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< 本編 >
34.寮の部屋でキミと(6)
しおりを挟む「……士郎……すまない……全然、足りない。なるべく、無理はさせたくないが……。今日は、お前とずっとこうしていたい……」
何度か口唇を重ねた後、少し離れた彼の口から、そんな言葉が出た。
俺も同じ気持ちだったから、嬉しい。
「……俺も、貴方と、もっと、したい……です」
俺は今しか彼とキスできないんじゃないかって、変な不安に急き立てられてた。
明日になったら何事もなかったかの様に普通の毎日が過ぎていくだけの様で。
今日は、どうしても、離れたくなかった。
「……っ。嬉しい。大事に、する」
彼は俺を横抱きにすると、ダイニングに向かった。
ダイニングには大きなソファがあり彼はそこまで俺を運ぶと、そのまま、ソファに腰掛けた。
ゴリ、と彼の硬くなった部分が俺に当たる。
「……っ!」
「……しょうがない、だろう?士郎とキスしたら、反応するに決まっている」
「へぁ……そ、そう、なんですか」
吃驚しすぎて、変な声が出た……!恥ずかしい……!
そんな恥ずかしがってる俺に、くすくす笑いながら彼はここに足を広げて、座って?と、膝の上に指を指して俺にお願いした。
硬く大きくなってるモノが俺のお尻に当たる。
顔が真っ赤になって固まった俺の頬を、彼は撫ぜた。
「…………いつか、士郎のココに入りたいと、思っている。俺はお前と、ひとつになりたい。」
「……っ。それ、は」
「すぐじゃ、ない。本当は今すぐにでも交わりたいが……士郎の気持ちが、固まった時……士郎と、ひとつになりたい」
する、と、彼の手が俺のお腹をなぞる。
その動きは、ここまで入ると言っている様で。
……背筋がゾクゾク、する。
「 ────── 士郎が、好きだ。」
「……っ!」
突然の告白に、声が出なかった。
まさか告白されるなんて思ってもいなかったから。
俺も彼で満たされたい。
でも、身体を重ねてしまったら後戻り出来ない気がして。
運命の番が現れて別れる事になった時、俺は立ち直れるだろうか……?
「……俺も……貴方が……好き、です。」
「っ!」
でも……、と、俺は彼の胸を両手で押さえた。
彼の表情が、俺の行動で曇る。
「……貴方のモノには、なれない。……ごめん、なさい」
「……!何故だ……?理由を、聞かせてくれ」
今にも泣き出しそうな辛い表情を彼にさせてしまった事に胸が、痛む。
これは、俺の……自分勝手な、我儘だ。
「貴方には……いつか運命の番が現れる。俺が、その時、貴方と離れて立ち直れる自信がないから……。そんな、自分本位な勝手な理由です……こんな俺じゃ、貴方の横には相応しくない」
「 ────── 出会うかどうかも分からない相手に……怯えて、いるのか……?」
彼の俺の背中に回った腕に力が入る。
少し、痛みが走った。
「っ。」
「運命の番なんて、必要ない。……相応しいかどうかなんて……関係ない。……俺には、お前が、必要なんだ……!」
ぐ、と顔が近づいた。
彼は、怒っている。怒らせたのは、俺だ。
「俺は、お前しか……いらない……!」
「 ────── んっ、」
激しく、音を立てて何度も何度も口付けを交わす。
俺と彼の口唇が触れ合う水音と、息遣いと、声だけが部屋にいやらしく響く。
彼の指が俺の耳の中に入ってきた。
音が、耳に、ひどく、響く。
「ん、ぁ、せん、ぱい……、っ」
堪らなくなって、彼の首に両腕を回した。
ふたりの間に隙間が無くなって、熱い息が混じり合う。
「……っ、しろう……、名前で、呼んで……?」
「……、ん……けい、すけ、さん……」
「っ!……士郎……!ん、」
どれくらい、キス、してるだろうか。
何度口唇を交わしても、全然足りない。
ずっと、くっついていたい。
数ヶ月前の俺は、俺の前に、そんな人が現れるなんて……想像も出来なかった。
想いが通じたら、幸せだなんて……
そんな単純な事じゃなかった事も。
「……、士郎、もっとだ。……もっと、したい。口、開けて……?」
「……っ!……は、……ぁ、」
彼からお願いされる事に、俺は弱い。
嬉しさで鼓動が、早くなる。
言われた通り口を開くと、彼の舌が滑り込んできて俺の舌を絡めとった。
お互いの舌が、ねっとりと絡み合って唾が行き来する。
すごく、興奮した。
彼の口唇が少し離れた。
どちらのものとも分からない糸が、ふたりを繋ぐ。
それが寂しくて、舌で追うと、彼の舌先が俺の舌先を刺激した。
彼の表情は、興奮で余裕がない。
普段、冷静な彼が、俺だけにそんな表情を見せているのかと思うと……堪らなく、ゾクゾクする。
「……ぁ、は、」
「……は、こんな、士郎を、っ、俺じゃない、別のヤツが知る、なんて……、っ。俺以外のヤツが、士郎と……、重なる、など……耐え、られない……!」
「……けいす、けさ……、ん……!」
口唇に、彼の口唇が乱暴に被さる。
ちゅぱ、と音を立てたキスは、俺の心臓を、簡単に潰した。
「……必ず、お前を俺のモノにする……俺のモノにして、一生、離さない……士郎、覚悟、しておけよ。」
ギラギラした熱の籠った瞳は、俺だけを映している。
まるで、宣戦布告でもするかの様だった。
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