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030 7月31日 パンツとパンツなし
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「ん? 地震か」
喫茶店「銀河」の一階でチョコレートケーキに合うコーヒーの準備をしている博は揺れを感じた。しかしその揺れは、地面からではなく二階から起こったものだと理解した。
「何をやっているんだ? あの二人」
首を傾げて博は天井を見上げるが、すぐに手元のポットのお湯が沸いたのでコーヒーを淹れる事に集中する。
「ふっふっふ~このコーヒーはチョコレートケーキに合うぞぉ」
博は一人浮かれながらコーヒーを淹れるが、そのコーヒーを入れ直す羽目になるとは露ほども思っていなかった。
◇◆◇
私が七緖くんの上に倒れ込んだせいで、喫茶店の二階が揺れた。
「うっゴホッ」
「ご、ごめん!」
幸いな事にソファベッドはフカフカで右膝に何の痛みもなく着地する事が出来た。しかし、そんな私と違って突然胸の辺りを潰された七緖くんがうめいた。
「うぅ、はっ、な、何やのん?」
七緖くんが小さくむせて右肩を掴んでいた左手でシャツの下の胸を撫でる。私はパッと身体を起こして、七緖くんの顔の両側に手をついて覗き込む。
「ごっ、ごめんなさい。痛くない?」
(もしかして私のせいで七緖くんの肺を押しつぶしたとかそんな事はないだろうか?)
ベッドが思った以上にフカフカしていて助かった。何の構えもなかった七緖くんは大丈夫だろうか?
七緖くんがゆっくりと目を開けて何度かパチパチと瞬きをした。それから琥珀色の瞳に私を写す。
「痛ぁはないけど。何や巽さんやん」
まだ目が覚めて頭がはっきりとしないのか、ヘニャッと笑いながら琥珀色の瞳を細めた。
(うわっ笑った!)
力の抜けた緩い笑い方に私が逆に動揺してしまう。
鼻がつくほど近くに迫っている顔をゆっくりと離しながらついた両手で自分の身体を起こす。
「ごめん。私が一人躓いて七緖くんを潰しちゃって」
「ああ……何かボーンって、微妙にやーらかいんが落ちてきたと思うた。くぁ」
七緖くんが私が身体を起こすスピードに合わせて上半身を起こす。しかも最後は大きなあくびをのんきにして、目尻に涙を浮かべた。
「やーらかいってそんな感想?」
(良かった。私が潰した事で苦しかったとか怪我とかないみたい)
私は七緖くんの様子に安心して、彼の足の付け根辺りに腰を落としてゆっくりと足を曲げて座る。
七緖くんは寝ぼけながらも私のゆっくりと曲げる右膝を見ながら首を傾げてボリボリと首をかいた。
「……んん~躓いたんやったら、右膝は大丈夫なん?」
(こんな時まで右膝の事気遣ってくれて)
何だかキュッと胸を掴まれる様な気がした。
「うん。大丈夫だよ」
私は笑って返す。
「ほれなら良かった。んー」
七緖くんはまたヘニャッと笑いながら右手を大きく上に上げて伸びをした。
(またあの可愛い笑い方。もしかしてまだ寝ぼけている?)
伸びをするその姿を見つめるも、七緖くんは横向きで寝ていたので左側頭部だけ寝癖がひどい。繊細で柔らかい髪の毛が複雑に絡まっている。その凄い寝癖から視線が外せず私は答える。
「七緖くんこそ大丈夫だった?」
そう言いながら、七緖くんのお腹の辺りに手をついたつもりだったのだが、何だか固いものが手の中に収まる。だから思わずキュッと軽く握ってみた。
(あれ? なんだろうこれ。生暖かいバナナじゃないよね。微妙に反ってるけど何か棒?)
