極上御曹司の純愛〜幼馴染に再会したら身も心も囲い込まれました〜

吉生伊織

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⭐︎大人になった彼

3


 このあけぼの保育園は宗教法人が運営しているため、園長先生は頭を坊主にしている。

 見た目は若く見えるけれど、実際は五十代後半で奥様も子供もいる。実はその奥様とは再婚だと本橋先生に聞いたことがある。

 それなのに主任と不倫しているという噂もあって、真偽のほどは定かではないけれど、この舐めまわすような目つきにあまり良い印象は持てない。

「すみません、とりあえず今日は急ぐのでこれで失礼します」

 園長に頭を下げてから門柵を開け、逃げるようにその場から立ち去った。

 駅へ向かって早足で歩きながら、先ほど園長に声をかけられてからなんとなく嫌な感覚が拭えない。

 今日は本当に約束があってすんなり断れたけれど、もしも今後も飲みに誘われるようなことがあれば、どうやって断ったらいいだろうと気が重い。

 実は園長先生に関してもうひとつ変な噂を聞いたことがある。若い先生に対してセクハラまがいのことをしていたのだという。それが原因で辞めてしまうため、人の出入りが激しいのだと聞いた。

 嘘か本当かはわからないけれど、幸い私はそれほど若くはないし目もつけられていないと思いたい。
 だけど先ほどの園長先生の目つきを見て嫌な気持ちになるなら、少し警戒しておいたほうがいいかもしれない――。


 保育園を出てから早足で向かったおかげで、ホテルの最寄駅に二十分早く到着した。

 周囲を確認しながら、駅から歩いて待ち合わせ場所のホテルへ近づいた。

 見上げれば周りには視界を遮る高層ビルなどはなく、都心の喧騒から切り離されたような緑の多い一角に、どっしりとしたクラシックな建物がオレンジ色の光を纏って建っていた。

 初めて訪れるホテル『ルガーディア』。
 少し離れて見ただけでも、その重厚感に圧倒されてしまう。

 さらにホテルの敷地に足を踏み入れれば、エントランス前に庭園があり、緑に囲まれた落ち着いた気配の外観が出迎えてくれた。

 ここは日本でも有数のラグジュアリーホテル。
 すでにホテルの外観だけで、場違いすぎて足を踏み入れるのに躊躇してしまう。

 意を決して中に入ると、三階まで吹き抜けになった大きなロビーが広がり、正面にフロントそして通路の真ん中には数席もの質の良さそうなソファが並んでいて、その真ん中には大きな花瓶に色鮮やかで豪華な花が生けられている。
 
 全体を見渡すと、囲むように両端に何本もの大きな柱が並んでいる。高い天井からはキラキラと輝く煌びやかなシャンデリアが吊り下げられ、壮麗な内装になっていた。

「素敵すぎる……!」

 まるで夢のなかのお城に入ったようで、胸がときめく。

 だけど、本当にこんな凄い場所のラウンジで待ち合わせ? 私には少し場違いすぎて、足が竦んでしまう……。

感想 1

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