<完結> βの俺が運命の番に適うわけがない

燈坂 もと

文字の大きさ
34 / 107
< 本編 >

34.寮の部屋でキミと(6)

しおりを挟む




「……士郎……すまない……全然、足りない。なるべく、無理はさせたくないが……。今日は、お前とずっとこうしていたい……」

何度か口唇を重ねた後、少し離れた彼の口から、そんな言葉が出た。
俺も同じ気持ちだったから、嬉しい。

「……俺も、貴方と、もっと、したい……です」

俺は今しか彼とキスできないんじゃないかって、変な不安に急き立てられてた。
明日になったら何事もなかったかの様に普通の毎日が過ぎていくだけの様で。
今日は、どうしても、離れたくなかった。

「……っ。嬉しい。大事に、する」

彼は俺を横抱きにすると、ダイニングに向かった。
ダイニングには大きなソファがあり彼はそこまで俺を運ぶと、そのまま、ソファに腰掛けた。

ゴリ、と彼の硬くなった部分が俺に当たる。

「……っ!」
「……しょうがない、だろう?士郎とキスしたら、反応するに決まっている」
「へぁ……そ、そう、なんですか」

吃驚しすぎて、変な声が出た……!恥ずかしい……!
そんな恥ずかしがってる俺に、くすくす笑いながら彼はここに足を広げて、座って?と、膝の上に指を指して俺にお願いした。

硬く大きくなってるモノが俺のお尻に当たる。
顔が真っ赤になって固まった俺の頬を、彼は撫ぜた。

「…………いつか、士郎のココに入りたいと、思っている。俺はお前と、ひとつになりたい。」
「……っ。それ、は」
「すぐじゃ、ない。本当は今すぐにでも交わりたいが……士郎の気持ちが、固まった時……士郎と、ひとつになりたい」

する、と、彼の手が俺のお腹をなぞる。
その動きは、ここまで入ると言っている様で。
……背筋がゾクゾク、する。

「 ────── 士郎が、好きだ。」
「……っ!」

突然の告白に、声が出なかった。
まさか告白されるなんて思ってもいなかったから。
 
俺も彼で満たされたい。
でも、身体を重ねてしまったら後戻り出来ない気がして。
運命の番が現れて別れる事になった時、俺は立ち直れるだろうか……?

「……俺も……貴方が……好き、です。」
「っ!」

でも……、と、俺は彼の胸を両手で押さえた。
彼の表情が、俺の行動で曇る。

「……貴方のモノには、なれない。……ごめん、なさい」
「……!何故だ……?理由を、聞かせてくれ」

今にも泣き出しそうな辛い表情を彼にさせてしまった事に胸が、痛む。
これは、俺の……自分勝手な、我儘だ。

「貴方には……いつか運命の番が現れる。俺が、その時、貴方と離れて立ち直れる自信がないから……。そんな、自分本位な勝手な理由です……こんな俺じゃ、貴方の横には相応しくない」
「 ────── 出会うかどうかも分からない相手に……怯えて、いるのか……?」

彼の俺の背中に回った腕に力が入る。
少し、痛みが走った。

「っ。」
「運命の番なんて、必要ない。……相応しいかどうかなんて……関係ない。……俺には、お前が、必要なんだ……!」

ぐ、と顔が近づいた。
彼は、怒っている。怒らせたのは、俺だ。

「俺は、お前しか……いらない……!」
「 ────── んっ、」

激しく、音を立てて何度も何度も口付けを交わす。
俺と彼の口唇が触れ合う水音と、息遣いと、声だけが部屋にいやらしく響く。
彼の指が俺の耳の中に入ってきた。
音が、耳に、ひどく、響く。