そう思ったのもつかの間、七緖くんがトロンとしていた目を急に見開いた。
それは、これでもかと言うほどで琥珀色の瞳が大きくなった。
「っっ」
それから七緖くん息を詰め、視線を慌てて私の手をついた当たりに落とす。
私もつられて視線を落とすと、そこには──
もう少しでずれて落ちそうな薄いタオルケットが七緖くんの股間をかろうじて隠しているが、大きく太い棒の様なものが縁取られている。その上に私が手を添えていた。
「ん?」
私は自分の手をそっと離す。その棒の様なものはゆっくりとタオルケットを持ち上げている。
私は七緖くんの股間の真下辺りに彼の身体にまたがる様にぺたりと座っていた。
「た、巽さん、パ、パンツがっ」
今度は七緖くんが小さく息をのんで目をむいた。
なぜならば私の姿は、タイトスカートは座った事でお尻までめくり上がっていて、ピンク色のパンツが丸見えになっていた。
が、私は自分のパンツの事より、その上にピクリと動いた物体から目が離せなかった。
タオルケットを持ち上げる様にその突っ張りが出来ている。七緖くんのへそ辺りに向かって伸びているのは、生暖かくて何だか料理に使う時のめん棒の様な。
(棒? 棒って……こっ、これって、もしかして)
ゆっくりと顔を上げると同じ様に顔を上げて口を中途半端に開けている七緖くんと視線が合った。
それから私は七緖くんの身体におこっている状況がどういう事なのか理解出来た。それから見る見る真っ赤になっていくお互いの顔。
「「!!!!!」」
声にならない悲鳴を同時に上げて、私と七緖くんは固まってしまった。
その数秒後、ドアを開けて博さんが部屋に入ってきた。
「何か凄い音がしたけど、どうした? って……巽さん? 何で駿の上に乗って。わーっ! まさか? お前達二人いつの間にそんなに仲良くなったの?!」
博さんがあらぬ誤解をして顔を青くした。
私と七緖くんは二人で同時に動き出し、博さんの誤解を解こうと必死になる。
「事故やから、これは事故なんや!」
「そうです! 私が七緖くんの足に躓いて」
「ほれで巽さんが僕の上に乗っとって」
「のっ、乗ってないよ。七緖くんの上に着地しただけだから」
「わ、分かっとるよ! ほやからコレは僕が寝起きやし。ほの、その、アレになってしもうとって」
「えっ、やっぱりコレってアレなの?」
「ほ、ほれ以外やったら何やと思うてるん?」
「な、何って言われても」
私と七緖くんはにっちもさっちも行かなくなり、お互い倒れ込んだ体勢のままワァワァと言い合いをした。
その言い合いに「分かった分かった」と両手を叩いたのは博さんだった。
「うん。理解した、理解したからさ。巽さんせめてパンツ隠してくれない?」
目のやり場に困るのか顔を横にして頬を染めていた。
「パンツ……はっ」
私はお尻の方までスカートがめくり上がっている事を思い出し慌ててソファベッドの上で立ち上がりスカートを下げた。
「すみません!」
が、その勢いよく立ち上がったのがいけなかったのか、かろうじて七緖くんの腰に巻きついていた薄いタオルケットがふわっと舞ってしまい──
「わーっ!」
「きゃーっ!」
七緖くんが慌てて両手で股間を隠して私も両手で顔を覆った。
「だから駿。前々から言ってるだろ? こんな事もあるから素っ裸で寝る癖は止めた方がいいって。しかもお前、朝立ち状態って。ハハハ笑うしかないな」
顔を覆っているので、視界の先に何があるか分からないが、あきれて笑う博さんの声が聞こえた。
「笑えんし。ほれにコレは仕方ないやん! 生理現象やし。こんなん想定外やからっ~」
珍しく慌てる七緖くんの声が部屋一杯に響いた。
喫茶店「銀河」の一階でチョコレートケーキに合うコーヒーの準備をしている博は揺れを感じた。しかしその揺れは、地面からではなく二階から起こったものだと理解した。
「何をやっているんだ? あの二人」
首を傾げて博は天井を見上げるが、すぐに手元のポットのお湯が沸いたのでコーヒーを淹れる事に集中する。
「ふっふっふ~このコーヒーはチョコレートケーキに合うぞぉ」
博は一人浮かれながらコーヒーを淹れるが、そのコーヒーを入れ直す羽目になるとは露ほども思っていなかった。
◇◆◇
私が七緖くんの上に倒れ込んだせいで、喫茶店の二階が揺れた。
「うっゴホッ」
「ご、ごめん!」
幸いな事にソファベッドはフカフカで右膝に何の痛みもなく着地する事が出来た。しかし、そんな私と違って突然胸の辺りを潰された七緖くんがうめいた。
「うぅ、はっ、な、何やのん?」
七緖くんが小さくむせて右肩を掴んでいた左手でシャツの下の胸を撫でる。私はパッと身体を起こして、七緖くんの顔の両側に手をついて覗き込む。
「ごっ、ごめんなさい。痛くない?」
(もしかして私のせいで七緖くんの肺を押しつぶしたとかそんな事はないだろうか?)
ベッドが思った以上にフカフカしていて助かった。何の構えもなかった七緖くんは大丈夫だろうか?
七緖くんがゆっくりと目を開けて何度かパチパチと瞬きをした。それから琥珀色の瞳に私を写す。
「痛ぁはないけど。何や巽さんやん」
まだ目が覚めて頭がはっきりとしないのか、ヘニャッと笑いながら琥珀色の瞳を細めた。
(うわっ笑った!)
