53 / 134
2章
情愛
しおりを挟む
上の階まで繋がっている階段。この続きにユリシーズがいる。
「帰ってきたのですか……?」
力のない声がした。今まで聞いたことがない弱弱しい声。
「帰ってきました。あなたは大丈夫なの?」
「いいえ。全く大丈夫ではありません」
きっぱりと言われて違和感を覚える。なにかしら、この感じ。
「昨日……公爵家の庭に来たのは……」
「ノクスです」
「撃たれたって聞いたの。私も遠くから見ていたけれど……」
恐る恐る階段を上っていくと、降りてきたユリシーズが私を目に入れて……そして大粒の涙を目からこぼした。
「どうして泣いているの?」
「もう、二度と会えないかと……私がどれだけ泣き暮らしていたか……」
「ワンって鳴いたの?」
「……いえ。その『鳴く』ではなく」
ユリシーズは素早く階段を降りてきた。無言でひょいと軽く抱き上げられて濡れた目で私を運んでいく。銃に撃たれたところはどうなっているのかしら。
「あの、ユリシーズ」
「絶対に公爵家になんか帰らせません」
「……私が油断したの。ごめんなさい」
ユリシーズの横顔が見える。はっきりと隈ができていて、目も充血していて……。
「私がいなくなって、眠れなかった?」
「当り前じゃないですか」
怒った顔をしている。何に怒っているかは、まだ分からない。
「私も、昨日は眠れなかった」
「昨日だけですか?」
冷たい声でそう言うと、ユリシーズは私を片手で抱えたまま部屋の扉を開ける。
器用ね、と思っているとそのまま私を運び……ベッドの上に放り投げた。
「お互い寝不足のようですね。いまから寝ます」
「は??」
「私はアイリーンがいないと眠れない身体になってしまいました。これからアイリーンを抱きしめて寝ます」
「……別に、いいわよ」
なんなら、撫でて寝かしつけてあげてもいいけれど、と言いそうになってやめた。
久しぶりのベッドに転がされた私に、ユリシーズの身体が被さってきたから。
「この家の至る所に貴女の匂いが残っているのに、姿がないのは辛かったです。人狼が伴侶を追って衰弱死してしまう理由が分かりました。愛する伴侶を身近に感じてその姿を探してしまう。生きるのが辛すぎます」
ぎゅうっと上から彼の重みがかかる。身体の奥がビリビリと痺れて、自分が溶けてしまいそう。
好きな人に抱きしめられる感覚を、久しぶりに思い出した。
「それで眠れなかったのね。今日はゆっくり寝られそう?」
「眠るのが惜しいですが、辛くて眠れない日々とは決別できそうです」
「そう」
これから一緒に眠るのであれば、このドレスを着たままでは無理だ。
「後ろの紐を解いてくれる? このままじゃ苦しいの」
ユリシーズは体重をかけたまま私の背に手を回して、そっと私の唇に唇を重ねた。背中の紐を探りながら、確かめるように何度も口づけを繰り返す。
解く紐を探り当てると、私のドレスは簡単に緩んだ。
まずい。ドレスで寝るのは無理だと思ってお願いしたものの、それがユリシーズに服を脱がせてとお願いしたのだといまさら気付く。
「ちょっ……んんっ」
待って、と言ったのに、口を塞がれて伝わらない。ユリシーズの熱にあてられて何も考えられなくなりそうだけど、このまま流されたら大変な姿をさらす羽目になってしまう。
ドレスを抱えるようにして胸元を抑えると、荒い息が耳をくすぐった。
「抱きしめて眠るだけのつもりだったのに、どうして貴女は……」
「わ、私だってそのつもりで……」
さらに、ドレスの下に着ているコルセットのことを忘れていた。
これを脱がずに眠るのは無理だ。でも、コルセットを外したらほぼ裸になってしまう。それはまずい。非常にまずい。
だけど、目の下に隈があるユリシーズを見て一刻も早く寝なくちゃとも思う。
どうしよう。どうしたらいいの。
「私のバスローブを貸しますから、中に着ている硬い下着を脱いで着替えてください。下着の紐を解くところまでは手伝います」
「ありがとう」
「狙ったわけではないのですよね? 私が暴走してしまったらどうするつもりだったのですか……」
私を起き上がらせて、ユリシーズはコルセットの紐を解く。
ベッドから立ち上がって、項垂れながらベッド脇にあった紺色のバスローブを差し出してきた。
「これを」
片手で胸元を抑えたまま、バスローブを受け取る。
この人が暴走したらどうなるのか見てみたい、と思った。
本当は何をしたかったのかを知りたくて、だから、私の本能はユリシーズを欲しているのかもしれない。
公爵家に狙われていると分かった今、そんなこと考えていたらいけないのに。
ユリシーズもガウンに着替えるらしく、私に背を向けて服を脱ぎ始めた。
その隙にドレスとコルセットも下着も全て脱ぎ捨ててバスローブだけを羽織る。柔らかい綿の肌触りが良くて素肌に気持ちがいい。
「もう大丈夫よ」
シャツを脱ぎかけていたユリシーズが振り返って、私を見た途端ぶわっと赤くなる。
「?」
「貴女という人は……」
そう言ってまた背を向けてしまった。
ディエスは純情というか、すぐ照れてしまうらしい。
「どうしてそんなに恥ずかしがっているの?」
「私の気持ちを知りながら、そんな恰好をするなんて……」
あなたに渡されたバスローブを羽織っただけじゃないの。
確かに胸が際どいところまで見えているかもしれないけれど、私の育った地域ではこのくらいなら下品でも性的でもなかった。足だけは絶対に出すなと言われていたけれど。
「ちゃんと隠しています」
「もしかして、今までそんな姿を他人に晒してきたのですか?」
「いいえ? 人前で下着を外したのは初めてよ」
「……今の状態を想像してしまったじゃないですか」
後ろ姿のユリシーズは、耳が真っ赤になっている。
ああ、帰ってきた、と思った。
「あなた」
そっと後ろから抱き着くと、ユリシーズは身体をこわばらせる。
ごくりと生唾を飲み込んだ音がした。
「ずっと会いたかった。胸にあなたの手紙を隠して帰ってきたのよ」
その手紙は、脱いだ服の上に置いている。
「アイリーンがいることがどれだけ幸せか。もうどこにも行かないでください」
「私だって、どこにも行きたくなかった」
思わず口を尖らせる。自分の意思で公爵家に行ったわけではないし、そもそもユリシーズと離れなければペトラに捕まることもなかった。
そういえば、ペトラに事情を聞いたりしたのかしら。
ユリシーズはこちらに向き直って私の頬に触れる。ボタンを外したシャツから素肌が覗いていた。
そういえば、昨日撃たれたはずでは……?
「撃たれたところは?」
「ええ。怪我には至りませんでした」
「?」
怪我に至らなかった……?
それってどういうこと……?
「どうやら撃たれたのはこの辺だったようですが、内出血痕すら残りませんでしたね」
そう言ってユリシーズがはだけた腹部をさする。
怪我を見ようとして彫刻のような身体をハッキリ見てしまった。顔が熱い。
「満月と新月の夜、人狼は銀製の武器を使わないと怪我をさせるのも難しいのです」
「……そうなの?」
「だから、あなたの元に向かいました。狼化したノクスには銃弾も剣も効きません」
「最初から教えていてくれたらよかったのに。無駄に心配しちゃったじゃないの」
「いや、まさかこんな事態になるとは思わなかったので」
「満月の前に生き血を飲むのは、狼化しないために?」
「不便ですからね。1日だけだとはいえ」
「かわいいのに」
「……」
「なによ?」
「妬けます」
潤ませた目が真剣に訴えてくるから、なんて言葉をかければいいのか迷ってしまう。
「貴女には私を見ていて欲しいのです」
「……見ているけれど、ディエスに対しては男の人を意識してしまうもの」
狼が相手だとかわいいだけなのに、ディエスの見た目は完全に男性だから……。
「意識、ですか……?」
「そうよ。恥ずかしくてまともに見られないし、抱きしめられただけで私は全身が心臓になったみたいになるし、どうしたらいいのか……」
正直に白状をした。素直になったつもりで。
ユリシーズは切なげな顔を浮かべると、私を抱きしめる。
そして私はまた抱き上げられ、ベッドの上に身体が沈んだ。
「もう、我慢をするのは止めてもいいですか?」
シャツを脱いだユリシーズに抱きしめられ、耳元の言葉に怖気づいてしまいそう。
素肌が触れ合うと、服を着たまま抱きしめられるよりもずっと心地いい感覚に息が漏れる。きっと、私の全身は彼に触れたがっているのだと思う。
「ユリシーズ……」
相手は夫で、私は彼が好きで、彼は私を愛している。
どうなっても、後悔はしないーー。
本当は、その愛を受け止めてみたいと思っていた。
離れてみて、思い知ったの。
あなたの妻として、もう少し踏み込んだ関係になりたい。
私はそっとうなずいて、ユリシーズの耳に口づけをした。
「帰ってきたのですか……?」
力のない声がした。今まで聞いたことがない弱弱しい声。
