないし」
「開き直るなよ。それに駿。お前には後もう一つ条件があるぞ」
「えぇ~更に追加? しかも僕だけ」
「僕だけってお前なぁ、巽さんを巻き込んだのは駿だろ。分かってるんだぞ?」
「うっ」
言い当てられて七緖くんはカウンターテーブルの上にうつ伏せになり死んだふりをしていた。
(あっやはりバレてるんだ。そりゃそうだよね)
二人の軽快なやりとりを私はじっと見つめていた。
博さんはメニュー表で七緖くんの頭をつついて溜め息をついた。それからとんでもない事を言い出した。
「こら、死んだふりするな。こういう言い方は申し訳ないが、巽さんの成績は確かに厳しいと思う。そこでだ、駿。学校の補習終わった後、数時間お前が巽さんを指導するんだ。確か中学生の子の家庭教師が終わったところだろ? 丁度良いじゃないか。これがお前に対する条件だ」
「えっ!?」
七緖くんが私を指導するって、私に勉強七緖くんが教えるのが条件って。
そんな、とんでもない! 私は慌てて口を開こうとしたのに、七緖くんが急に死んだふりから復活する。
「分かった。やる」
ぴょんと急に起き上がって短く答えたので私は驚いてしまった。
「なっ、七緖くん? そんなの悪いよっ。私の成績びっくりするぐらい悪いのに、忙しい七緖くんの手を煩わせるなんて」
私は七緖くんに振り返り慌てて否定すると今度は向かい側の博さんが両手を上に上げた。
「じゃぁ、俺が駿に勉強を教えるのもなしだな」
「えっ、そんなの困りますっ」
んん? 何故私が困るのか訳が分からなくなってきた。
七緖くんが教えてもらう為には、私と七緖くんが一緒にアルバイトをして、七緖くんは私に勉強を教える。という図式は絶対らしい。
「うん。皆がこれで上手くいくやん? 持ちつ持たれつやね。ほれでいこう」
ポンと七緖くんが手を叩いた。
「えっ」
私は七緖くんの横顔を見つめた。
「そうだな! アルバイトに入ってくれたら俺も助かるよ。厨房に入るのが駿と巽さんなら安心だし。いやぁ~良かった良かった。じゃぁコーヒーで乾杯しよう。ほら、駿も巽さんもカップを持って?」
博さんもうんうんと頷いて私達にコーヒーカップを手にする様に促した。
「ええっ?」
私は促されるままコーヒーカップを掲げて唸る。
「ほなカンパーイ」
「おう! カンパーイ」
チン、チン、チン、と三人のカップが小さく音を立て、少しぬるくなったコーヒーを啜る。私も目を丸めたままつられてコーヒーを啜る。
(しまった。つられたとはいえ味が分からないのに)
「ん~冷めても美味いなぁ」
七緖くんがゴクリと飲んで微笑んだ。
「!」
私は驚いた。
(今日のお昼だって食事をしても味がなかったのに!)
皆で一緒に飲んだ冷めたコーヒーは、酸味の強い鼻から抜けると柑橘の香りがする味を感じる事が出来た。
「駿が連れてきた初めての同級生だし。それに俺もファンとして巽さんの力になりたいけれども。うーん……どうしたものか」
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「営業中の喫茶店で指導出来る訳ないだろ? 俺一人で店を切り盛りしているってのに」
博さんはあきれた声を上げる。
その声に七緖くんは身体をねじって後ろの席を眺めた。
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確かに私達が訪れる前も訪れた後もお客さんが入ってくる様子はない。経営状況は大丈夫なのか心配になる程だ。
「今日はそういう日なの」
ツンと子どもの様にそっぽを向く博さんだ。
「ホンマなん? 今時コーヒーとカレーしか出さん店に人は来んのんとちゃう?」
信じられないと言った様子で七緖くんがぽつりと呟く。
カウンターテーブルの前においてあるメニュー表を見ると、確かに「今日のコーヒー」と「銀河カレー」としか書かれていない。
(本当にコーヒーとカレーだけなんだ)
その事実に私は改めて驚いていた。
「失礼だなぁ。平日はさお昼と夜の営業だけだから人は少ないけれども。金曜の夜と土、日、祝日は結構人がひっきりなしに出たり入ったりしているよ。一人で回しているから限界があるけれどもね。たまに金曜日の夜、カレーの出前をお願いしているだろ? 駿に」
「そういえば、金曜の夜と土、日なぁ」
思い当たる事があるのか七緖くんは声を上げていた。
「そうそう。だから喫茶店で教える事は出来ないし、俺の手が空かないし。一人で喫茶店をやっているから体力的にも厳しいし。教えるとなるとそれなりに準備も必要だしさ」
うーん、と唸って博さんは再び「考える人」になってしまった。
「七緖くん、私ならいいよ。何だかこんなに悩ませるの凄く申し訳ないし。そもそも私のレベルは七緖くんと全く違うのに一緒に教わるなんて無理だと思うし。七緖くんが博さんに教わってもらえたらと思うし」
私は七緖くんに話しかけると、七緖くんが口を開けたまま固まった。一拍おいて慌てる様に私の肩を握りぎゅっと力を込める。
七緖くんの節々がはっきりした大きな手で肩を握りしめられる。
「ほれはアカン。ここまで来たなら二人で頑張らなアカンよ」
何故か七緖くんは焦っていた。ゆったりと話すけれども「アカン」と二度繰り返した。
「そ、それは頑張るけれども」
