極上御曹司の純愛〜幼馴染に再会したら身も心も囲い込まれました〜

吉生伊織

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⭐︎突然の再会

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 蒸し暑さもようやく落ち着きをみせはじめた十月初旬。

 あけぼの保育園での早番のシフト勤務を終えた私、天河美詞あまかわみことは、毎日子供たちとめいいっぱい遊んで疲れたご褒美にと、通勤途中にある海外ブランドのカフェへ立ち寄った。

 以前から気になっていた季節限定のドリンク。

 仕事帰りの電車の中でSNSをスクロールしていたときに見つけ、買ってみたいと楽しみにしていた。
 そのお目当てのドリンクが、今週で終わってしまうらしい。

 これまで仕事の都合や日々の疲れから、途中下車してまで立ち寄る気力がわかず、近くのスーパーで必要なものを買い足すだけの質素な毎日を過ごしていた。

 ところが今日は久しぶりに残業することなく、奇跡的に定時退園することができたのだ。
 こんなに早く帰れる日なんてそうそうない。

 今日はもう何も考えず、ドリンクの神様が『おいで』って言ってくれてるんだわ! ……なんて、頭の中まで浮かれている。

 日が傾きかけているとはいえまだ明るい時間帯。
 足取り軽くウキウキしながらいつもは降りることのない駅を出て、ビジネス街の一角にあるカフェ店の自動ドアをくぐった。

 店内に入れば耳に心地よいBGMのボサノバが流れている。

 今までこのお店に入ったことがなかった私は、オーダーの順序を店員さんに教えてもらいながら、なんとか持ち帰りで注文を済ませることができた。

 これまでずっと不要な出費を避けて、切り詰めた生活をしていた私にとって、ドリンクひとつ買うだけでも贅沢な買い物。
 それでも思い切って買いに来たのは、早く帰れた高揚感と自分へのご褒美という大義名分。

 あとは……見た目の可愛らしさに惹かれたから。

 そんなことを自分の中で無理やり理由づけしながら、おしゃれな注文客を横目にソワソワして待っていると、番号が呼ばれようやくドリンクを受け取った。

 ずっしりとした重みと、やっと手にできた喜びで顔がニヤつく。

 私はカップを手に持ち、上機嫌なまま店外へと足を踏みだした。

「うわぁ、綺麗な色」

 店を出てすぐに腕を少し掲げて見上げたカップ。

 中はカラフルに色づいた紫イモのドロっとした層の上に透明な炭酸、その上に黄色のアップルの果肉が重なっている。

 そしてカップより上にはみ出すように真っ白なクリームがのっていて、銀のアラザンと星型のスプレーまでふりかけてある。

 腕を下ろして覗けば、ドーム型の透明な蓋の中にミニチュアの綿雲が浮いていて、雲のうえに星が散らばったような見た目がとてもファンシーで、その可愛らしさに胸がキュンとなる。

 普段保育士をしていると、子供たちの持ち物……特に女の子はファンシーな可愛らしい絵柄の持ち物が多い。
 サイズといいふわふわした色合いといい、小さな子供が持つとそれはそれは可愛く見えるのだ。

 そんな天使みたいな子供たちを毎日見ていると、可愛いものについ目が引き寄せられてしまう。

 SNSの投稿を見たときも、このドリンクの写真を見て可愛くてどうしようもなく手にしてみたくなったのだ。

 実際に手にすると、写真で見るより美味しそうで可愛らしくて期待以上。話題になっているだけある。

 次の週には別の商品に変わっているため、その前に買えてよかった、とカップを見つめた。

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