「帰ってきました。あなたは大丈夫なの?」
「いいえ。全く大丈夫ではありません」
きっぱりと言われて違和感を覚える。なにかしら、この感じ。
「昨日……公爵家の庭に来たのは……」
「ノクスです」
「撃たれたって聞いたの。私も遠くから見ていたけれど……」
恐る恐る階段を上っていくと、降りてきたユリシーズが私を目に入れて……そして大粒の涙を目からこぼした。
「どうして泣いているの?」
「もう、二度と会えないかと……私がどれだけ泣き暮らしていたか……」
「ワンって鳴いたの?」
「……いえ。その『鳴く』ではなく」
ユリシーズは素早く階段を降りてきた。無言でひょいと軽く抱き上げられて濡れた目で私を運んでいく。銃に撃たれたところはどうなっているのかしら。
「あの、ユリシーズ」
「絶対に公爵家になんか帰らせません」
「……私が油断したの。ごめんなさい」
ユリシーズの横顔が見える。はっきりと隈ができていて、目も充血していて……。
「私がいなくなって、眠れなかった?」
「当り前じゃないですか」
怒った顔をしている。何に怒っているかは、まだ分からない。
「私も、昨日は眠れなかった」
「昨日だけですか?」
冷たい声でそう言うと、ユリシーズは私を片手で抱えたまま部屋の扉を開ける。
器用ね、と思っているとそのまま私を運び……ベッドの上に放り投げた。
「お互い寝不足のようですね。いまから寝ます」
「は??」
「私はアイリーンがいないと眠れない身体になってしまいました。これからアイリーンを抱きしめて寝ます」
「……別に、いいわよ」
なんなら、撫でて寝かしつけてあげてもいいけれど、と言いそうになってやめた。
久しぶりのベッドに転がされた私に、ユリシーズの身体が被さってきたから。
「この家の至る所に貴女の匂いが残っているのに、姿がないのは辛かったです。人狼が伴侶を追って衰弱死してしまう理由が分かりました。愛する伴侶を身近に感じてその姿を探してしまう。生きるのが辛すぎます」
ぎゅうっと上から彼の重みがかかる。身体の奥がビリビリと痺れて、自分が溶けてしまいそう。
好きな人に抱きしめられる感覚を、久しぶりに思い出した。
「それで眠れなかったのね。今日はゆっくり寝られそう?」
「眠るのが惜しいですが、辛くて眠れない日々とは決別できそうです」
「そう」
これから一緒に眠るのであれば、このドレスを着たままでは無理だ。
「後ろの紐を解いてくれる? このままじゃ苦しいの」
ユリシーズは体重をかけたまま私の背に手を回して、そっと私の唇に唇を重ねた。背中の紐を探りながら、確かめるように何度も口づけを繰り返す。
解く紐を探り当てると、私のドレスは簡単に緩んだ。
まずい。ドレスで寝るのは無理だと思ってお願いしたものの、それがユリシーズに服を脱がせてとお願いしたのだといまさら気付く。
「ちょっ……んんっ」
待って、と言ったのに、口を塞がれて伝わらない。ユリシーズの熱にあてられて何も考えられなくなりそうだけど、このまま流されたら大変な姿をさらす羽目になってしまう。
ドレスを抱えるようにして胸元を抑えると、荒い息が耳をくすぐった。
「抱きしめて眠るだけのつもりだったのに、どうして貴女は……」
「わ、私だってそのつもりで……」
さらに、ドレスの下に着ているコルセットのことを忘れていた。
これを脱がずに眠るのは無理だ。でも、コルセットを外したらほぼ裸になってしまう。それはまずい。非常にまずい。
だけど、目の下に隈があるユリシーズを見て一刻も早く寝なくちゃとも思う。
どうしよう。どうしたらいいの。
「私のバスローブを貸しますから、中に着ている硬い下着を脱いで着替えてください。下着の紐を解くところまでは手伝います」
「ありがとう」
「狙ったわけではないのですよね? 私が暴走してしまったらどうするつもりだったのですか……」
私を起き上がらせて、ユリシーズはコルセットの紐を解く。
ベッドから立ち上がって、項垂れながらベッド脇にあった紺色のバスローブを差し出してきた。
「これを」
片手で胸元を抑えたまま、バスローブを受け取る。
この人が暴走したらどうなるのか見てみたい、と思った。
本当は何をしたかったのかを知りたくて、だから、私の本能はユリシーズを欲しているのかもしれない。
公爵家に狙われていると分かった今、そんなこと考えていたらいけないのに。