「二人で一緒に塾に通うた仲間やんか」
「二人で通うって。だって体験一日だけだよ?」
そんなに長い間苦楽を共にした訳ではない。そう巽くんに言い聞かせ様とした時、博さんがポンと手を叩いた。
「それだ! 二人一緒って奴だ」
カウンターから身を乗り出して私と七緖くんの顔を交互に見つめる。そして満面の笑みを浮かべた。
「何?」
「え?」
七緖くんと私は同じ方向に首をかしげながらニヤニヤ笑う博さんを見つめた。
「二人一緒に、土、日、祝日にアルバイトをしてくれたら、勉強を教えても良いよ?」
意外な提案に私と七緖くんは二人で顔を見合わせた。
◇◆◇
「何でなん? だって別にアルバイトを雇ったらいいやんか」
納得がいかないのか七緖くんは首をかしげて二杯目のコーヒーが冷めるのを待っていた。私は結局一杯目のコーヒーを飲まないままに、新しいコーヒーを入れ直してもらった。
博さんが私と七緖くんに勉強を指導してくれる交換条件は、この喫茶店、銀河のアルバイトを土、日、祝日にする事だった。それは朝から晩まで。
交換条件といえどもバイト代は出してくれるそうなので有り難いぐらいなのだが、この交換条件に七緖くんは納得がいかない様だ。
普段、勉強漬けとなったら土、日のどちらかは休みたいというところかな。
「だって俺のカレーはさ門外不出のレシピよ? どれだけ独学で研究したと思っているの? 何処の誰だか分からない奴を店や厨房には入れられない。だからしんどくても一人でやっているのに」
フン! と鼻息を荒くしてふんぞり返ったのは博さんだった。
「そんなん言われても。土、日共に潰れるのはなぁ。体力的に厳しいよなぁ、巽さん?」
ふぅふぅと熱いコーヒー冷ましながら七緖くんがどんよりとしていた。
「え? そうかな私は大丈夫だと思うけれども」
体力馬鹿な私は思わず真顔で七緖くんに返事をしてしまった。すると七緖くんは心底がっかりした様な声を上げた。
「えぇ~ほうなん? 一週間の内一日ぐらいずっと眠っていたいんやけど、僕」
長い前髪で瞳が見えないでも、口だけがへの字になっていた。
よっぽど休みがないのが堪えるのだろうか。どんな目をしているのかな。細くしているのかな。想像すると何だかおかしくて私は笑いを堪えた。
「そりゃ寝過ぎだろ。それに体力なさ過ぎ。お前本当に高校生か? むしろアルバイトで身体を動かすぐらいが丁度良いんじゃないのか? 駿は」
あきれた博さんが片方の眉をつり上げて七緖くんの補足も筋張っている腕を見た。
「体力ないの仕方ないやん。僕、運動神経ないし」
「開き直るなよ。それに駿。お前には後もう一つ条件があるぞ」
「えぇ~更に追加? しかも僕だけ」
「僕だけってお前なぁ、巽さんを巻き込んだのは駿だろ。分かってるんだぞ?」
「うっ」
言い当てられて七緖くんはカウンターテーブルの上にうつ伏せになり死んだふりをしていた。
(あっやはりバレてるんだ。そりゃそうだよね)
二人の軽快なやりとりを私はじっと見つめていた。
博さんはメニュー表で七緖くんの頭をつついて溜め息をついた。それからとんでもない事を言い出した。
「こら、死んだふりするな。こういう言い方は申し訳ないが、巽さんの成績は確かに厳しいと思う。そこでだ、駿。学校の補習終わった後、数時間お前が巽さんを指導するんだ。確か中学生の子の家庭教師が終わったところだろ? 丁度良いじゃないか。これがお前に対する条件だ」
「えっ!?」
七緖くんが私を指導するって、私に勉強七緖くんが教えるのが条件って。
そんな、とんでもない! 私は慌てて口を開こうとしたのに、七緖くんが急に死んだふりから復活する。
「分かった。やる」
ぴょんと急に起き上がって短く答えたので私は驚いてしまった。
「なっ、七緖くん? そんなの悪いよっ。私の成績びっくりするぐらい悪いのに、忙しい七緖くんの手を煩わせるなんて」
私は七緖くんに振り返り慌てて否定すると今度は向かい側の博さんが両手を上に上げた。
「じゃぁ、俺が駿に勉強を教えるのもなしだな」
「えっ、そんなの困りますっ」
んん? 何故私が困るのか訳が分からなくなってきた。
七緖くんが教えてもらう為には、私と七緖くんが一緒にアルバイトをして、七緖くんは私に勉強を教える。という図式は絶対らしい。
「うん。皆がこれで上手くいくやん? 持ちつ持たれつやね。ほれでいこう」
ポンと七緖くんが手を叩いた。
「えっ」
私は七緖くんの横顔を見つめた。
「そうだな! アルバイトに入ってくれたら俺も助かるよ。厨房に入るのが駿と巽さんなら安心だし。いやぁ~良かった良かった。じゃぁコーヒーで乾杯しよう。ほら、駿も巽さんもカップを持って?」
博さんもうんうんと頷いて私達にコーヒーカップを手にする様に促した。
「ええっ?」
私は促されるままコーヒーカップを掲げて唸る。
「ほなカンパーイ」
「おう! カンパーイ」
チン、チン、チン、と三人のカップが小さく音を立て、少しぬるくなったコーヒーを啜る。私も目を丸めたままつられてコーヒーを啜る。
(しまった。つられたとはいえ味が分からないのに)
「ん~冷めても美味いなぁ」
七緖くんがゴクリと飲んで微笑んだ。
「!」
私は驚いた。
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