「ん、ぁ、せん、ぱい……、っ」

堪らなくなって、彼の首に両腕を回した。
ふたりの間に隙間が無くなって、熱い息が混じり合う。

「……っ、しろう……、名前で、呼んで……?」
「……、ん……けい、すけ、さん……」
「っ!……士郎……!ん、」

どれくらい、キス、してるだろうか。
何度口唇を交わしても、全然足りない。

ずっと、くっついていたい。
数ヶ月前の俺は、俺の前に、そんな人が現れるなんて……想像も出来なかった。

想いが通じたら、幸せだなんて……
そんな単純な事じゃなかった事も。

「……、士郎、もっとだ。……もっと、したい。口、開けて……?」
「……っ!……は、……ぁ、」

彼からお願いされる事に、俺は弱い。
嬉しさで鼓動が、早くなる。
言われた通り口を開くと、彼の舌が滑り込んできて俺の舌を絡めとった。
お互いの舌が、ねっとりと絡み合って唾が行き来する。
すごく、興奮した。

彼の口唇が少し離れた。
どちらのものとも分からない糸が、ふたりを繋ぐ。
それが寂しくて、舌で追うと、彼の舌先が俺の舌先を刺激した。
彼の表情は、興奮で余裕がない。
普段、冷静な彼が、俺だけにそんな表情を見せているのかと思うと……堪らなく、ゾクゾクする。

「……ぁ、は、」
「……は、こんな、士郎を、っ、俺じゃない、別のヤツが知る、なんて……、っ。俺以外のヤツが、士郎と……、重なる、など……耐え、られない……!」
「……けいす、けさ……、ん……!」

口唇に、彼の口唇が乱暴に被さる。
ちゅぱ、と音を立てたキスは、俺の心臓を、簡単に潰した。

「……必ず、お前を俺のモノにする……俺のモノにして、一生、離さない……士郎、覚悟、しておけよ。」

ギラギラした熱の籠った瞳は、俺だけを映している。
まるで、宣戦布告でもするかの様だった。





しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

αが離してくれない

雪兎
BL
運命の番じゃないのに、αの彼は僕を離さない――。 Ωとして生まれた僕は、発情期を抑える薬を使いながら、普通の生活を目指していた。 でもある日、隣の席の無口なαが、僕の香りに気づいてしまって……。 これは、番じゃないふたりの、近すぎる距離で始まる、運命から少しはずれた恋の話。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

【完結】ネクラ実況者、人気配信者に狙われる

ちょんす
BL
自分の居場所がほしくて始めたゲーム実況。けれど、現実は甘くない。再生数は伸びず、コメントもほとんどつかない。いつしか実況は、夢を叶える手段ではなく、自分の無価値さを突きつける“鏡”のようになっていた。 そんなある日、届いた一通のDM。送信者の名前は、俺が心から尊敬している大人気実況者「桐山キリト」。まさかと思いながらも、なりすましだと決めつけて無視しようとした。……でも、その相手は、本物だった。 「一緒にコラボ配信、しない?」 顔も知らない。会ったこともない。でも、画面の向こうから届いた言葉が、少しずつ、俺の心を変えていく。 これは、ネクラ実況者と人気配信者の、すれ違いとまっすぐな好意が交差する、ネット発ラブストーリー。 ※プロットや構成をAIに相談しながら制作しています。執筆・仕上げはすべて自分で行っています。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。

叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。 幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。 大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。 幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。 他サイト様にも投稿しております。

運命の番と出会ったら…幸運な再会でした

こたま
BL
春川茜(あかね)はオメガ男子だ。ベータの姉、藍(あい)と帰国子女として仲良く大学に通っている。茜は、父の赴任で米国滞在中に診断不能の不全オメガと言われていた。二次性徴も発情期も正常に訪れ、血液検査ではホルモンもフェロモンも正常に反応している。しかしどんなアルファに対しても魅力を感じず、嫌悪感を覚える。そしてアルファもまた茜をどこか近寄りがたい誰かの物であるように知覚するのだ。一人で生きていこうと努力をしていた茜に訪れた出会いとは。同じ年のアルファ×オメガ。ハッピーエンドBLです。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

処理中です...