3 / 5
RE.プロローグ
観測者
しおりを挟む
僕は、時計を何度も見返すが、一向にお嬢さんから連絡が来ない。いや、まだ出発して10分しか経っていない。落ち着かなきゃいけないないのは、僕の方である。GPSの信号は着実に目的地に近づいていた。その時インカムを通して、お嬢さんから連絡が来た。そわそわしていた僕だったが、案外早い連絡に感嘆した。
「早かったね。でどうしたの何かトラブルかい?」
「トラブルってほどじゃないんだけど、同じような建物ばかりだからどこ
の建物に入ればいいの?」
「ちょっと待ってて」
ええと、確か送られて来たメールによると、Cブロックの4だから、
「お嬢さん、今交差点にいるんだろ。何か標識とかないかい?」
「あるけど、私から見て前方がBブロックって書かれてるわ」
「じゃあ、右だ。右に進んでくれ」
「わかったわ」
「そしたら、交差点から4番目の建物に何かおかしなところはないか?」
「ええあった。でも私のいる歩道と反対側の建物から、嫌な感じがする」
僕は内心驚いた。メールは、半信半疑の状態だった。しかし、本当にあるとすれば、まずは、お嬢さん側の建物の屋上から、問題のビル内の様子を伺うのがいいだろう。だが、GPSの赤い点は、道路を横切って、天使がいるであろう。ビルの中に入って行ってしまった。
「おお、お嬢さん?」
「えっ何?今ちょっと忙しい」
プツッ。あっ通信機の電源、切られちゃった。
仕方がないので、もう一度送られてきたメール文を見返す。だが、やはり天使が出るとだけ書いてあって、何故天使を観測しなければならないのかとか、天使が実際にこの建物のどこに現れるのかといった、詳細な情報はどこにも見当たらない。もしかしたら、送り主は元からそういった意図つまり、信憑性の薄い文面をあえて送りつけたのだろうか?そうなると、これを送った人物が悪者ということになる。それだと、僕の夢で見た少年の印象とは大きく異なる。罠に嵌めた線を除外すると、残るは、ただ1つ。緊急だったが故に、内容の薄いメールしか送れなかったということになる。だとすると、少々お嬢さんが危険かもしれない。罠ではないにせよ、メール1つまともに送ることもできないほど、攻撃的な相手なのかもしれない。なんとかお嬢さんが、通信機の電源を入れてくれないだろうか。
依然としてGPSの信号は同じ場所で点滅するばかりだった。そして、お嬢さんから連絡があったのは、お嬢さんが電源を切ってから15分後だった。
「ちょっといいかしら。建物の内部にいるんだけど、人がさっきからみんな倒れているのよ。どうしたらいい?」
「お嬢さんインカムの横にもう1つボタンがあるだろう」
「あった」
「そいつを押してくれ」
おそらくお嬢さんが、ボタンを押したと思われる。その証拠にインターネットを開いていた。三枚目のパネルにお嬢さんと同じ目線のカメラ映像が映し出された。
「何か変わった?」
「今、僕もお嬢さんと同じものを見てる」
「ということは、いちいち報告しなくていいってことね」
「そういうことだね。カメラの感度良好。さっ先へ進もう」
僕は、目線カメラが苦手だ。三半規管が、他人と同調することはなく目線の動きに酔うのだ。だから、ブレの酷いドキュメントや、友達の運転する車なんかは、あまり好ましくないのだ。
「お嬢さん、ごめんよ。ちょっと席を外すよ」
であるから、僕は1度席を外して、目頭を押さえて、椅子にもたれかかった。「あんた、しっかり見てなさいよね。初対面の相手に面倒事押し付けてるの、わかってるの?」とお嬢さんが激しく抗議しているみたいだけど、やはり慣れないものは慣れないな。これは、とんだ失策だった。今度からは別の方法で、周辺映像を撮影しよう。
「ああ、そのまま進んでくれ」
「その必要はないみたい」
お嬢さんの声色が、変わる。眼鏡をかけ直して、カメラ映像を見ると見るからに怪しい子が、お嬢さんの前方からやって来る。
「ねえ、天使ってあの子よね?」
間違いない。十中八九間違いない。この子が天使だ。背中には黒ずんだ翼、ボロボロの服(布?)を着て、ゆらゆらとお嬢さんに近づいて来ている。
「何か聞いて見てくれ。刺激しないように頼むよ」
「わかったわ。あなた誰?」
良い質問だ。存在を問う。まずは、天使であるかそうでないかの確認をする。完璧に近い選択だと思う。さて相手の反応はどうか・・・。
「私は、天使。原初の神に仕える者」
なるほど、原初の神か。神話によって原初の神は、いくらかいる。メジャーなものからマイナーなものまで、探し始めたらキリがない。
「どうしてここにいるの?」
存在の確認の次は、存在理由を問う。お嬢さんは、なかなか慎重派なのかもしれない。僕なら、行動を問いたいね。〈何をしているのか?〉とね。似たようなニュアンスだが、存在理由を問う方が、相手側が答える情報量が格段に多いのだ。例えば、犬の散歩をしている人に行動を尋ねるとすると、答えは「犬の散歩」と、いたってシンプルである。次に存在理由を聞くと、「犬の散歩わするため」となる。そうなると、「どうして」の部分にたくさんの意味合いが含まれる。日課なのか、家族の代わりに散歩しているのか、犬が落ち着かないからなのか。とりあえずその「HOW」の部分に質問された側は、「WHAT」より多く答えなくてはいけないのだ。
天使は真面目なのか、聞かれた質問に1つずつきっちり答えていく。
僕は、ただ固唾を飲み待つのみだ。
「ねえ、どうする?」
「危害を加えられてない以上、こちらから手は出さない」
「でも、もう何人もやられているわ」
「それでも、だよ。お嬢さん」
そう堪えてくれお嬢さん。もし対話が可能な存在ならば、無益な戦闘を避けることができる。しかし、僕の願いとはうらはらに、
「どうしてですか?答えを聞く前に消してあげましょう」
あちらさんは、やる気満々である。
「マズイんじゃない?」
「そうだね、とりあえず撤退してくれ、メールには観測せよとしか書かれていない。だから、一応目的は達成しているから・・・。お嬢さん、お嬢さん」
お嬢さんとの通信が途切れた。僕が思うに、相手側がかざした手から、ジャミングやら何やらが発生したのだろうと、僕は推測して見たものの、推測では事態は解決しない。
止む終えず、僕もお嬢さんのいるビルへと向かい。事務所を出た。
ビルの目の前の通りに来てみると、お嬢さんが、丁度中からよろめきながら、出てくるところに出くわした。
「お嬢さん」
「ああ、疲れた」
「お疲れ様。であの子は?」
「消えた」
「消えた?」
「あの子が手をかざした瞬間に外がピカッと光ったかと思うと、あの子は消えてたのよ」
なるほど、天使を観測するだけでいいとは、そういうことなのか。天使を観測すれば自動的に天使を削除、または退去させることができる。だから、目にするだけでいい。
お嬢さんは、ガードレールにもたれかかって、ひと息つく。
そんな彼女の体は思っていた以上に傷だらけである。僕は少し申し訳ない気持ちになった。
「お嬢さん、傷を見せてごらん」
「い、いいわよ別に。大したことじゃないし」
お嬢さんは、スッとガードレールに預けていた体を起こして、ビルの中に再び入って行った。
「どうしたんだい、何か気になることでも?」
「気になることって、中に倒れてる人がいっぱいいたでしょ」
とお嬢さんは言うが、僕は知っていた。中には、もう倒れている人はいないのだ。
ビルの中では、忙しそうに人々は出入りして、見慣れたオフィスの情景である。
お嬢さんは、驚きからか目を見開いて、固まっている。僕もここへ来た時は、確かに驚いた。だが、今では何もなかったかのように、このビルは機能しているのが現実だ。受け入れてもらうしかない。おそらく、1階のフロントが、この様子だから、上の階ももう元どおりで、さっきまでのことは誰も気にしていないんだろな。
「さっ、帰ろうお嬢さん。謎解きは帰ってからじっくりと、ね」
「そうね、私疲れたわ」
僕とお嬢さんは、現場を後にした。
「早かったね。でどうしたの何かトラブルかい?」
「トラブルってほどじゃないんだけど、同じような建物ばかりだからどこ
の建物に入ればいいの?」
「ちょっと待ってて」
ええと、確か送られて来たメールによると、Cブロックの4だから、
「お嬢さん、今交差点にいるんだろ。何か標識とかないかい?」
「あるけど、私から見て前方がBブロックって書かれてるわ」
「じゃあ、右だ。右に進んでくれ」
「わかったわ」
「そしたら、交差点から4番目の建物に何かおかしなところはないか?」
「ええあった。でも私のいる歩道と反対側の建物から、嫌な感じがする」
僕は内心驚いた。メールは、半信半疑の状態だった。しかし、本当にあるとすれば、まずは、お嬢さん側の建物の屋上から、問題のビル内の様子を伺うのがいいだろう。だが、GPSの赤い点は、道路を横切って、天使がいるであろう。ビルの中に入って行ってしまった。
「おお、お嬢さん?」
「えっ何?今ちょっと忙しい」
プツッ。あっ通信機の電源、切られちゃった。
仕方がないので、もう一度送られてきたメール文を見返す。だが、やはり天使が出るとだけ書いてあって、何故天使を観測しなければならないのかとか、天使が実際にこの建物のどこに現れるのかといった、詳細な情報はどこにも見当たらない。もしかしたら、送り主は元からそういった意図つまり、信憑性の薄い文面をあえて送りつけたのだろうか?そうなると、これを送った人物が悪者ということになる。それだと、僕の夢で見た少年の印象とは大きく異なる。罠に嵌めた線を除外すると、残るは、ただ1つ。緊急だったが故に、内容の薄いメールしか送れなかったということになる。だとすると、少々お嬢さんが危険かもしれない。罠ではないにせよ、メール1つまともに送ることもできないほど、攻撃的な相手なのかもしれない。なんとかお嬢さんが、通信機の電源を入れてくれないだろうか。
依然としてGPSの信号は同じ場所で点滅するばかりだった。そして、お嬢さんから連絡があったのは、お嬢さんが電源を切ってから15分後だった。
「ちょっといいかしら。建物の内部にいるんだけど、人がさっきからみんな倒れているのよ。どうしたらいい?」
「お嬢さんインカムの横にもう1つボタンがあるだろう」
「あった」
「そいつを押してくれ」
おそらくお嬢さんが、ボタンを押したと思われる。その証拠にインターネットを開いていた。三枚目のパネルにお嬢さんと同じ目線のカメラ映像が映し出された。
「何か変わった?」
「今、僕もお嬢さんと同じものを見てる」
「ということは、いちいち報告しなくていいってことね」
「そういうことだね。カメラの感度良好。さっ先へ進もう」
僕は、目線カメラが苦手だ。三半規管が、他人と同調することはなく目線の動きに酔うのだ。だから、ブレの酷いドキュメントや、友達の運転する車なんかは、あまり好ましくないのだ。
「お嬢さん、ごめんよ。ちょっと席を外すよ」
であるから、僕は1度席を外して、目頭を押さえて、椅子にもたれかかった。「あんた、しっかり見てなさいよね。初対面の相手に面倒事押し付けてるの、わかってるの?」とお嬢さんが激しく抗議しているみたいだけど、やはり慣れないものは慣れないな。これは、とんだ失策だった。今度からは別の方法で、周辺映像を撮影しよう。
「ああ、そのまま進んでくれ」
「その必要はないみたい」
お嬢さんの声色が、変わる。眼鏡をかけ直して、カメラ映像を見ると見るからに怪しい子が、お嬢さんの前方からやって来る。
「ねえ、天使ってあの子よね?」
間違いない。十中八九間違いない。この子が天使だ。背中には黒ずんだ翼、ボロボロの服(布?)を着て、ゆらゆらとお嬢さんに近づいて来ている。
「何か聞いて見てくれ。刺激しないように頼むよ」
「わかったわ。あなた誰?」
良い質問だ。存在を問う。まずは、天使であるかそうでないかの確認をする。完璧に近い選択だと思う。さて相手の反応はどうか・・・。
「私は、天使。原初の神に仕える者」
なるほど、原初の神か。神話によって原初の神は、いくらかいる。メジャーなものからマイナーなものまで、探し始めたらキリがない。
「どうしてここにいるの?」
存在の確認の次は、存在理由を問う。お嬢さんは、なかなか慎重派なのかもしれない。僕なら、行動を問いたいね。〈何をしているのか?〉とね。似たようなニュアンスだが、存在理由を問う方が、相手側が答える情報量が格段に多いのだ。例えば、犬の散歩をしている人に行動を尋ねるとすると、答えは「犬の散歩」と、いたってシンプルである。次に存在理由を聞くと、「犬の散歩わするため」となる。そうなると、「どうして」の部分にたくさんの意味合いが含まれる。日課なのか、家族の代わりに散歩しているのか、犬が落ち着かないからなのか。とりあえずその「HOW」の部分に質問された側は、「WHAT」より多く答えなくてはいけないのだ。
天使は真面目なのか、聞かれた質問に1つずつきっちり答えていく。
僕は、ただ固唾を飲み待つのみだ。
「ねえ、どうする?」
「危害を加えられてない以上、こちらから手は出さない」
「でも、もう何人もやられているわ」
「それでも、だよ。お嬢さん」
そう堪えてくれお嬢さん。もし対話が可能な存在ならば、無益な戦闘を避けることができる。しかし、僕の願いとはうらはらに、
「どうしてですか?答えを聞く前に消してあげましょう」
あちらさんは、やる気満々である。
「マズイんじゃない?」
「そうだね、とりあえず撤退してくれ、メールには観測せよとしか書かれていない。だから、一応目的は達成しているから・・・。お嬢さん、お嬢さん」
お嬢さんとの通信が途切れた。僕が思うに、相手側がかざした手から、ジャミングやら何やらが発生したのだろうと、僕は推測して見たものの、推測では事態は解決しない。
止む終えず、僕もお嬢さんのいるビルへと向かい。事務所を出た。
ビルの目の前の通りに来てみると、お嬢さんが、丁度中からよろめきながら、出てくるところに出くわした。
「お嬢さん」
「ああ、疲れた」
「お疲れ様。であの子は?」
「消えた」
「消えた?」
「あの子が手をかざした瞬間に外がピカッと光ったかと思うと、あの子は消えてたのよ」
なるほど、天使を観測するだけでいいとは、そういうことなのか。天使を観測すれば自動的に天使を削除、または退去させることができる。だから、目にするだけでいい。
お嬢さんは、ガードレールにもたれかかって、ひと息つく。
そんな彼女の体は思っていた以上に傷だらけである。僕は少し申し訳ない気持ちになった。
「お嬢さん、傷を見せてごらん」
「い、いいわよ別に。大したことじゃないし」
お嬢さんは、スッとガードレールに預けていた体を起こして、ビルの中に再び入って行った。
「どうしたんだい、何か気になることでも?」
「気になることって、中に倒れてる人がいっぱいいたでしょ」
とお嬢さんは言うが、僕は知っていた。中には、もう倒れている人はいないのだ。
ビルの中では、忙しそうに人々は出入りして、見慣れたオフィスの情景である。
お嬢さんは、驚きからか目を見開いて、固まっている。僕もここへ来た時は、確かに驚いた。だが、今では何もなかったかのように、このビルは機能しているのが現実だ。受け入れてもらうしかない。おそらく、1階のフロントが、この様子だから、上の階ももう元どおりで、さっきまでのことは誰も気にしていないんだろな。
「さっ、帰ろうお嬢さん。謎解きは帰ってからじっくりと、ね」
「そうね、私疲れたわ」
僕とお嬢さんは、現場を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
真実の愛ならこれくらいできますわよね?
かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの
でもそれは裏切られてしまったわ・・・
夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。
ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる