わたしは今宵、神になる

1.わたしという存在

　わたしは春が嫌いだ。なま暖かい風が嫌い。新学期が憂鬱でしょうがない。席替えをしたクラスで新しく関係性を作るのもしんどい。新たな門出なんか滅相ゴメンだ。

　夏はもっと嫌いだ。暑苦しい風に耳障りなセミの声。プールの授業も最悪。男子の目つきは◯したくなる。いつも言い訳をつけてサボってはコンクリの間から生えた雑草を引っこ抜いて時間を潰す。日頃の恨みを込めて。

　秋も冬も大っ嫌い。こんなわたしに仲の良い友達なんていないけど、うわべの付き合いをするくらいならはじめから居ない方がいい。家族との関係もそこまで上手くいってない。父親とは半年以上も口をきいていないし、これからもそうだと思う。

なにもかも大っ嫌い。わからず屋ばかりでイライラする。

でもなんでこんなにイライラするのかはわからない。

そんなわたしという存在が一番キライ。