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4章
自由の種類
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先ほどまで説得しようと思っていた相手が、自分と同じような境遇だった。
この事実は、私がユリシーズの元に送られたことがいかに偶然で幸運だったのかを思い知らせる。
私は、選んでユリシーズに嫁いだわけではない。
たまたま売られた先で出会ったユリシーズと良好な関係を築けただけだ。
「殿下は、わたくしと同じ……」
「そうだ。公爵家の我儘に付き合わされて伴侶を拒否する権利すらない。私と同じく伴侶を押し付けられたアイリーンが、あのオルブライト伯爵を籠絡できたのは実力なのだろう。その恵まれた容姿も含め、オルブライト伯爵の心を掴むとは帝国きっての実力者だ」
「籠絡だなんて。ただユリシーズが懐いてくれただけです」
「それを籠絡と言わずして何を籠絡と言うのか」
「ええと、人聞きが悪いのですが」
まるで私がユリシーズを意のままに操っているみたいじゃない。
そりゃ、ちょっとは……私が命令すると喜ぶからと、お手とお代わりに加えてお回りまで覚えさせたりしたけれど……でもそれは夫婦のコミュニケーションであって……。
「思い当たる節がありそうな顔をしているぞ、アイリーン」
「……あれは籠絡だったのでしょうか」
「オルブライト伯爵が女性に贈り物をしたり笑顔を見せたりすることはないと思っていた。心当たりがあるのなら立派な籠絡だ」
うーん……。ユリシーズが私を好きになったのは単純に恋愛だと思ったのだけれど。
私は別にユリシーズを落とそうと思ったわけではなかった。そりゃちょっとドレスをねだったりはしたけれど……。
「籠絡の件は、一旦置いておきます」
「認めたくないのか。まあいい。余と境遇が似ているのは理解できているようだし、ここまで話せば抵抗したくなる理由も分かってくれているだろう」
「……はい。もしもわたくしが脂ぎった中年男性に嫁いでいたら、なるべく寵愛を受けないように振舞おうとしたかもしれません。側室内で嫉妬をされたら毒殺されかねませんし」
ちょっとした富豪の家は、奥様同士の争いが怖い。
寵愛を受けた側室に自分の子どもの未来や財産を奪われかねないのだから、奥様同士の陰謀が渦巻くことになる。
その状況に放り込まれたら、私は自分の子を望まなくなるのかもしれない。
どんな意図と狙いが含まれるかで、望みは変わるものなのよね。
クリスティーナとの子を望まないと言い切った皇子殿下の狙いが、ようやくちゃんと理解できた。
公爵家の勝手を許したくないと思ったら、自分のできる範囲で抵抗するしかないということ。
この人は、権力を利用して勝手をしているんじゃない。権力に抵抗しているだけなんだ。
「わたくしたちは、生まれた環境が違っただけで……同じだったのですね」
「身代わりとしてオルブライト伯爵に嫁ぐことになったアイリーン嬢には、それなりに同情をした。クリスティーナに要素が似てさえいなければ、あの恐ろしい男の元に嫁がなくて良かっただろうに、とな」
「でも、わたくしは身代わりとして嫁いだことで幸せを見つけられました」
「ああ、そうなのだろうな。アイリーンには敬意を払おう」
敬意だなんて、と思ったけれど、皇子殿下にだって幸せになる権利も自由もある。
でも、この状態でクリスティーナと皇子殿下が幸せになるためには、一体どうしたらいいの?
私がユリシーズと仲睦まじい夫婦になれたみたいに、二人の生きる道にも突破口はないのかしら。
「わたくしは、クリスティーナを尊敬しています」
「それが不思議だ。身代わりにされておいて、どうしてそんなに寛大になれる?」
皇子殿下に尋ねられて、言葉に詰まってしまった。
もしもオルブライト家で酷い扱いを受けていたらどうだっただろうか。
こんな風にクリスティーナを尊敬できていたのかは自信がない。
私はユリシーズと一緒にいる毎日で、幸せがどういうものなのかを知ることができた。
私を深く愛してくれる夫に、耳と尻尾が生えるお屋敷のみんな。
ボール遊びに全力で走り回る人狼たちを見ていると、子どものころから大好きだった犬に囲まれている心地がして楽しかった。
適材適所というのがあるのなら、私はユリシーズの家に向いていて、クリスティーナは皇室に向いているのだと思っていた。
クリスティーナの夫である皇子殿下の部屋で、私は皇子と自分の境遇に一致したものを認めている。
私たちは、人生の重要なことを他人に決められて生きてきた。
選択肢を持たないというのは夢も希望も知らないのと同じ。
皇子殿下は皇族として、私は両親の道具として、自由を与えられなかったのだ。
私が幸せを感じることができたのも、偶然によるところが大きい。
本当は両親の犠牲になって心を殺す毎日を送っていたかもしれなかったし、人に運命を決められるということがどれだけ辛いのかも思い知ってきたつもりだった。
もしも私がユリシーズから酷い扱いを受けていたとしたら、その環境に追いやったクリスティーナをどこかで疎ましく思っていたのかしら。
「……だけど、出会った時からクリスティーナとわたくしは姉妹のように仲良くなれたのです」
皇子殿下は興味深そうに私を見ている。
私が座っているのは恐らく皇子殿下のデスクで、皇子殿下が座っているソファは来客用のもの。
恐れ多いので、そろそろ席を譲りたい。
「クリスティーナには後ろめたさもあったのだろう」
「後ろめたさから親切にされていたとしても、わたくしのような下級貴族の出身者と対等に接してくださいました。それはクリスティーナの人間性によるところだと思います」
「……まあ、公爵家の者の中では、その辺の感覚はまともなのかもしれないが」
皇子殿下も、クリスティーナの公平なところを知らないわけではないらしい。
幼馴染だというし、二人がやり取りしている様子を見た限りでは、王子殿下もクリスティーナを嫌いなわけではなさそうだった。
「でしたら、もう少し歩み寄ってみてもいいのではないでしょうか……」
「譲歩されたことが少しでもあったのなら、歩み寄るという考えにもなる。クリスティーナは一度だって何かを譲歩したことはなかった」
「それは……婚約者に結婚は無しにしてくれと言われても、納得できるものではないからだと思いますが」
皇子殿下は難しい顔をして、「そもそも一方だけが納得して婚姻が成立するというのが間違っている」と言った。
それは確かにそうだと思う。
でも、私に選択肢が与えられていたとしても、身代わりで売られた先に見つけた幸せ以上のものが手に入ったとは思えない。
「与えられた婚姻でも、なんとかなるものですよ」
「それは、まぐれだ」
「わたくしは自分の前に選択肢があっても、正しいものを選ぶ目がありませんから」
恋も知らなければ、適齢期の男性との出会いもなかった。
男性の舐め回すような視線が苦手で、自分への好意に嫌悪感を持ってしまっていた。恐らく結婚相手を選ぶ能力はない。
「それを言ったら、余も同じだな。伴侶とはどう選ぶものなのだろうか」
「伴侶の選び方が分からない時点で、わたくしたちはこれで良いのですよ」
「あの公爵の思い通りになっているのにか?」
「……うーん」
私が公爵様の憎たらしい顔を思い浮かべて唸ると、皇子殿下は声をあげて笑った。
「殿下は、そうやって笑っている時の方が親しみが持てます」
「親しみなど持たれずともなんとかなる」
「そうでしょうけれど」
勿体ない、と言おうとして止めておいた。
この方の周りには、私には想像もできないような厄介な人たちが多いのだろう。
仮面が必要な人に、無責任な他人が何かを言っても仕方がない。
「やっぱり、クリスティーナとは仲良くしていただきたいです」
「もとに戻ったな。アイリーンの考えを変えるのは難しい」
皇子殿下は困った顔をしていたけれど、さっきの難しい表情が砕けていて楽しそうでもあった。
「あの、殿下……また説得に来てもいいですか?」
「説得される気は無いが、オルブライト伯爵領に帰る前にこうして話すのは構わない」
「また謁見で牢に送られなければいけないのでしょうか?」
「そうだな……何度も牢に送られた伯爵夫人というのは気の毒だから、次はこちらから使いをやろう」
「ありがとうございます。次はもう少し作戦を立てて参ります」
「……怖くなってきた」
言葉とは裏腹に、皇子殿下は笑っていた。
クリスティーナにどう報告しよう? と考えると気は重かったけれど、本音が聞けたのは大きい。
ユリシーズに今日のことを伝えたら、なんて言うかしら。
……皇子殿下と二人きりで話したと言った途端に、嫉妬に狂って話にならないかもしれない。
そういえば、ユリシーズは私が異性と二人きりになるのは嫌だと言っていた。
相手が、私に全く興味のないバートレットでさえ許せないというのだから不思議だ。
でも、そうやって嫉妬にまみれて怒り狂うユリシーズは、かわいくて憎めない。
私が浮気をするはずがないってことはしっかり理解してくれているから、単に私と親しげにする相手が許せないのだとか。この場合は皇子殿下に怒るのかしら??
思い出していると、なんだか、背中と肩が頼りなくて寒く感じる。
きっと、ユリシーズの高い体温に包まれ慣れてしまったのね。
離れた場所で頑張るって決めたのに、あなたが恋しい。
私、自分でも意識していなかった。甘やかしていたつもりだったけれど、いつもユリシーズに甘えていたみたいだ。
この事実は、私がユリシーズの元に送られたことがいかに偶然で幸運だったのかを思い知らせる。
私は、選んでユリシーズに嫁いだわけではない。
たまたま売られた先で出会ったユリシーズと良好な関係を築けただけだ。
「殿下は、わたくしと同じ……」
「そうだ。公爵家の我儘に付き合わされて伴侶を拒否する権利すらない。私と同じく伴侶を押し付けられたアイリーンが、あのオルブライト伯爵を籠絡できたのは実力なのだろう。その恵まれた容姿も含め、オルブライト伯爵の心を掴むとは帝国きっての実力者だ」
「籠絡だなんて。ただユリシーズが懐いてくれただけです」
「それを籠絡と言わずして何を籠絡と言うのか」
「ええと、人聞きが悪いのですが」
まるで私がユリシーズを意のままに操っているみたいじゃない。
そりゃ、ちょっとは……私が命令すると喜ぶからと、お手とお代わりに加えてお回りまで覚えさせたりしたけれど……でもそれは夫婦のコミュニケーションであって……。
「思い当たる節がありそうな顔をしているぞ、アイリーン」
「……あれは籠絡だったのでしょうか」
「オルブライト伯爵が女性に贈り物をしたり笑顔を見せたりすることはないと思っていた。心当たりがあるのなら立派な籠絡だ」
うーん……。ユリシーズが私を好きになったのは単純に恋愛だと思ったのだけれど。
私は別にユリシーズを落とそうと思ったわけではなかった。そりゃちょっとドレスをねだったりはしたけれど……。
「籠絡の件は、一旦置いておきます」
「認めたくないのか。まあいい。余と境遇が似ているのは理解できているようだし、ここまで話せば抵抗したくなる理由も分かってくれているだろう」
「……はい。もしもわたくしが脂ぎった中年男性に嫁いでいたら、なるべく寵愛を受けないように振舞おうとしたかもしれません。側室内で嫉妬をされたら毒殺されかねませんし」
ちょっとした富豪の家は、奥様同士の争いが怖い。
寵愛を受けた側室に自分の子どもの未来や財産を奪われかねないのだから、奥様同士の陰謀が渦巻くことになる。
その状況に放り込まれたら、私は自分の子を望まなくなるのかもしれない。
どんな意図と狙いが含まれるかで、望みは変わるものなのよね。
クリスティーナとの子を望まないと言い切った皇子殿下の狙いが、ようやくちゃんと理解できた。
公爵家の勝手を許したくないと思ったら、自分のできる範囲で抵抗するしかないということ。
この人は、権力を利用して勝手をしているんじゃない。権力に抵抗しているだけなんだ。
「わたくしたちは、生まれた環境が違っただけで……同じだったのですね」
「身代わりとしてオルブライト伯爵に嫁ぐことになったアイリーン嬢には、それなりに同情をした。クリスティーナに要素が似てさえいなければ、あの恐ろしい男の元に嫁がなくて良かっただろうに、とな」
「でも、わたくしは身代わりとして嫁いだことで幸せを見つけられました」
「ああ、そうなのだろうな。アイリーンには敬意を払おう」
敬意だなんて、と思ったけれど、皇子殿下にだって幸せになる権利も自由もある。
でも、この状態でクリスティーナと皇子殿下が幸せになるためには、一体どうしたらいいの?
私がユリシーズと仲睦まじい夫婦になれたみたいに、二人の生きる道にも突破口はないのかしら。
「わたくしは、クリスティーナを尊敬しています」
「それが不思議だ。身代わりにされておいて、どうしてそんなに寛大になれる?」
皇子殿下に尋ねられて、言葉に詰まってしまった。
もしもオルブライト家で酷い扱いを受けていたらどうだっただろうか。
こんな風にクリスティーナを尊敬できていたのかは自信がない。
私はユリシーズと一緒にいる毎日で、幸せがどういうものなのかを知ることができた。
私を深く愛してくれる夫に、耳と尻尾が生えるお屋敷のみんな。
ボール遊びに全力で走り回る人狼たちを見ていると、子どものころから大好きだった犬に囲まれている心地がして楽しかった。
適材適所というのがあるのなら、私はユリシーズの家に向いていて、クリスティーナは皇室に向いているのだと思っていた。
クリスティーナの夫である皇子殿下の部屋で、私は皇子と自分の境遇に一致したものを認めている。
私たちは、人生の重要なことを他人に決められて生きてきた。
選択肢を持たないというのは夢も希望も知らないのと同じ。
皇子殿下は皇族として、私は両親の道具として、自由を与えられなかったのだ。
私が幸せを感じることができたのも、偶然によるところが大きい。
本当は両親の犠牲になって心を殺す毎日を送っていたかもしれなかったし、人に運命を決められるということがどれだけ辛いのかも思い知ってきたつもりだった。
もしも私がユリシーズから酷い扱いを受けていたとしたら、その環境に追いやったクリスティーナをどこかで疎ましく思っていたのかしら。
「……だけど、出会った時からクリスティーナとわたくしは姉妹のように仲良くなれたのです」
皇子殿下は興味深そうに私を見ている。
私が座っているのは恐らく皇子殿下のデスクで、皇子殿下が座っているソファは来客用のもの。
恐れ多いので、そろそろ席を譲りたい。
「クリスティーナには後ろめたさもあったのだろう」
「後ろめたさから親切にされていたとしても、わたくしのような下級貴族の出身者と対等に接してくださいました。それはクリスティーナの人間性によるところだと思います」
「……まあ、公爵家の者の中では、その辺の感覚はまともなのかもしれないが」
皇子殿下も、クリスティーナの公平なところを知らないわけではないらしい。
幼馴染だというし、二人がやり取りしている様子を見た限りでは、王子殿下もクリスティーナを嫌いなわけではなさそうだった。
「でしたら、もう少し歩み寄ってみてもいいのではないでしょうか……」
「譲歩されたことが少しでもあったのなら、歩み寄るという考えにもなる。クリスティーナは一度だって何かを譲歩したことはなかった」
「それは……婚約者に結婚は無しにしてくれと言われても、納得できるものではないからだと思いますが」
皇子殿下は難しい顔をして、「そもそも一方だけが納得して婚姻が成立するというのが間違っている」と言った。
それは確かにそうだと思う。
でも、私に選択肢が与えられていたとしても、身代わりで売られた先に見つけた幸せ以上のものが手に入ったとは思えない。
「与えられた婚姻でも、なんとかなるものですよ」
「それは、まぐれだ」
「わたくしは自分の前に選択肢があっても、正しいものを選ぶ目がありませんから」
恋も知らなければ、適齢期の男性との出会いもなかった。
男性の舐め回すような視線が苦手で、自分への好意に嫌悪感を持ってしまっていた。恐らく結婚相手を選ぶ能力はない。
「それを言ったら、余も同じだな。伴侶とはどう選ぶものなのだろうか」
「伴侶の選び方が分からない時点で、わたくしたちはこれで良いのですよ」
「あの公爵の思い通りになっているのにか?」
「……うーん」
私が公爵様の憎たらしい顔を思い浮かべて唸ると、皇子殿下は声をあげて笑った。
「殿下は、そうやって笑っている時の方が親しみが持てます」
「親しみなど持たれずともなんとかなる」
「そうでしょうけれど」
勿体ない、と言おうとして止めておいた。
この方の周りには、私には想像もできないような厄介な人たちが多いのだろう。
仮面が必要な人に、無責任な他人が何かを言っても仕方がない。
「やっぱり、クリスティーナとは仲良くしていただきたいです」
「もとに戻ったな。アイリーンの考えを変えるのは難しい」
皇子殿下は困った顔をしていたけれど、さっきの難しい表情が砕けていて楽しそうでもあった。
「あの、殿下……また説得に来てもいいですか?」
「説得される気は無いが、オルブライト伯爵領に帰る前にこうして話すのは構わない」
「また謁見で牢に送られなければいけないのでしょうか?」
「そうだな……何度も牢に送られた伯爵夫人というのは気の毒だから、次はこちらから使いをやろう」
「ありがとうございます。次はもう少し作戦を立てて参ります」
「……怖くなってきた」
言葉とは裏腹に、皇子殿下は笑っていた。
クリスティーナにどう報告しよう? と考えると気は重かったけれど、本音が聞けたのは大きい。
ユリシーズに今日のことを伝えたら、なんて言うかしら。
……皇子殿下と二人きりで話したと言った途端に、嫉妬に狂って話にならないかもしれない。
そういえば、ユリシーズは私が異性と二人きりになるのは嫌だと言っていた。
相手が、私に全く興味のないバートレットでさえ許せないというのだから不思議だ。
でも、そうやって嫉妬にまみれて怒り狂うユリシーズは、かわいくて憎めない。
私が浮気をするはずがないってことはしっかり理解してくれているから、単に私と親しげにする相手が許せないのだとか。この場合は皇子殿下に怒るのかしら??
思い出していると、なんだか、背中と肩が頼りなくて寒く感じる。
きっと、ユリシーズの高い体温に包まれ慣れてしまったのね。
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