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第10章 新しい力
油断はできない
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「レオナルド!」
最初に大きな声を上げたレナは、ただ驚いてその姿を見つめていた。
「あなたのお陰で……」
「狙いは何だ!」
緊張感のないレナとは対照的に、カイは必死にレナを背に隠し、ロキは思い切り殺気を出してレオナルドを睨む。
「やだなあ。そこの妹の恩人に対して」
「お前が裏のない行動をとるとは思えないからな」
カイの背に隠されたレナは、それでもレオナルドの方を見ようとカイの脇から顔を出した。
「相変わらず可愛いな、妹は」
「お前の実の妹じゃないだろう」
相変わらずの笑顔で話すレオナルドに、カイは探るように会話をする。
「僕、ポテンシアの戸籍にエレナ・サントーロって妹を入れておいたんですよ」
「……ってことは、ゆくゆくは団長のお義兄様になるんですかね……」
シンがレオナルドの言葉に反応した。
「何……? あれが義兄だと……?」
カイとロキが愕然している。レオナルドにレナの兄らしい要素はどこにもないが、籍と言われると反論できない。
「冗談ですよ」
(殺してやりたい、もう、今すぐにでも)
笑えない冗談を言って例の笑顔を見せるレオナルドに、ロキは本気で殺意が湧いた。無意識に自身の剣を抜きかけている。
カイは受けたダメージから立ち直れず、その場でしゃがんで項垂れていた。レナはそんなカイを不思議そうに眺めている。
「で? 俺たちはレオナルドがロキに接触してきた理由が知りたい」
カイとロキに比べダメージを受けていないシンが冷静に尋ねると、レオナルドはくすりと笑った。
「僕の妹のことを好きで必死に探していた金持ちが、急に妹を探さなくなったってことから……匿っている可能性が高いと読んだんですよ」
「……そういうことか」
シンが納得していると、ロキは冷静になり抜きかけた剣を元に戻した。
「レナを探していたのは、ルイス王子の元にでも連れて行くつもだったのか? それが国王の狙いか?」
カイが淡々とレオナルドに尋ねると、レオナルドはくすくすと笑う。
「いえ、生存が分かればそれで満足するつもりだったんですけど……。ルイス王子のところに一緒に来ていただけるというのなら、連れて行きますよ。僕の狙いは面白いものがただ見たいというだけなので」
笑顔が真顔に戻る瞬間、レオナルドの鋭い目がカイを捉えていた。
「趣味が悪いのは相変わらずだな」
「死んだはずのルリアーナ王女が現れたら、ルイス王子はどうなるんでしょうね?」
レオナルドは口元だけで笑った。ニヤリと歪んだ顔が、ただの好奇心からくるものとは思えない。
「恐らく、ルイス王子は国王陛下を討つでしょう。僕は新しい国王陛下になったルイス様に、死んだはずの王女が生きていたことを知らせたい。
国王――つまり実の父親を討った後、復讐が果たされたルイス王子の前にあなたが現れたら……?」
レオナルドは淡々と話すと、また同じ笑顔でニヤリと笑う。
「そんなことの、ために……?」
レナは言葉を失っていた。レオナルドという人物を、量りかねていたかもしれない。
「ルイス王子を放っておいたら、あの人は暴走してリブニケ王国と手を組んでおかしな国を作るかもしれません。そのためにも、王女の生存はいい刺激になる」
「それなら、国王を討つ前に知らせた方が良いんじゃないの?」
「それはできません」
レオナルドは、にこりと笑った。
「ルイス王子があれだけ能動的に動いているのは、国王陛下の狙い通りです。僕は国王陛下が倒れるその瞬間まで、あの人の意志を尊重しなければ」
「……何を、言ってるの?」
「そのままの意味ですよ、レナ王女。ポテンシア国王陛下は、ルイス王子に討たれるつもりです」
「なんだと……?」
街の一角で、誰に聞かれてしまうかも分からない場所だ。声を潜めながら、4人は愕然とする。
――ポテンシア国王の狙いは、実の子に反乱を起こさせることだったのだろうか。
レオナルドの言葉が、にわかには信じられなかった。
最初に大きな声を上げたレナは、ただ驚いてその姿を見つめていた。
「あなたのお陰で……」
「狙いは何だ!」
緊張感のないレナとは対照的に、カイは必死にレナを背に隠し、ロキは思い切り殺気を出してレオナルドを睨む。
「やだなあ。そこの妹の恩人に対して」
「お前が裏のない行動をとるとは思えないからな」
カイの背に隠されたレナは、それでもレオナルドの方を見ようとカイの脇から顔を出した。
「相変わらず可愛いな、妹は」
「お前の実の妹じゃないだろう」
相変わらずの笑顔で話すレオナルドに、カイは探るように会話をする。
「僕、ポテンシアの戸籍にエレナ・サントーロって妹を入れておいたんですよ」
「……ってことは、ゆくゆくは団長のお義兄様になるんですかね……」
シンがレオナルドの言葉に反応した。
「何……? あれが義兄だと……?」
カイとロキが愕然している。レオナルドにレナの兄らしい要素はどこにもないが、籍と言われると反論できない。
「冗談ですよ」
(殺してやりたい、もう、今すぐにでも)
笑えない冗談を言って例の笑顔を見せるレオナルドに、ロキは本気で殺意が湧いた。無意識に自身の剣を抜きかけている。
カイは受けたダメージから立ち直れず、その場でしゃがんで項垂れていた。レナはそんなカイを不思議そうに眺めている。
「で? 俺たちはレオナルドがロキに接触してきた理由が知りたい」
カイとロキに比べダメージを受けていないシンが冷静に尋ねると、レオナルドはくすりと笑った。
「僕の妹のことを好きで必死に探していた金持ちが、急に妹を探さなくなったってことから……匿っている可能性が高いと読んだんですよ」
「……そういうことか」
シンが納得していると、ロキは冷静になり抜きかけた剣を元に戻した。
「レナを探していたのは、ルイス王子の元にでも連れて行くつもだったのか? それが国王の狙いか?」
カイが淡々とレオナルドに尋ねると、レオナルドはくすくすと笑う。
「いえ、生存が分かればそれで満足するつもりだったんですけど……。ルイス王子のところに一緒に来ていただけるというのなら、連れて行きますよ。僕の狙いは面白いものがただ見たいというだけなので」
笑顔が真顔に戻る瞬間、レオナルドの鋭い目がカイを捉えていた。
「趣味が悪いのは相変わらずだな」
「死んだはずのルリアーナ王女が現れたら、ルイス王子はどうなるんでしょうね?」
レオナルドは口元だけで笑った。ニヤリと歪んだ顔が、ただの好奇心からくるものとは思えない。
「恐らく、ルイス王子は国王陛下を討つでしょう。僕は新しい国王陛下になったルイス様に、死んだはずの王女が生きていたことを知らせたい。
国王――つまり実の父親を討った後、復讐が果たされたルイス王子の前にあなたが現れたら……?」
レオナルドは淡々と話すと、また同じ笑顔でニヤリと笑う。
「そんなことの、ために……?」
レナは言葉を失っていた。レオナルドという人物を、量りかねていたかもしれない。
「ルイス王子を放っておいたら、あの人は暴走してリブニケ王国と手を組んでおかしな国を作るかもしれません。そのためにも、王女の生存はいい刺激になる」
「それなら、国王を討つ前に知らせた方が良いんじゃないの?」
「それはできません」
レオナルドは、にこりと笑った。
「ルイス王子があれだけ能動的に動いているのは、国王陛下の狙い通りです。僕は国王陛下が倒れるその瞬間まで、あの人の意志を尊重しなければ」
「……何を、言ってるの?」
「そのままの意味ですよ、レナ王女。ポテンシア国王陛下は、ルイス王子に討たれるつもりです」
「なんだと……?」
街の一角で、誰に聞かれてしまうかも分からない場所だ。声を潜めながら、4人は愕然とする。
――ポテンシア国王の狙いは、実の子に反乱を起こさせることだったのだろうか。
レオナルドの言葉が、にわかには信じられなかった。
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