ユリシーズもガウンに着替えるらしく、私に背を向けて服を脱ぎ始めた。
その隙にドレスとコルセットも下着も全て脱ぎ捨ててバスローブだけを羽織る。柔らかい綿の肌触りが良くて素肌に気持ちがいい。
「もう大丈夫よ」
シャツを脱ぎかけていたユリシーズが振り返って、私を見た途端ぶわっと赤くなる。
「?」
「貴女という人は……」
そう言ってまた背を向けてしまった。
ディエスは純情というか、すぐ照れてしまうらしい。
「どうしてそんなに恥ずかしがっているの?」
「私の気持ちを知りながら、そんな恰好をするなんて……」
あなたに渡されたバスローブを羽織っただけじゃないの。
確かに胸が際どいところまで見えているかもしれないけれど、私の育った地域ではこのくらいなら下品でも性的でもなかった。足だけは絶対に出すなと言われていたけれど。
「ちゃんと隠しています」
「もしかして、今までそんな姿を他人に晒してきたのですか?」
「いいえ? 人前で下着を外したのは初めてよ」
「……今の状態を想像してしまったじゃないですか」
後ろ姿のユリシーズは、耳が真っ赤になっている。
ああ、帰ってきた、と思った。
「あなた」
そっと後ろから抱き着くと、ユリシーズは身体をこわばらせる。
ごくりと生唾を飲み込んだ音がした。
「ずっと会いたかった。胸にあなたの手紙を隠して帰ってきたのよ」
その手紙は、脱いだ服の上に置いている。
「アイリーンがいることがどれだけ幸せか。もうどこにも行かないでください」
「私だって、どこにも行きたくなかった」
思わず口を尖らせる。自分の意思で公爵家に行ったわけではないし、そもそもユリシーズと離れなければペトラに捕まることもなかった。
そういえば、ペトラに事情を聞いたりしたのかしら。
ユリシーズはこちらに向き直って私の頬に触れる。ボタンを外したシャツから素肌が覗いていた。
そういえば、昨日撃たれたはずでは……?
「撃たれたところは?」
「ええ。怪我には至りませんでした」
「?」
怪我に至らなかった……?
それってどういうこと……?
「どうやら撃たれたのはこの辺だったようですが、内出血痕すら残りませんでしたね」
そう言ってユリシーズがはだけた腹部をさする。
怪我を見ようとして彫刻のような身体をハッキリ見てしまった。顔が熱い。
「満月と新月の夜、人狼は銀製の武器を使わないと怪我をさせるのも難しいのです」
「……そうなの?」
「だから、あなたの元に向かいました。狼化したノクスには銃弾も剣も効きません」
「最初から教えていてくれたらよかったのに。無駄に心配しちゃったじゃないの」
「いや、まさかこんな事態になるとは思わなかったので」
「満月の前に生き血を飲むのは、狼化しないために?」
「不便ですからね。1日だけだとはいえ」
「かわいいのに」
「……」
「なによ?」
「妬けます」
潤ませた目が真剣に訴えてくるから、なんて言葉をかければいいのか迷ってしまう。
「貴女には私を見ていて欲しいのです」
「……見ているけれど、ディエスに対しては男の人を意識してしまうもの」
狼が相手だとかわいいだけなのに、ディエスの見た目は完全に男性だから……。
「意識、ですか……?」
「そうよ。恥ずかしくてまともに見られないし、抱きしめられただけで私は全身が心臓になったみたいになるし、どうしたらいいのか……」
正直に白状をした。素直になったつもりで。
ユリシーズは切なげな顔を浮かべると、私を抱きしめる。
そして私はまた抱き上げられ、ベッドの上に身体が沈んだ。
「もう、我慢をするのは止めてもいいですか?」
シャツを脱いだユリシーズに抱きしめられ、耳元の言葉に怖気づいてしまいそう。
素肌が触れ合うと、服を着たまま抱きしめられるよりもずっと心地いい感覚に息が漏れる。きっと、私の全身は彼に触れたがっているのだと思う。
「ユリシーズ……」
相手は夫で、私は彼が好きで、彼は私を愛している。
どうなっても、後悔はしないーー。
本当は、その愛を受け止めてみたいと思っていた。
離れてみて、思い知ったの。
あなたの妻として、もう少し踏み込んだ関係になりたい。
私はそっとうなずいて、ユリシーズの耳に口づけをした。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる
若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ!
