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第11章 歴史を変える
戦争の爪痕
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昼前に国境の町に着くと、レナは久しぶりに訪れたその景色を見て愕然とした。
明らかに、何者かが破壊行動をとった形跡が見られる。道や建物に壊れた場所や、焼かれた跡が残る建物すらあった。
「どうして……」
レナは辺りを見回して震える。
自分が暮らしていたよく知った町は、すっかり変わり果てていた。
「リブニケ兵がやったんだろう。この間レナが救った兵士は、こういうことをするためにポテンシアに派遣されていた」
「うそっ……」
レナの小さな肩ががくがくと震えているのを見て、カイは無理もない、と辺りを見渡す。
戦時中の国ではよく起きることだが、レナにとっては第二の故郷ともいえる場所が被害に遭ってしまった。
「レナの姉貴分たちが無事か、探そう」
「……」
カイがレナの手を引いて歩き出すと、レナは引きずられるように力なく進む。
瓦礫が散らばる道を歩くと、大事な人たちに何かあったのではないかと気が気ではなかった。
レナが働いていたバール、「アウル」に到着する。
建物は比較的被害が少なそうだ。が、中を覗くとテーブルが倒れて椅子が転がっている。営業はしていなかった。
「ひどい……」
ステージのピアノが壊されているのが外からでも分かり、レナはポロポロと涙を流す。
「どうして、こんなこと……」
これはルイスがリブニケ人兵に「ポテンシアを滅ぼせ」という指示をしたせいで起きたことなのだろう。
「間に合って、いなかった……」
涙を零しながら両手で口を抑えている。声が漏れるのを堪えているようだ。
レナはルイスに会うタイミングが遅すぎたのだと自分を責めていた。
カイはその背中をさすりながら「レナのせいではない」と何度も声を掛けた。
レナはなかなか泣き止まなかったが、アウルシスターズやイサームを探しに行こうと思い立つ。
涙を必死に拭いながら、集合住宅の方へ向かおうとカイを誘った時だった。
「あれ? エレナ、さん?」
向こうから歩いて来るひとりの男性に話しかけられて、レナは誰だろうと首を傾げる。
「はい……」
「良かった、ご無事で……!」
男性は、以前アウルを訪れていた客だったらしい。リブニケ兵に攻められた町で、復興の手伝いをしているのだと語った。
「アウルの関係者は、無事なんですか?」
「はい、ここから少し離れた村で、みなさん生活していますよ」
「良かった……!」
レナが胸を撫でおろすと、カイは「そちらに行ってみようか?」と誘う。
レナが嬉しそうに頷くと、声を掛けて来た男性は「幸せそうですね」と羨ましそうに2人を眺めていた。
「あ、あの……。ごめんなさい。話の途中だったのに……」
レナは気まずそうに謝って、村の場所や国境の町で起きたことを尋ねた。
破壊のために兵士が訪れて、略奪がいくつか起きたこと、一時は人が住めない状態になってしまったことを教えられる。
レナは頷きながら、ポロポロとまた涙を流した。
「また、歌いに来てくださいね。エレナさんがいるお店に行くのは楽しかったです。あの日々がまた戻るように、僕たちはもう少し頑張ります」
「また、来ます……必ず。どうか、この町を……よろしくお願いします」
男性とはそこで別れる。
カイは教えられた村にレナを連れて行くためクロノスに跨ってレナを乗せると、そのまま町を後にした。
明らかに、何者かが破壊行動をとった形跡が見られる。道や建物に壊れた場所や、焼かれた跡が残る建物すらあった。
「どうして……」
レナは辺りを見回して震える。
自分が暮らしていたよく知った町は、すっかり変わり果てていた。
「リブニケ兵がやったんだろう。この間レナが救った兵士は、こういうことをするためにポテンシアに派遣されていた」
「うそっ……」
レナの小さな肩ががくがくと震えているのを見て、カイは無理もない、と辺りを見渡す。
戦時中の国ではよく起きることだが、レナにとっては第二の故郷ともいえる場所が被害に遭ってしまった。
「レナの姉貴分たちが無事か、探そう」
「……」
カイがレナの手を引いて歩き出すと、レナは引きずられるように力なく進む。
瓦礫が散らばる道を歩くと、大事な人たちに何かあったのではないかと気が気ではなかった。
レナが働いていたバール、「アウル」に到着する。
建物は比較的被害が少なそうだ。が、中を覗くとテーブルが倒れて椅子が転がっている。営業はしていなかった。
「ひどい……」
ステージのピアノが壊されているのが外からでも分かり、レナはポロポロと涙を流す。
「どうして、こんなこと……」
これはルイスがリブニケ人兵に「ポテンシアを滅ぼせ」という指示をしたせいで起きたことなのだろう。
「間に合って、いなかった……」
涙を零しながら両手で口を抑えている。声が漏れるのを堪えているようだ。
レナはルイスに会うタイミングが遅すぎたのだと自分を責めていた。
カイはその背中をさすりながら「レナのせいではない」と何度も声を掛けた。
レナはなかなか泣き止まなかったが、アウルシスターズやイサームを探しに行こうと思い立つ。
涙を必死に拭いながら、集合住宅の方へ向かおうとカイを誘った時だった。
「あれ? エレナ、さん?」
向こうから歩いて来るひとりの男性に話しかけられて、レナは誰だろうと首を傾げる。
「はい……」
「良かった、ご無事で……!」
男性は、以前アウルを訪れていた客だったらしい。リブニケ兵に攻められた町で、復興の手伝いをしているのだと語った。
「アウルの関係者は、無事なんですか?」
「はい、ここから少し離れた村で、みなさん生活していますよ」
「良かった……!」
レナが胸を撫でおろすと、カイは「そちらに行ってみようか?」と誘う。
レナが嬉しそうに頷くと、声を掛けて来た男性は「幸せそうですね」と羨ましそうに2人を眺めていた。
「あ、あの……。ごめんなさい。話の途中だったのに……」
レナは気まずそうに謝って、村の場所や国境の町で起きたことを尋ねた。
破壊のために兵士が訪れて、略奪がいくつか起きたこと、一時は人が住めない状態になってしまったことを教えられる。
レナは頷きながら、ポロポロとまた涙を流した。
「また、歌いに来てくださいね。エレナさんがいるお店に行くのは楽しかったです。あの日々がまた戻るように、僕たちはもう少し頑張ります」
「また、来ます……必ず。どうか、この町を……よろしくお願いします」
男性とはそこで別れる。
カイは教えられた村にレナを連れて行くためクロノスに跨ってレナを乗せると、そのまま町を後にした。
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