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5.あの日の事:side東雲(3)⁂
しおりを挟む俺の部屋に着いて、ベッドにゆっくりと愛しい部下を下した。
ほんとに、おくさんいないんだ……と俺が未婚な事を信じてなかったらしい彼は、ひとり暮らしの住まいを見て、信じてくれたようだ。
多分俺がいくら言っても、またまた!御冗談を!とか何とか言って信じてくれなかっただろうから、未婚を信じさせるのに、家に呼べたのは好都合だっただろう。
誰も呼んだことのない、俺の部屋に……野洲原がいる。
その事に堪らない気持ちになった。
「……て、いうか……ぶちょう、おとこ、と……やったこと……ない、でしょう???」
「……?どういう、意味だ?」
「そのままの、いみ、ですけど……おとこと、せっくす、したこと……ないでしょう?……たつ、んですか……?むり、しないで、いい、ですよ……?」
きっと彼は、俺がノンケだと思っているんだろう。
同僚に、しかも同姓に。報われない想いを寄せている可哀そうな部下を慰めるために、優しい上司は体を張ってくれようとしている、とでも、この可愛いおつむは予想しているのかもしれない。
そういえば、俺はバーで口付けをしている時も、バーから家までの間も、野洲原に「好きだ」と告げていない。
これでは、いい結果は生まれない。
俺とした事が、失策だった。
「……言ってなかったな。すまない。トウジ。」
「へっ!は!はい!……うわ、なまえ……よばれるの、やば……」
ベッドに座っているトウジを優しく抱き寄せる。
俺の心臓の音が、聞こえるように。
「俺は、2年前から……君が、好きだ。」
「……ッ!……しんぞうの、おと……っ、やばいっす、ね……」
「そうだろ?……君の前でかっこよく見せようとして澄ましているが……本当のところは、この有様だ。」
彼の片側の耳を手で塞いで、心臓の音に集中させる。
少しでも、分かってほしくて。
「すご……ぶちょうも、にんげん、みたい」
「……ははっ。俺も、君に出逢って、自分が人間だったと……初めて認識したよ。」
ゆっくりと、彼の前に顔を近付ける。
俺の言葉に、くすくす笑っているトウジを近くで見たくて。
かわいいその口唇に、もう一度、重なりたい。
「トウジ……?俺と、付き合って……?」
ゆっくり、口唇を落とした。
彼に俺を再認識させるために。
今すぐ、お前を気持ち良く出来るのも、甘やかせるのも……俺しかいない。
彼も俺に応えるように口をゆっくりと開け、俺の舌を中へ招いてくれた。
ねっとりと舌が絡み合って、くちゅくちゅ、卑猥な音が響く。
感じてる顔を見たくてゆっくりと舌を戻して口唇を離そうとすると、追うように彼の舌が顔を覗かせて。
その仕草に愛しさが募って、舌先だけをお互いに絡める様に上下させると、感じているのか、彼から熱い吐息が漏れた。
トウジは……これ以上を、許可、してくれるのだろうか。
早く、繋がりたい。
分かって欲しくて、彼の手を俺のソコに当てる。
「……コレが、俺の気持ちだ。……俺はこれ以上を期待、している。……お前の、中に……入りたい。」
驚いた表情の後、ごくん、と大きく彼の喉が鳴った。
これはイける、と営業部トップの実績を誇る俺の中で、確信が生まれた。
目の前の、獲物を……狩れる。
「……っ。……おれ、まだ……ぶちょうのこと、すきかどうか、わからなく、て……でも、その。さっきのきす、とか……めちゃくちゃ、きもち、よく、て……その。……なんていうか、こんな、すけべな、へんじ……ぶちょうには、しつれい、かも……だけど……」
早く、次の言葉が、聞きたい。
間違いなく……俺の期待している答えが、紡がれるであろうその口が開くのを、じっと待った。
「……ぶっちゃけ、……おれ……ぶちょう、と、……したい、……っす」
「……ふふ。今は、その答えを貰えただけで、充分だよ。……トウジ……?口、開けて……?」
傷付けてしまうんじゃ、とかそんな事を気にされないで心底よかったと思う。
俺は、そんな事よりも、今が大事だ。
トウジと繋がれる許可を貰えた、この瞬間が。
「……ぁ、っ!……きもち、ぃ……っ!」
「ん、ぁ、……ココ……?ココ、好きなの……?」
「ん……っ、すき……っ!もっ、と……、して……!」
おねだりが上手なこの子は、きっと初めてではない。
きっと、俺以外の男と、何回も体を重ねている。
年齢を考えても過去、交わる誰かが、いたって決しておかしくはない。
バーで彼から取り上げたスマホの登録したばかりだというマッチングアプリには、何十件も通知が来ていて。
俺は直様、彼のスマホからそのアプリを、抹消した。
そんなもの、必要ない。
これからは、俺だけでいい。
……俺だけを求める様に、快楽を、叩き込めばいい。
俺の熱く反り立った凶器を、彼の蕾に侵入させる。
尋常じゃない気持ち良さと高揚感が全身を駆け巡った。
俺が奥へゆっくりと進むたびに、肌と肌が擦れあって密着しているのを感じる。
彼のむっちりと膨れ上がったソコは、我慢の限界なのか先から透明な蜜が躍っている。
「……っぶ、ちょ……!ゆっくりなの、やば……っ!」
「……あー……気持ちいい……トウジ……?もっと、気持ちいい事してあげるから……俺の事、名前で、呼んで……?」
「……っ、……せ、いご……さ……ッ、……ぅ、あっ!」
「俺の名前、覚えててくれて……嬉しい……ッ」
「せいご、さん……!せぃ、ご……さッ、……ん、ぁ、っ!」
何度も何度も彼を果てさせて。
その、身体に俺を覚え込ませる。
もう他に、絶対に目が行かない様に。
永遠に、俺だけの、モノに。
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