数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。
跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。
両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。
――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう!
エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。
彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。
――結婚の約束、しただろう?
昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。
(わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?)
記憶がない。記憶にない。
姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない!
都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。
若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。
後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。
(そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?)
ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。
エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。
だから。
この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し?
弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに?
ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。
お飾りの妃をやめたら、文官様の溺愛が始まりました 【完結】
日下奈緒
恋愛
後宮に入り、妃となって二年。
それなのに一度も皇帝に抱かれぬまま、沈翠蘭は“お飾りの妃”としてひっそりと日々を過ごしていた。
ある日、文部大臣の周景文が現れ、こう告げる。
「このままでは、あなたは後宮から追い出される」
実家に帰れば、出世を望む幼い弟たちに顔向けできない――。
迷いの中で手を差し伸べた彼にすがるように身を預けた翠蘭。
けれど、彼には誰も知らない秘密があった。
冷たい後宮から始まる、甘くて熱い溺愛の物語。
ギルド回収人は勇者をも背負う ~ボロ雑巾のようになった冒険者をおんぶしたら惚れられた~
水無月礼人
恋愛
私は冒険者ギルド職員ロックウィーナ。25歳の女で担当は回収役。冒険者の落し物、遺品、時には冒険者自体をも背負います!
素敵な恋愛に憧れているのに培われるのは筋肉だけ。
しかし無駄に顔が良い先輩と出動した先で、行き倒れた美形剣士を背負ってから私の人生は一変。初のモテ期が到来です!!
……とか思ってウハウハしていたら何やら不穏な空気。ええ!?
私の選択次第で世界がループして崩壊の危機!? そんな結末は認めない!!!!
※【エブリスタ】でも公開しています。
【エブリスタ小説大賞2023 講談社 女性コミック9誌合同マンガ原作賞】で優秀作品に選ばれました。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
平穏な生活を望む美貌の子爵令嬢は、王太子様に嫌われたくて必死です
美並ナナ
恋愛
類稀なる美貌を誇る子爵令嬢シェイラは、
社交界デビューとなる15歳のデビュタントで
公爵令息のギルバートに見初められ、
彼の婚約者となる。
下級貴族である子爵家の令嬢と
上級貴族の中でも位の高い公爵家との婚約は、
異例の玉の輿を将来約束された意味を持つ。
そんな多くの女性が羨む婚約から2年が経ったある日、
シェイラはギルバートが他の令嬢と
熱い抱擁と口づけを交わしている場面を目撃。
その場で婚約破棄を告げられる。
その美貌を翳らせて、悲しみに暮れるシェイラ。
だが、その心の内は歓喜に沸いていた。
身の丈に合った平穏な暮らしを望むシェイラは
この婚約を破棄したいとずっと願っていたのだ。
ようやくこの時が来たと内心喜ぶシェイラだったが、
その時予想外の人物が現れる。
なぜか王太子フェリクスが颯爽と姿を現し、
後で揉めないように王族である自分が
この婚約破棄の証人になると笑顔で宣言したのだ。
しかもその日以降、
フェリクスはなにかとシェイラに構ってくるように。
公爵子息以上に高貴な身分である王太子とは
絶対に関わり合いになりたくないシェイラは
策を打つことにして――?
※設定がゆるい部分もあると思いますので、気楽にお読み頂ければ幸いです。
※本作品は、エブリスタ様・小説家になろう様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる