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第18話 茜ガチギレ
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ウチの学校は昼休み時間に外に行く事が校則で許されている。
もっとも昼休みの終わる10分前には戻って来る事が義務付けられているのであまりゆっくりとはしてられないが。
加えてその短い範囲で行ける場所にゲーセン等は無く昼休みに学校外に出ても精々コンビニに昼飯を買いに行くくらいしか取れる選択はない。
もっとも付き合いたてでイチャつきたい盛の学生にとっては願ってもない制度だ。
俺と茜は1~2分ズラして教室を出る約束をしていたのだが厄介な事になった。
昼休みに教室から出て行こうとした茜に宮藤が話しかけていた。
「あ…茜…その何処に行くの?」
「え…?…と…トイレだよ?」
「そ…そうなんだ?ぼ…僕も付いて行っていいかな?」
アイツは何を言ってるんだ…
女子のトイレに付いて行くとか普通に変態ではないか?
俺と同意見なのか、教室内の生徒は男子どころか女子までも、うわっ!?アイツマジ?ないわぁ~って顔をしている。
「うん、それは止めてほしいかな?前から言おうと思ってたから言うけど雅君はもう少しデリカシーを持った方がいいよ、じゃあね」
茜はそうビシっというと回れ右して立ち去ろうとするが宮藤はそれを良しとはしないようで茜の腕をガシっと掴んだ。
「何、怒ってんだよ、ただトイレに一緒に行こうって言っただけだろ?最近の茜、変だよ?」
「別に私は普通だよ?それより離してくれる?」
「なっ?なんだよ!その態度!!茜らしくないよ!」
「…………私らしいって何かな?」
「え……?あ…茜はいつもニコニコしてて、優しくて…なのに…今の茜は…機嫌悪そうだから…」
「そりゃ機嫌も悪くなるよ、私トイレに行きたいのにそれを邪魔されてるんだから」
「だから…トイレなら僕も一緒に…」
埒が明かないな…
目立ちたくは無いが助け舟を出した方が良いだろうと2人の前に行こうとすると、それより早くあの2人に介入する者達がいた。
「どうしたんだい?二人共?大きな声を出して?」
「駄目ですよ、喧嘩なんてしても何も良い事はありませんよ?」
副会長と聖女…姉の2人がやって来たみたいだ。
「蔵王先輩に桜花先輩!!」
「ふふ、どうしたんだい?ほら、落ち着きな?」
「何か辛い事があったのですね?ほら?私の胸をお貸ししますよ?」
年上お姉さん達に囲まれ慰められる宮藤。
見る見る内にヘラヘラ、デレ~とした締まりの無い顔になる。
そのまま気分を持ち直したのか茜をズビシっと指さし、まくし立てるように言った。
「茜が怒るんです!僕何も悪い事してないのに…!僕の事を面倒くさそうに!やっぱり最近の茜、何か変だよ!」
「そうなのかい?九条さん?いったいどういう事かな?」
「喧嘩をしたなら謝らないといけませんよ?九条さん?」
「………。」
茜はなんとも形容しがたい顔をしている。
面倒くさい事になった。
流石に出て行かざるを得ないか。
俺は茜の前に立ち、彼女を守る様に姉や副会長…そしてその後ろに隠れる宮藤に言い放った。
「九条さん、トイレに行きたいみたいなんですが、それを宮藤君が邪魔してたんですよ。」
「あら、君は?」
「へ?足立君?」
「あ、とも…足立君…。」
「九条さんがトイレに行くのに自分も付いて行くと聞かないみたいで、それで揉めてたみたいですよ?」
「トイレに?」
「……。」
「姉ちゃんも俺がトイレについて来たら嫌だろ?」
「え?…まぁ…そりゃ嫌ですね…。」
「これでわかったろ?姉弟だろうと、幼馴染だろうと付いて来られたくない場所の一つや二つあるんだよ?其れくらいわかれよ。」
「なっ!トイレに付き添うだけでどうしてそんな悪者みたいに言われなくちゃならないのさ!足立君は変だよ!」
「女子がトイレに行くつってんのにそれに付いて行こうってのがデリカシーに欠ける行為なんだよ、それを理解しろよ!」
「僕等は幼馴染なんだ!他人の君にとやかく言われる筋合いも権利も無いよ!」
「幼馴染でも最低限のデリカシーは持てよ、あ、ここはもう大丈夫だから九条さんは行ってて、」
「あ…ありがと…足立くん。」
彼女はそのまま教室から立ち去っていった。
実際にトイレに行くのかはわからないが騒いだせいで人が集まって来ている。こうもギャラリーが大勢の中でトイレトイレと言われたら流石に恥ずかしいし可哀想だ、後で謝っておこう。
「あ……茜………くっ!…ど!どうして僕の邪魔するんだ!足立君には関係ないだろ!!どうして!」
「クラスメイトが困ってるんだ、助けるのに関係ないとかあるとか、それこそ関係ないだろ?」
「なっ…なんなんだよ!君は!そもそもどうして君がしゃしゃり出てくるのさ!……そう言えば足立君は最近妙に茜と仲が良いよね?何?もしかして茜に気でもあるの?」
何コイツ?
普段はやたらと鈍いクセに鋭い所をついて来やがる。
てか俺と茜が一緒にいる所を見られてたのか?
「気があるかどうかならそりゃ…あるだろ?あんな可愛い子がクラスメイトなら普通は点数稼ぎの一つもするさ」
「なっ?最低だね!君は!言っておくけど君みたいな軽率でチャラい奴の事なんて茜は好みでもなんでもないからね?勘違いしたら君が可哀想だから忠告はしておくよ?君みたいなのでも一応は友達だからね?」
「そりゃどーも、まぁ…九条さんに片思いする分には個人の自由だからな、好きにやらせて…」
「あはは!馬鹿じゃないの!聞いてなかったの?茜は君みたいなタイプは興味無いっていってるの!幼馴染の僕が言ってるんだよ?良い加減にあきら……」
「雅君…。」
「へ……?あか……ね?」
立ち去った筈の茜がいつの間にか戻って来ていた。
それだけでもビックリだが、
宮藤の勢いを殺すだけの熱量を静かに持った声に周りの野次馬も凍りついた様な錯覚を感じた。
トイレに行った筈の九条茜がそこに静かに立っていた。
「黙ってるつもりだったけどこの際だから言うね…私…足立智春君…智君とお付き合いしてるの…」
「は?……お付き合い…?」
「そうだよ?お付き合い、恋人同士って事。
彼は私が悩んでる事や苦しんでる事に親身になってくれた…まるで自分の事の様に一緒に悩んでくれる人なの。」
この九条茜の発言には流石の宮藤も開いた口が塞がらないのか茫然自失とした感じだ。
周りのクラスメイトや他クラスから来た野次馬も似たような感じだ。
2女神の副会長と姉ちゃんも結構驚いた顔をしている。
まぁ突然のカミングアウトに俺自身も似たような顔をしているのだが…。
「あ……あはは…茜は…そうだ…そうだよ!茜は騙されてるんだよ!茜は純粋で子供っぽいからそこを足立君は付け込んでるんだ!正気になりなよ茜!あか「少し黙ってよ」ねは騙され……え……?」
またもや茜の底冷えするほどの冷たい声に勢いをそがれる宮藤。
しかしそんなモノより茜の纏う空気が一気に変わる。
茜の朗らかでポワワ~としたイメージは何処へやら…。
今の彼女は絶対零度をイメージする程の冷ややかな視線を宮藤に向けていた。
「これ以上、私が好きになった人を馬鹿にするのは許さないよ?私が悩んで、苦しんでる時に智君は沢山助けてくれたの…恩人なの!雅君……宮藤君は私を助けてくれた?何もしてくれなかったじゃない?そんな人に私の好きな人を馬鹿にされたくないよ。」
「そ、そんなの…言ってくれなきゃわからない…」
「なんども言ったよ…でも貴方は私と真面目に向き合ってくれなかった…もう遅いんだよ……行こ、智君。」
「え…?あっ、ああ。」
俺の手を取り茜はスタスタと宮藤やその周りを囲う野次馬達から距離を開けていく。
ガチギレした茜さんはとても恐ろしい。
これまで溜め込んで来たモノを一気に放出したのだろう、先程の茜の勢いは正に止まる所を知らないレベルだった。
結局あの騒ぎのせいで昼休みは4割程削られ外に出てもゆっくりと過ごすだけの時間も無く2人でまったりするのが難しくなった俺達はいつもの中庭にきていた。
「ご…ごめん…私…考えなしで勢いで……ごめんなさい…。」
「い…いいよ…いつかは言わないと駄目な事だし、いいきっかけになったと思えばさ…」
「うぅ…本当にごめんなさい…」
「ならさ!その俺のお願いを聞いてくれよ!それでチャラってのはどう?」
「え…?お…お願い?」
「そうそう…。」
どさくさに紛れて願望をぶつける俺。
実にサイテーな事だが俺は男の子なんだ。
無理を押して道理を蹴っ飛ばしてでも意地を叶えたい時があるのだ!!