力の抜けた緩い笑い方に私が逆に動揺してしまう。
鼻がつくほど近くに迫っている顔をゆっくりと離しながらついた両手で自分の身体を起こす。
「ごめん。私が一人躓いて七緖くんを潰しちゃって」
「ああ……何かボーンって、微妙にやーらかいんが落ちてきたと思うた。くぁ」
七緖くんが私が身体を起こすスピードに合わせて上半身を起こす。しかも最後は大きなあくびをのんきにして、目尻に涙を浮かべた。
「やーらかいってそんな感想?」
(良かった。私が潰した事で苦しかったとか怪我とかないみたい)
私は七緖くんの様子に安心して、彼の足の付け根辺りに腰を落としてゆっくりと足を曲げて座る。
七緖くんは寝ぼけながらも私のゆっくりと曲げる右膝を見ながら首を傾げてボリボリと首をかいた。
「……んん~躓いたんやったら、右膝は大丈夫なん?」
(こんな時まで右膝の事気遣ってくれて)
何だかキュッと胸を掴まれる様な気がした。
「うん。大丈夫だよ」
私は笑って返す。
「ほれなら良かった。んー」
七緖くんはまたヘニャッと笑いながら右手を大きく上に上げて伸びをした。
(またあの可愛い笑い方。もしかしてまだ寝ぼけている?)
伸びをするその姿を見つめるも、七緖くんは横向きで寝ていたので左側頭部だけ寝癖がひどい。繊細で柔らかい髪の毛が複雑に絡まっている。その凄い寝癖から視線が外せず私は答える。
「七緖くんこそ大丈夫だった?」
そう言いながら、七緖くんのお腹の辺りに手をついたつもりだったのだが、何だか固いものが手の中に収まる。だから思わずキュッと軽く握ってみた。
(あれ? なんだろうこれ。生暖かいバナナじゃないよね。微妙に反ってるけど何か棒?)
そう思ったのもつかの間、七緖くんがトロンとしていた目を急に見開いた。
それは、これでもかと言うほどで琥珀色の瞳が大きくなった。
「っっ」
それから七緖くん息を詰め、視線を慌てて私の手をついた当たりに落とす。
私もつられて視線を落とすと、そこには──
もう少しでずれて落ちそうな薄いタオルケットが七緖くんの股間をかろうじて隠しているが、大きく太い棒の様なものが縁取られている。その上に私が手を添えていた。
「ん?」
私は自分の手をそっと離す。その棒の様なものはゆっくりとタオルケットを持ち上げている。
私は七緖くんの股間の真下辺りに彼の身体にまたがる様にぺたりと座っていた。
「た、巽さん、パ、パンツがっ」
今度は七緖くんが小さく息をのんで目をむいた。
なぜならば私の姿は、タイトスカートは座った事でお尻までめくり上がっていて、ピンク色のパンツが丸見えになっていた。
が、私は自分のパンツの事より、その上にピクリと動いた物体から目が離せなかった。
タオルケットを持ち上げる様にその突っ張りが出来ている。七緖くんのへそ辺りに向かって伸びているのは、生暖かくて何だか料理に使う時のめん棒の様な。
(棒? 棒って……こっ、これって、もしかして)
ゆっくりと顔を上げると同じ様に顔を上げて口を中途半端に開けている七緖くんと視線が合った。
それから私は七緖くんの身体におこっている状況がどういう事なのか理解出来た。それから見る見る真っ赤になっていくお互いの顔。
「「!!!!!」」
声にならない悲鳴を同時に上げて、私と七緖くんは固まってしまった。
その数秒後、ドアを開けて博さんが部屋に入ってきた。
「何か凄い音がしたけど、どうした? って……巽さん? 何で駿の上に乗って。わーっ! まさか? お前達二人いつの間にそんなに仲良くなったの?!」
博さんがあらぬ誤解をして顔を青くした。
私と七緖くんは二人で同時に動き出し、博さんの誤解を解こうと必死になる。
「事故やから、これは事故なんや!」
「そうです! 私が七緖くんの足に躓いて」
「ほれで巽さんが僕の上に乗っとって」
「のっ、乗ってないよ。七緖くんの上に着地しただけだから」
「わ、分かっとるよ! ほやからコレは僕が寝起きやし。ほの、その、アレになってしもうとって」
「えっ、やっぱりコレってアレなの?」
「ほ、ほれ以外やったら何やと思うてるん?」
「な、何って言われても」
私と七緖くんはにっちもさっちも行かなくなり、お互い倒れ込んだ体勢のままワァワァと言い合いをした。
その言い合いに「分かった分かった」と両手を叩いたのは博さんだった。
「うん。理解した、理解したからさ。巽さんせめてパンツ隠してくれない?」
目のやり場に困るのか顔を横にして頬を染めていた。
「パンツ……はっ」
私はお尻の方までスカートがめくり上がっている事を思い出し慌ててソファベッドの上で立ち上がりスカートを下げた。
「すみません!」
が、その勢いよく立ち上がったのがいけなかったのか、かろうじて七緖くんの腰に巻きついていた薄いタオルケットがふわっと舞ってしまい──
「わーっ!」
「きゃーっ!」
七緖くんが慌てて両手で股間を隠して私も両手で顔を覆った。
「だから駿。前々から言ってるだろ? こんな事もあるから素っ裸で寝る癖は止めた方がいいって。しかもお前、朝立ち状態って。ハハハ笑うしかないな」
顔を覆っているので、視界の先に何があるか分からないが、あきれて笑う博さんの声が聞こえた。
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