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the 7th day 浮かれる2人
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「団長、さっきのあれはつまり……、今夜は、俺とロキと殿下の3人で過ごそうってことなんですよね?」
自室ではシンがまだ混乱の中だった。
「その通りだが、そのままの意味だぞ」
カイは部下の姿を見て不安になった。まさか王女殿下に手を出すほど愚かな部下だとは思わないが、何しろ浮かれ方がおかしい。
「シン、理性だけは最大出力で行かないと……」
普段は冷静なロキも様子が変だ。
「おいおいおい……お前ら何なんだ。今から断ってくるぞ」
カイがそう言うと、
「団長の鬼! 悪魔!」
「この状況で断るとか人でなしですか!」
と必死で訴えている。
「…………くれぐれも、自分たちの立場をわきまえてくれ…………」
カイは少し青ざめながら部下に言うと、
「さっきの殿下の破壊力には完全にやられましたが……それが全く分からない団長が恐ろしいですね」
とロキは褒めているのか貶しているのか分からないことを口走り、カイに睨まれる羽目になった。
シンとロキは、夜の護衛中にレナと話をすることになり、護衛前から身だしなみチェックを念入りに行い、シャワーまでしっかりと浴びていた。カイはいよいよ軽蔑した目で2人を見ていたが、
「女性と近距離で話すってことは、マナーが要るんです! 今日は汗もかきましたしね!」
とシンがカイの蔑んだ眼を払うように言った。ロキも、
「あーあーやだやだ、女性を前に浮かれる男心が分からないなんて、人生半分以上を損してますね」
と応戦する。ロキは自慢の美しい髪を後ろで束ねると、鏡に映る自分に少しうっとりしていた。
「おーおー、そこの美男は鏡の中の自分に酔えて羨ましいな」
と、その姿を見たシンがからかうように言うと、
「シンも団長も、もっと自分に酔って良いんだけどね」
と思わぬ返しをされ、
「いや、確かにロキは綺麗な顔してるからそれで良いと思うし、団長なんて同じ人間だと思いたくないくらいだけど、俺はさ、至って普通の成年男子だから……」
とシンは謙遜した。
「シンは自己評価が低すぎて、たまにむかつくんだよ……」
ロキは鏡を通してシンを睨んだ。自分が貶されているわけでもないのに、時々ロキはシンの自己評価に厳しい。
「俺より背がちょっと高くて、騎士としても腕が良くて、顔も普通に良いし、なにより性格が良い……」
そう言いながらため息をつくと、
「俺が女なら、俺みたいな男より、シンを選ぶよ」
と言って鏡の前から離れた。
「ロキが女だったら無敵すぎて、どうすることもできないな。男で良かったよ」
シンはそう言って髪を軽く整えると、帯剣して隣の部屋に向かおうとする。
「ところで、ロキが女だったら団長ってどういう評価?」
と小声でシンが聞くと、
「それ聞く? ありえないに決まってんだろ。見た目がどんなによくてもあの性格と枯れ切った性、もはやご隠居様だろ。この位の年齢は、がつがつしてるくらいが丁度良いんだよ」
とロキはまるで女だったことがあるかのように言い切った。
自室ではシンがまだ混乱の中だった。
「その通りだが、そのままの意味だぞ」
カイは部下の姿を見て不安になった。まさか王女殿下に手を出すほど愚かな部下だとは思わないが、何しろ浮かれ方がおかしい。
「シン、理性だけは最大出力で行かないと……」
普段は冷静なロキも様子が変だ。
「おいおいおい……お前ら何なんだ。今から断ってくるぞ」
カイがそう言うと、
「団長の鬼! 悪魔!」
「この状況で断るとか人でなしですか!」
と必死で訴えている。
「…………くれぐれも、自分たちの立場をわきまえてくれ…………」
カイは少し青ざめながら部下に言うと、
「さっきの殿下の破壊力には完全にやられましたが……それが全く分からない団長が恐ろしいですね」
とロキは褒めているのか貶しているのか分からないことを口走り、カイに睨まれる羽目になった。
シンとロキは、夜の護衛中にレナと話をすることになり、護衛前から身だしなみチェックを念入りに行い、シャワーまでしっかりと浴びていた。カイはいよいよ軽蔑した目で2人を見ていたが、
「女性と近距離で話すってことは、マナーが要るんです! 今日は汗もかきましたしね!」
とシンがカイの蔑んだ眼を払うように言った。ロキも、
「あーあーやだやだ、女性を前に浮かれる男心が分からないなんて、人生半分以上を損してますね」
と応戦する。ロキは自慢の美しい髪を後ろで束ねると、鏡に映る自分に少しうっとりしていた。
「おーおー、そこの美男は鏡の中の自分に酔えて羨ましいな」
と、その姿を見たシンがからかうように言うと、
「シンも団長も、もっと自分に酔って良いんだけどね」
と思わぬ返しをされ、
「いや、確かにロキは綺麗な顔してるからそれで良いと思うし、団長なんて同じ人間だと思いたくないくらいだけど、俺はさ、至って普通の成年男子だから……」
とシンは謙遜した。
「シンは自己評価が低すぎて、たまにむかつくんだよ……」
ロキは鏡を通してシンを睨んだ。自分が貶されているわけでもないのに、時々ロキはシンの自己評価に厳しい。
「俺より背がちょっと高くて、騎士としても腕が良くて、顔も普通に良いし、なにより性格が良い……」
そう言いながらため息をつくと、
「俺が女なら、俺みたいな男より、シンを選ぶよ」
と言って鏡の前から離れた。
「ロキが女だったら無敵すぎて、どうすることもできないな。男で良かったよ」
シンはそう言って髪を軽く整えると、帯剣して隣の部屋に向かおうとする。
「ところで、ロキが女だったら団長ってどういう評価?」
と小声でシンが聞くと、
「それ聞く? ありえないに決まってんだろ。見た目がどんなによくてもあの性格と枯れ切った性、もはやご隠居様だろ。この位の年齢は、がつがつしてるくらいが丁度良いんだよ」
とロキはまるで女だったことがあるかのように言い切った。
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