男の子には!
「何をして欲しいの…?そのエッチなのは……駄目だよ?わ…私達…まだお付き合いして、日も浅いし…そういうのは…もう少し…その段階をね…?」
くねくねと腰を振り頬を赤らめている。
言葉と仕草、態度がまるっきり一致していない。
これは強引に行けばおそらくなし崩してきにエッチな事もできてしまいそうだ。
しかし俺は己の本能をぐっと抑え込んで堪える。
「その…彼女に膝枕してもらって耳掃除をしてもらうのが……夢だったんだ…。」
「え……?あ…耳掃除…耳掃除ね…うんうん!お安い御用だよ?うんうん!耳掃除ね?うん!うん!」
いったい何を予想していたのか彼女はみるみる顔を茹で蛸の様に赤くしていく。
エッチなのは駄目という言葉とはウラハラにかなり攻めた妄想をしていた様だ。
俺はここで知る事となる。
九条茜は割りかしムッツリさんなのだと。
あとがき───────────────────────
もしこの作品を読んで面白いと少しでも思っていただけたなら、応援やコメントをよろしくお願いします。
もっとも昼休みの終わる10分前には戻って来る事が義務付けられているのであまりゆっくりとはしてられないが。
加えてその短い範囲で行ける場所にゲーセン等は無く昼休みに学校外に出ても精々コンビニに昼飯を買いに行くくらいしか取れる選択はない。
もっとも付き合いたてでイチャつきたい盛の学生にとっては願ってもない制度だ。
俺と茜は1~2分ズラして教室を出る約束をしていたのだが厄介な事になった。
昼休みに教室から出て行こうとした茜に宮藤が話しかけていた。
「あ…茜…その何処に行くの?」
「え…?…と…トイレだよ?」
「そ…そうなんだ?ぼ…僕も付いて行っていいかな?」
アイツは何を言ってるんだ…
女子のトイレに付いて行くとか普通に変態ではないか?
俺と同意見なのか、教室内の生徒は男子どころか女子までも、うわっ!?アイツマジ?ないわぁ~って顔をしている。
「うん、それは止めてほしいかな?前から言おうと思ってたから言うけど雅君はもう少しデリカシーを持った方がいいよ、じゃあね」
茜はそうビシっというと回れ右して立ち去ろうとするが宮藤はそれを良しとはしないようで茜の腕をガシっと掴んだ。
「何、怒ってんだよ、ただトイレに一緒に行こうって言っただけだろ?最近の茜、変だよ?」
「別に私は普通だよ?それより離してくれる?」
「なっ?なんだよ!その態度!!茜らしくないよ!」
「…………私らしいって何かな?」
「え……?あ…茜はいつもニコニコしてて、優しくて…なのに…今の茜は…機嫌悪そうだから…」
「そりゃ機嫌も悪くなるよ、私トイレに行きたいのにそれを邪魔されてるんだから」
「だから…トイレなら僕も一緒に…」
埒が明かないな…
目立ちたくは無いが助け舟を出した方が良いだろうと2人の前に行こうとすると、それより早くあの2人に介入する者達がいた。
「どうしたんだい?二人共?大きな声を出して?」
「駄目ですよ、喧嘩なんてしても何も良い事はありませんよ?」
副会長と聖女…姉の2人がやって来たみたいだ。
「蔵王先輩に桜花先輩!!」
「ふふ、どうしたんだい?ほら、落ち着きな?」
「何か辛い事があったのですね?ほら?私の胸をお貸ししますよ?」
年上お姉さん達に囲まれ慰められる宮藤。
見る見る内にヘラヘラ、デレ~とした締まりの無い顔になる。
そのまま気分を持ち直したのか茜をズビシっと指さし、まくし立てるように言った。
「茜が怒るんです!僕何も悪い事してないのに…!僕の事を面倒くさそうに!やっぱり最近の茜、何か変だよ!」
「そうなのかい?九条さん?いったいどういう事かな?」
「喧嘩をしたなら謝らないといけませんよ?九条さん?」
「………。」
茜はなんとも形容しがたい顔をしている。
面倒くさい事になった。
流石に出て行かざるを得ないか。
俺は茜の前に立ち、彼女を守る様に姉や副会長…そしてその後ろに隠れる宮藤に言い放った。
「九条さん、トイレに行きたいみたいなんですが、それを宮藤君が邪魔してたんですよ。」
「あら、君は?」
「へ?足立君?」
「あ、とも…足立君…。」
「九条さんがトイレに行くのに自分も付いて行くと聞かないみたいで、それで揉めてたみたいですよ?」
「トイレに?」
「……。」
「姉ちゃんも俺がトイレについて来たら嫌だろ?」
「え?…まぁ…そりゃ嫌ですね…。」
「これでわかったろ?姉弟だろうと、幼馴染だろうと付いて来られたくない場所の一つや二つあるんだよ?其れくらいわかれよ。」
「なっ!トイレに付き添うだけでどうしてそんな悪者みたいに言われなくちゃならないのさ!足立君は変だよ!」
「女子がトイレに行くつってんのにそれに付いて行こうってのがデリカシーに欠ける行為なんだよ、それを理解しろよ!」
「僕等は幼馴染なんだ!他人の君にとやかく言われる筋合いも権利も無いよ!」
「幼馴染でも最低限のデリカシーは持てよ、あ、ここはもう大丈夫だから九条さんは行ってて、」
「あ…ありがと…足立くん。」
彼女はそのまま教室から立ち去っていった。
実際にトイレに行くのかはわからないが騒いだせいで人が集まって来ている。こうもギャラリーが大勢の中でトイレトイレと言われたら流石に恥ずかしいし可哀想だ、後で謝っておこう。
「あ……茜………くっ!…ど!どうして僕の邪魔するんだ!足立君には関係ないだろ!!どうして!」
「クラスメイトが困ってるんだ、助けるのに関係ないとかあるとか、それこそ関係ないだろ?」
「なっ…なんなんだよ!君は!そもそもどうして君がしゃしゃり出てくるのさ!……そう言えば足立君は最近妙に茜と仲が良いよね?何?もしかして茜に気でもあるの?」
何コイツ?
普段はやたらと鈍いクセに鋭い所をついて来やがる。
てか俺と茜が一緒にいる所を見られてたのか?
「気があるかどうかならそりゃ…あるだろ?あんな可愛い子がクラスメイトなら普通は点数稼ぎの一つもするさ」
「なっ?最低だね!君は!言っておくけど君みたいな軽率でチャラい奴の事なんて茜は好みでもなんでもないからね?勘違いしたら君が可哀想だから忠告はしておくよ?君みたいなのでも一応は友達だからね?」
「そりゃどーも、まぁ…九条さんに片思いする分には個人の自由だからな、好きにやらせて…」
「あはは!馬鹿じゃないの!聞いてなかったの?茜は君みたいなタイプは興味無いっていってるの!幼馴染の僕が言ってるんだよ?良い加減にあきら……」
「雅君…。」
「へ……?あか……ね?」
立ち去った筈の茜がいつの間にか戻って来ていた。
それだけでもビックリだが、
宮藤の勢いを殺すだけの熱量を静かに持った声に周りの野次馬も凍りついた様な錯覚を感じた。
トイレに行った筈の九条茜がそこに静かに立っていた。
「黙ってるつもりだったけどこの際だから言うね…私…足立智春君…智君とお付き合いしてるの…」
「は?……お付き合い…?」
「そうだよ?お付き合い、恋人同士って事。
彼は私が悩んでる事や苦しんでる事に親身になってくれた…まるで自分の事の様に一緒に悩んでくれる人なの。」
この九条茜の発言には流石の宮藤も開いた口が塞がらないのか茫然自失とした感じだ。
周りのクラスメイトや他クラスから来た野次馬も似たような感じだ。
2女神の副会長と姉ちゃんも結構驚いた顔をしている。
まぁ突然のカミングアウトに俺自身も似たような顔をしているのだが…。
「あ……あはは…茜は…そうだ…そうだよ!茜は騙されてるんだよ!茜は純粋で子供っぽいからそこを足立君は付け込んでるんだ!正気になりなよ茜!あか「少し黙ってよ」ねは騙され……え……?」
またもや茜の底冷えするほどの冷たい声に勢いをそがれる宮藤。
しかしそんなモノより茜の纏う空気が一気に変わる。
茜の朗らかでポワワ~としたイメージは何処へやら…。
今の彼女は絶対零度をイメージする程の冷ややかな視線を宮藤に向けていた。
「これ以上、私が好きになった人を馬鹿にするのは許さないよ?私が悩んで、苦しんでる時に智君は沢山助けてくれたの…恩人なの!雅君……宮藤君は私を助けてくれた?何もしてくれなかったじゃない?そんな人に私の好きな人を馬鹿にされたくないよ。」
「そ、そんなの…言ってくれなきゃわからない…」
「なんども言ったよ…でも貴方は私と真面目に向き合ってくれなかった…もう遅いんだよ……行こ、智君。」
「え…?あっ、ああ。」
俺の手を取り茜はスタスタと宮藤やその周りを囲う野次馬達から距離を開けていく。
ガチギレした茜さんはとても恐ろしい。
これまで溜め込んで来たモノを一気に放出したのだろう、先程の茜の勢いは正に止まる所を知らないレベルだった。
結局あの騒ぎのせいで昼休みは4割程削られ外に出てもゆっくりと過ごすだけの時間も無く2人でまったりするのが難しくなった俺達はいつもの中庭にきていた。
「ご…ごめん…私…考えなしで勢いで……ごめんなさい…。」
「い…いいよ…いつかは言わないと駄目な事だし、いいきっかけになったと思えばさ…」
「うぅ…本当にごめんなさい…」
「ならさ!その俺のお願いを聞いてくれよ!それでチャラってのはどう?」
「え…?お…お願い?」
「そうそう…。」
どさくさに紛れて願望をぶつける俺。
実にサイテーな事だが俺は男の子なんだ。
無理を押して道理を蹴っ飛ばしてでも意地を叶えたい時があるのだ!!
男の子には!
「何をして欲しいの…?そのエッチなのは……駄目だよ?わ…私達…まだお付き合いして、日も浅いし…そういうのは…もう少し…その段階をね…?」
くねくねと腰を振り頬を赤らめている。
言葉と仕草、態度がまるっきり一致していない。
これは強引に行けばおそらくなし崩してきにエッチな事もできてしまいそうだ。
しかし俺は己の本能をぐっと抑え込んで堪える。
「その…彼女に膝枕してもらって耳掃除をしてもらうのが……夢だったんだ…。」
「え……?あ…耳掃除…耳掃除ね…うんうん!お安い御用だよ?うんうん!耳掃除ね?うん!うん!」
いったい何を予想していたのか彼女はみるみる顔を茹で蛸の様に赤くしていく。
エッチなのは駄目という言葉とはウラハラにかなり攻めた妄想をしていた様だ。
俺はここで知る事となる。
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