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< 本編 >
13.にがくて、あまい。少しでもあなたと:side佐伯(4)
しおりを挟むβ枠の話が高人さんから俺たちに正式に告げられ、資料が配られる。
「選考方法は、適性検査の数値……」
俺の意見が正攻法で採用されたようで、胸がじんわりと暖かくなった。
研究だけじゃなく、生徒会でも彼の役に立てた事が純粋に嬉しかったのだ。
そして、候補者に士郎が候補者に上がっていたのは本当に吃驚した。
合格できたんだな、という喜びも相まって不思議な気分だった。
でも、俺の目に狂いはないと思う。
β枠の概要を聞いて、改めて思った。
今の黒木を制御出来るのは、この子しかいないと俺の勘が言っている。
8名いる中から3名だけの選出。
狭き門だが、士郎なら難なくパスするだろう。
また中学の時の委員会の時の様に共に活動出来るかと思ったら、自然と笑みが溢れた。
「佐伯くん、砂糖を頼みます」
「持ってきてますよ。入れますね」
高人さんは恐ろしい程の甘党だ。
コーヒーに砂糖を入れるのは俺の日課になっていた。
彼の検証の流れでは開始して3ヶ月間はキスのみ。
キスのみだが、ありとあらゆるモノを試した。
レパートリーが増えた自信は間違いなくある。
次の3ヶ月間はキス以上、挿入未満。
彼の身体の至る所を探りまくった。
ここに触れたら、確実にイく、という場所も触り方も完璧だ。
3月からの3ヶ月間は色んなモノを織り交ぜる、というモノだった。
それには、挿入も入っている。
いつ、どの行為をするかは、彼が決める。
俺が検証の内容を知るのは、その日の砂糖の杯数だ。
最初の3ヶ月間は砂糖はずっと2杯だった。
次の3ヶ月間はずっと4杯。
2杯が通常かと思っていた俺は、急に4杯になった砂糖の量を最初は甘めで飲みたいのかなと何の疑問もなかったが4杯を入れ続けて、もうすぐ3ヶ月になる。
流石に毎日ずっとこの量だと体調が心配になった俺は、彼にこのことを質問した。
「ああ。本当はね、6杯が自分の標準なんだ。今の4杯でも、少し苦い。2杯のコーヒーはかなり苦いね。吃驚したよ。でも、あの苦さも、悪くない」
俺の前に座っていた高人さんは頬杖を突いてニコリ、と笑った。
「初めてキミと交わった日……俺は砂糖が6杯入ったコーヒーを飲んでいた。次の日から3ヶ月は2杯、その後3ヶ月は4杯。明日からの検証内容は、把握してるな?」
コクリと頷いた俺の耳元に、そっと小声で告げる。
「明日から6杯も解禁するから、そのつもりで。」
俺の脳内が爆発したのは言うまでもない。
β枠の説明を生徒会室でしている時に入れた杯数は……俺を喜ばせるモノだった。
黒木に嬉しさがバレないよう、必死にポーカーフェイスを作る。
そんな俺に気付いた高人さんは、俺の肩にポンと手を置いた。
「…………研究室で待っている」
黒木に気付かれないよう、そっと俺の耳元で囁き彼は生徒会室を出た。
ほんとに、煽りの天才だな。
今日は水曜だがいいんだろうか……?
一回や二回で終われる自信は、全く、ない。
興奮がバレないようポーカーフェイスを装うとした時、士郎から着信が鳴った。
電話に出た俺は変なテンションになってしまったが、黒木は素知らぬ顔で資料を作成している。
今、士郎と喋ると変なテンションになるのは間違いない。そう思った俺は無理矢理、黒木に電話を替わった。
その時だ。黒木の態度が、豹変したのは。
「高人さん……黒木が変なんです」
「変とは?いつもと変わらないように見えるが」
今日は4杯だった砂糖の指示通り、挿入せずにお互いを扱き合い、達した後だった。
ベッドに寝転びながら、俺の腕枕で横になっている高人さんに相談していた。
「いや、普段は変わらないんですが……しろ、時任が絡むと、黒木らしくないというか……」
「ああ。そういえば、時任くんをどうしてもβ枠にほしい、と訴えに来てたな」
「あの時は、すみませんでした。ああでもしないと士郎から離れなかったから……」
士郎が入寮してから4日目。
黒木はβ枠には一切関わらない、との言葉の通りβ枠関連は全て俺が行なっていた。
その代わり毎朝、俺たちの部屋に来ては士郎を抱きしめに来る。
俺は黒木が士郎に絆されてる、と推察しているが本人に確認していないから未だ不明だ。
うーん。と考え事をしていると、目の前に高人さんのかわいい顔があった。
「……た、高人、さん?」
「なんだ?」
「このまま、こられたら、俺的には最高すぎるけど俺、多分暴走するから、今夜寝れない、です、よ?明日は、確か……」
「そうだな。明日は、一限目から講義だ。」
だが、と言って俺の口唇にべろ、と舌を這わせた。
「気分が変わった。予定、変更だ。……おいで、総司」
予告通り、彼はその日眠る事はできないまま……次の日、一限の講義に向かった。
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